第2部 亜空の袋vs俺の脳みそ
転入歴元年七月
*)只管……彷徨う
「何も無い処だからあの地点まで行くのに何日かかるのか見当も付かない。ま~それでも行かない選択肢はないよな、途中に村や街が在れば万々歳だから。」
山向こうに見えているというのがミソなのか、これではあの黒い処へはどれ程の距離があるのかは山に登ればいいだけか……でも高いみたい。
独り言なのか脳内言語なのか? もう判らなくなってきた。”水”が無い! 水も袋から出せるのか、
「う~……み、水……、」
「ドパー……ッ。」
「やはりこうなるのか。」
大量の水が頭に全身に降ってくるとはあり得なくもないが、次は何らかの容器を用意して水を呼び出すべきだと悟った。俺は濡れた寝間着を脱いで丸めて頭の上に上げてから寝間着を絞った、口は汗と埃の混じった茶色の水で渇きを癒やす。
水は振(り)掛けられると言う方がしっくりくる。それもバケツの水を直に掛けられたような気分だぜ。
「う~不味い~……もう一杯!」
「ドパー……ッ。」
「’’’’……。」
無事に山を越えることは出来たって事はだ、この先どうやって進めばいいのか自信が無くなる。見渡す限りの森、森、森。この方向へは進めないとしたら方向転換あるのみ。
「回れ~右!」
「ウヒョ~……見事に何もないや素晴らしいものだぜ。清々しい風が吹いているのもお決まりのシュチエーションだよ。」
山の峰に沿って歩く事にする。どこかに道の断片が残っていてもいいはずだから。地面が無くなったのはこの山を越えて麓に差し掛かった辺りまでのようだった。
ならば道は残っていてもいいはず、だって森と消えた地面が綺麗に別れているからだ。
昨日に多数の魚を亜空の袋に放り込んだがそれが出なくなってきた。いや出るには出るが数が少なくなってきたと言うべきか。
三日前は袋に五匹を出せ”と命令してもそれが四匹だったり三匹だったりしたし、昨日は一匹だけだったな、これでは俺の飯が……。
ものは試しと考えて大きな岩を袋に落としてみると、大きく複雑に揺れた袋は波打つように揺れたからきっと何かにぶつかったのか。
「ナマズ、五匹!」
ポロ~ンと空中から現れたナマズ、ピチピチと跳ねる生きたナマズだった。
「こいつは生きてやがる、前の死んだナマズは何処に行った!」
俺はアニメで見た魔法の詠唱をしてみた。ファイアボールを呼び出して岩にぶつけてみると岩は大きく抉れたり弾けて粉々になったりした。ほんの少しの力が変わるだけで効果も変わるようだが。
偶然だが俺は疲れて岩に腰を下ろそうとして手を突いて、「ファイア」と言ってしまったが、直ぐさま岩が大きく破裂するのではと慌ててしまった。
「うっひょ~岩が壊れていなよ、それよりかこの岩が熱くなっていやがる。もしかして岩に熱量を加える事が出来たりしてて?」
ものは試しとばかりに横の岩に右手を当てて呼んでみた。
「ファイア!」
結果はゆっくりと顔に熱が伝わってきて、間違いなく火のように熱いと感じた。次に手のひらを岩に向けると確かに熱く感じる。
「何か試せるものは……ナマズしかないか、焼いてみるかな。」
「ジュワ~……。」
「お~良い香り、少し生臭いがいい匂いだぜ。」
俺は塩を出すのを忘れてナマズを皮ごと焼いていた。食えないか……それから練習を重ねる。試しに肉と叫んでみたら出て来たよ、肉は切り刻まれた物なんだが、それはこの亜空の袋を呉れた村人の食料のようで何の動物の肉かが判らない。
俺は適当に調理が出来そうな岩を見つけてファイアボールを岩に注ぎ込んだ。
これは俺が考えた煮炊き用のスキルで、いちいち火を熾すことが不要になる有り難~い便利なもで、その火力は注ぐのにコツがいる。より多くの火力を注げば岩が割れてしまうし、弱ければ煮炊きが出来ない。暖を取る湯たんぽみたいにしか温まらない。
で、適当と言えば適当のなだが弱いと調理時間が長くなり、やや強いと焦げたりして魚や肉、野菜を手早くひっくり返すのが大変になる。まだまだ問題が残っていて俺のファイアボールを岩に注げるのはいいが、どうも効果は際限なく続く。油がないので岩にナマズの皮がひっついてしまうから最後はボロボロになる。
これだと岩の上で焼くのは大変だと悟った。低温で長く時間をかけて調理の方が優れているか、若しくは火力最大でお焦げを作るかの二択だな。
一番の問題が目の前の岩の大きさを把握する事だ。地上に出た岩が全てでは無い、地面から下にどれだけの大きさが隠れているやら量ることすら出来ないから。
夜の火力は朝になっても変わらずに残ったままだった。今度は熱い岩を冷却するための魔法をも練習する必要が出て来た。水魔法でいいがこれがまた力の調整が難しいときた。
とうとう面倒だと思って岩の回りに小さな窪みを地面に掘ってそこに水を流し込むと、いとも簡単に岩の冷却が出来た。でもそんな穴掘り作業はやる気はでない。
「この亜空の袋に何が収まっているのか、判ればな~。」
そうなんだこの亜空の袋に収まっている物が分らない、呼びだそうにもいちいち名前を呼ばないと出て来ないから。
「ま、現状パソコンと同じじゃね~か。検索したくても用語を書けなければ検索も出来ないし、何も表示はされないからな。」
そうなんだ、今売れている作家の名前が判らなければ書かれた作品の検索も出来ない、そういう使えないもの。
「あ~ぁ、誰かの食いかけでもいいから厚めのステーキ肉が食いて~な~。」
ポロ~ンと空中から現れた分厚い肉の欠片は確かに歯形の跡が残っている。それに序でなのかもしれないが一本のフォークも刺さったままに……。
「おいおいこれは~どういう意味だ、どうして食いかけの肉が出てくる、それにこれは温かいから調理し立てなのか?」
こうやって俺の悪夢で夢のようなサバイバルが始まった。
*)道中……何も起きない
異世界にきて七日くらいは過ぎただろうか、日差しも強くなってきたから日本で言う七月かな。
夜な夜な俺は亜空の袋を眺めて足を突っ込んで研究していた。取り扱い説明書が在ればいいのにと思ってみたが、何かの拍子に出て来た一冊の本は表紙を見てから拍子抜けしてしまう。
「何だ表紙抜けか、それに小学生レベルの文字だよ。これが読めない俺は赤子レベル!」
元の持ち主が子供に与える予定の絵本だろうか、とにかく微笑ましい子供じみた絵が可愛い。内容もそれとなく理解は出来るが、だが読めない。だから取説は諦める事に決めた。
「文字が読めないのにどうして会話ができて、文字書きがどうして文字を読み書きがないんだ~。」
「俺はラノベ作家に成りたくて異世界物語を書き出していたが、その異世界に俺が迷い込んだらしい。どうも夢ではないようなんだが。」
亜空の袋の研究がいつの間にか文字が読めないのでどうするのか、と目標が差し替わっていた。
「寝るか、一人分の布団!……一人分の毛布!……一人分の枕。」
ポロ~ンと空中からそれらが落ちて来た。降って湧くと言ってもいいくらいにだ。何も無い砂漠のような広い土地に外敵はいないだろうが、テントとかを出すという概念が無かった。やはり夜は冷えて老体にはキツイ。実は家が出せると気がつくまではまだまだ先は長い。
「若返りとか、出来なかったのかね~。」
異世界転入時に選べたらしいが寝ていた為になにも出来ていない、とても残念な俺だったらしい。亜空の袋の事を考えて疲れたようで直ぐに夢を見る。それも、俺が亜空の袋に入れられるという悍ましい夢だった。う~未来予想図だったらいやだね。
「バ~クッション!……グシュン。あ~寒い、目が覚めたよ。」
老人とは心臓よりも遠い処から血の巡りが悪くなる、そう考えると手足の冷たさは理解できる。
「人は死ぬとき心臓から離れた処から死んでゆく、小さい時にそう考えていた。祖母が死んだ時は、祖母の足を触って確かめていたんだよな。」
独り言だが、しかし祖母の死には理解が及ばず、お婆ちゃんが居ないよ~と、泣いて母を困らせたような記憶も残っている。俺の事だ、そういうふうに想像が出来る莫迦だからな。
「俺、頭が悪かったんだよね~小学校の一年生にもなってよ。」
とてつもなく……お婆ちゃん子だった。ご飯食べるのも、お守りでお婆ちゃんの背中で寝ていたのも思い出す。ハエ叩きでお婆ちゃんを殴った事は流石に覚えてはいないが、兄からそう言われてからかわれていた。それは……事実らしい。
今となってはあの村人から説明を受けなかった事が悔やまれる。
「最後に何か言っていたよな、何だったかな~剣と袋は別々に……と最後が聞き取れていなかったが、こういうのって一番重要だったりする事があったりするんだよな~。」
朝の空腹を感じてこの詮索は頭からすっかり消えてしまう。思考を働かせるとお腹が減るのはいつもの事なので、俺の腹も思考しているのか、はなはだ疑問だな。
俺は朝飯の準備を始めるも昨夜の調理に使った岩がそのまま使えるのはありがたい。なので昨晩残しておいたナマズを載せて焼きだした。塩は残したままだから手早く振りかける。
「ふぁ~温かい~……。これを抱いて寝られたらいいだろううぅぅぅ……。」
俺は頭が悪すぎ、この熱い岩の近くで寝ればいいと初めて気がついた。朝のコーヒーも日課だというのにこの世界はコーヒーも無いだろうと試した。
「コーヒー……ホットで!」
「……・・・。」
「ほら、何も出ない。」
この袋に入っていない物は出せないと理解できた。ただ、赤いキャップの食卓塩が出て来たのは解せない、これは確かに現代で使用されている物だから。ならば、俺以外にもこの世界に転移してきた人が居るのか。
たまたま手に食卓塩を握りしめた状態で俺が落ちて来たとは想像出来ないが、事実は誰かが居たのかもしれない。俺は味塩コショウ派なんだから食卓塩は家にも無い。
「鍋一つと水、」
「カラ~ン……ドパーッ……。」
「ま、昨日に降った水が鍋に残っただけでも良しとしなくては。これを岩に置いて白湯を作ればいいさ。」
多少の泥水が跳ねて鍋に入ったようだがここは熱消毒するから問題ない。次は飲む為の道具が必要だが、なんと言って呼び出せばいいかな。
「マグカップ……。ダメか、コップ……。これもダメか。器、」
「ガラガラ……ドドドッ……。」
「いや~こんなに沢山は必要ないよ、一つを残しておいて……元に戻れ!」
一個のカップを拾って手に持ち、それ以外の器……お皿やスープ皿、小鉢とかは全部が袋に戻っていく。この袋の中が亜空の袋の中がどういう状態なのかは想像すら出来ない。きっと天変地異みたいになっていたりするのか。木の皿に形状はないが大きさが違うだけとか、これだとキリストの最後の晩餐の絵と同じだわ。
面白い……!
東になるからお日様が昇っている。が、この異世界も球体で回転しているのかと疑問も湧くが、お日様に照らされた広大な緑の広がりに驚きを感じてしまう。もう五十キロ先まで見えている気がするね。
それから今では何も無いこの盆地から脱出したいが、山の尾根を右回りに進んでいても元あった道が見付からない。一番高い山から見下ろせば何かを発見できると考えていたが、ふと思いついた。
「うわ~この選択は間違いだよ~峠を越える道はこんな高い山には造られないよな、だったら山と山の間の一番低い処に道を造るのが理に適っているはずだぜ。」
そう判断して改めて四方の山を見渡すと、
見つけた! あの低い山間が狙い目だと判断される。お日様が沈む方向になるから西方面だな。そう考えて喜ぶも今の位置からしたら真正面になる。山を下りて西に向かえばいいが、一番距離のある盆地の地形だと見て取れた。
最悪なんだ。
東西に長くて南北に短い盆地だ、ある意味農業には最高の地形だっただろう。この村の産業とかが分らないのは残念か。
でもこの地を開墾出来れば一大産地になってくれるだろうが、俺には手も出ないわな。何かの縁が出たときにでも思い出せばいいや。
もしこの村から通じる道があそこだけの一本だったら、ここは山奥の最果てと考えた方が分りやすい。そういう意味では国境だとか言えるかもしれないか。ラノベの異世界では****辺境伯領と書かれている。
「ふ~……山を下りてまたあの何も無い土地を歩くのか、体力の無い俺では丸三日を費やしても到着しないだろう。」
諦観、諦めが先にでる。希望はほんの少しあるくらいか、結果だが俺の進む道は大きな間違いだった。この盆地に入るのは道ばかりではないと気づいていない俺が悪い。今では塞がれたトンネルが利用されていただなんて見て分かるか、んなアホな!
「歩けばいいのだろう、歩けば!」
そうは言うが両足の太ももなんて強ばって痛いし、脹ら脛も強ばって痛い。こんな調子で丸一日を踏破出来るはずも無し、だから三日というも四日掛かってもおかしくはない。
「くそ~……酒でも有れば……あ、酒を呼び出す考えが無かったよ、出せるかな~出たらいいな~……ワインを三本!」
「ドカドカドカ。」
「やった! 三本も出たよ、うれぴ~……。」
だが考え無し呼び出すものだから直ぐに亜空の袋へ仕舞った。それからが、水を得たナマズのように次々と呼び出す事を思いついた。それで行軍が捗らないな、飲んべ~は基本、動かない・働かないから。
「なんで今まで苦労しても思いつかなったのか、着る服だって入っているかもしれないというのに、あ~俺のバカバカ!」
俺は亜空の袋に向かって叫んだ。一人分の服、カバン、帽子、杖、等々思いつくままに召喚してみた。すると出るわ出るわで出た物をリュックに押し込んだ。ただワインだけは重いので袋に返したが、しかし小一時間でリュックも袋に戻した。
「こんな重い物を運んでどうするよ、使わない物は全部を袋に戻してしまえ!」
休憩に必要な物といえばなんだろうか、水に食べ物、それに一休みする為の寝具、取り敢えずこれ位かな。昼飯にしてナマズを焼き、肉と叫んで何かの肉が出たので焼いて食した。勿論、ワインもだ。昼から飲む酒は喉を通らない、どうしてだろうか夜は沢山飲めるというのに。
腹一杯になれば……寝る!
目が回る、このワインは度数が高いようでこれだと歩いて行けそうもないや。ならばとここで休む事に決めた。昔のワインは度数が高いと知らなかった、今や知識の尺度はスーパーの商品が全てであるから度数は低いのだ。
「夕飯の分も調理して置いておけば、夕ご飯も楽に出来るし酒も飲めるよ。」
しかし道半ばで諦める。目が回るのでどうしようもないから寝るしかない。
「寝具、一人分。」
「お休み~……。」
この夜は、俺が自宅で温かい布団で寝ている夢を見たかも知れない。夜中に激しい頭痛で目が覚めたとか、こんな感覚は十年近く味わったことはない。思い出せてくれてありがとう二日酔い。
*)新しい道
街道のように広くも無い道があったから検証してみて、馬車くらいは通れる程の道幅であっても馬車が通ったような轍は無いようだ。疑問だが人々は歩いて荷を運んだことになる。
「まさか亜空の袋が普通にあって、それで荷物を運んだとか、ありえね~。」
今は午後に入ったばかりだと思うがこのまま街道を進む事に決めて歩き出す。これからは森の中を通るので涼しくあるも、いつ魔物に襲われるのかが気になるところか。
「だいたいが魔物っているのかな。野犬が出ても何も持っていないから、そもそもが狙われる事は無いと思うがな~。」
現世のようにヒグマにツキノワグマが出てきたら「俺は不味いからな」と言って逃げよう、痩せぎすを好んで追いかけてはこないだろうさ。オコタに入ってテレビでニュースを観ていてもクマの怖さは分からない莫迦が多いと聞く。
いやいや普通に怖いだろうと想像が出来ないとかだったら、ラノベを読ませてもラノベの良さが分からん生き物のはずだ。いやいやいやいや、そう言う輩はテレビばかりで漫画本さえも見ないだろうよ。
自分が狙われるとか考え無しの希望的観測が、自分を励ます唯一の方法とは情けない。道中の連れとかあればなおのこといいとは思うが多分面倒いだろう。そもそもが生きていた環境が違えば考え方や行動も変わってくるのは当たり前だしね。
「独りで居る時が多いのでそれこそ一人で充分さ。」
道ばたに落ちていた枯れ木を拾って杖とした。そうは言っても重たい棒きれなんぞ役に立つのか、蛇が出てくれば藪に追い返す事が出来るかという程度だと推測された。それに俺は剣も持っているから杖は不要さ、もっとも包丁あつかいだけどもな。
森を進むのが段々と怖くなってきて、遠くから聞こえる鳥の鳴き声も極わずかであるから心細く思える。動物が啼く吠えるなんて普通にあり得るとか、信じる方が可笑しい。
この世界にカッコウの巣は無い、他の鳥に卵を押しつける托卵の巣がカッコウの巣と言えるのか? この世界でもカッコウが囀るものか、絶対に違うだろう。
「カッコウ……カッコー……、」
「悪いか!」
う~早く村でもいいから着きたいよ~人が通った痕跡を探すが分らない。道に草が生えないから人が通っている証拠か、それとも植物が道には出て来られない植生でもあるのか~は不明。
年に数回でも、道沿いに出た枝葉を払う作業を施せばいいのかもしれない。ま、大方がそんなものだろう。漫画みたいに直ぐに人と出会って知り合い、意気投合して連れになるなんてあり得ない。ましてや盗賊に襲われているお姫さまなんて百%ありはしないからね。
分かったか! 世のラノベ作家よ……。直ぐに相方が見付かるなんてあり得ないストーリー性で頼むよ。
ま、気長に行くしかないか。気長に気長に……。
「う~二日酔いで頭いて~。」
水を飲む回数がぐっと増えた今日の道中、これでは体力も続かないのは明白。
「くそ~休憩、休憩だ~面白くね~……。」
異世界に転入して十一日が過ぎた。日にちを数えられるのは一桁まで、じきに日にちは分らなくなる。
「もう寝る、空腹ではあるが疲労で眠れるはずさ。」
街道から少し離れた処の草地を足で平して藁の布団を出した。流石に街道で寝る度量は持ち合わせていないよ。蛇は……すっぽりと頭から抜けていたね、きっとこの世にはいないのよね。
「焼いた肉やナマズがどうしてか出て来ないからな~、亜空の袋の中はどうなっているやら考える~。」
目覚めたら厚切りのステーキ肉を食った夢を見たのを思いだした。何かの拍子に夢がフラッシュバックする、これが案外生活に役立ったりするが、食い意地を張る者にはなんの役にも立たない。
「夢に出て来てもな~……。現実でステーキ肉が出て来て貰えれば嬉しいね。」
さて、今日は何をしようか……、