④目が覚めたら君が居ない
幼少期編のラスト回です!
少し短めですが、よろしくお願い致します
ずっと夢を見ていた。いや、何も見ていなかった。ただ綺麗mな歌声といい香りと甘く温かいものが口に流れ込む感覚にずっと浸り続けていた。目を覚ますと、前にも見たような母と父の泣き顔があった。すぐに担当医の顔が覗き込んで来て、険しい顔から柔らかい笑顔に変わると僕の頭を撫でた。
「よく戻って来たね。もう大丈夫だ」
僕は戻って来たと言う言葉にまた死にかけてたいた事実を知る。直前の記憶は渚ちゃんと過ごした夜のもの。あの時、僕に死ぬなと言った彼女にはきっと凄く心配させてしまっただろうな。
「渚ちゃんは?すぐに会えるかな?」
僕の言葉に大人達は顔を見合わせる。
「何日くらい僕は寝てた?僕の事心配して見に来たりしなかった?」
「一週間よ。さっき新月が明けて京君の目が覚めたの」
「パパ達もずっと付きっきりだったんだぞ。渚ちゃんって友達か?」
「誰も来なかったと思うんだけど、、」
母と父が交互に答えてくれたが聞くんじゃ無かったと後悔した。あんなに泣いて死ぬななんて言ってくれたのに、心配してくれもしなかったと思うと少し悲しかった。
「そっか、、」
それから担当医に促され両親は今後の話をしに退室して行った。看護師も必要のなくなった機材などの片付けが済むと行ってしまい室内は静かになった。そうなるとやたらと頭の中にあの子の歌声が響いて消えない。
「また聞きたいな…」
僕の呟きは当然誰の耳にも届かなかった。
お読み頂きありがとうございました!
次回から高校生〜大人編のスタートです
【再入院】お楽しみ下さい♪




