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あれからすぐに手続きをして、何の問題もなくブルー家から籍を抜くことができた。
(これで自由よ!)
私はブルー家の娘ではなく、ただのダリアローズ。
ようやく本当の意味で自由を手にしたのだが、そのことをアナベルに伝えると、目に涙を浮かべ喜んでくれた。
「ぐすっ……おめでとうございますが正しいかは分かりませんが、ダリア様が嬉しそうでよかったです!」
くっ、アナベルの笑顔と涙が……ってダメダメ!落ち着け、平常心を保つのよ私。
「ありがとう。ほら、涙を拭いて」
「す、すみません。お見苦しいところをお見せしてしまって……」
「そんなことはないわ。ベルは泣いてる顔もかわいいわよ?」
「~~っ!……もうダリア様ったら」
なんだか照れてるみたいだけど、もしかして泣き顔を見られたのが恥ずかしかったのかな?
「ふふふ」
「ダリア様……?」
「ふふっ、なんでもないわ」
「そうですか?」
「ええ……あ、そうだわ」
そうだった。一つ大切なことを聞いておかないといけなかった。
「あのね、私はもう貴族じゃないわ。……それでもベルは、こんな私とこれからも友達でいてくれるかしら?」
除籍したことで、私は貴族ではなく平民となった。果たしてアナベルは受け入れてくれるのか……
「もちろんです!身分なんて関係ありません!」
「ベル……」
「その……ダリア様も私とずっとお友達でいてくれますか?」
ぐっ……ヒロインの上目遣い……破壊力がすごすぎる。
それに心まで美しいときた。
うん、まかせて!あなたは私が絶対に幸せにしてみせるから!
「ええ、もちろん!」
それから他愛のない会話で楽しんでいると、話題はアナベルの家族の話に。
この流れなら、あの話も不自然にはならないだろう。
「実はね、私にも血の繋がりはないけど大切な家族がいるの。できれば家族に初めての友だちを紹介したいのだけど……どうかしら?」
「本当ですか?ぜひお会いしたいです!」
よし。早速予定の調整を始めないとね。
「ありがとう。今度うちに招待させてもらうわね」
「ダリア様のお家……!はい、楽しみにしています!」
アナベルの表情から、とても楽しみにしてくれているのが分かる。もちろん私も楽しみだ。
早く紹介できるといいな。




