第三十一話 隣国侵攻、そして、平定
三日後、このアルバニアに帝国軍が侵攻して来る。
真斗は、アルバニアを防衛するため、カルロス、アルゴス、メルキア達、繭、流唯、リーディア、セリア達、シャルネイラ達を執務室に集め対策会議をすることにした。
「皆んな、帝国軍からアルバニアを守るため集まって頂きました。対策の打ち合わせをしたいと思います」と真斗は話した。
「それで、どうするんだ。真斗」とカルロスが聞いた。
「はい。もう、対策を考えていますよ。カルロス」
「ほう、流石だな」
「メルキア」
「はい、なんでしょう。真斗様」
「これから、直ぐに王都に飛んでほしい。ラティス、ソルティアに三日後、帝国軍が侵攻してくると伝えてきてほしいんだ」
「わかりました」とメルキアはすぐに執務室から出て、外に出た。
メルキアは、竜の姿に戻り一気に飛んで王都に向かったのだった。
「エリーゼ」
「はい、真斗様」
「領民を使って、ナルセリア国境にある砦の城壁を強化して欲しいんだ」
「わかりました」
「ブルーディア」
「はい」
「君は、エリーゼを手伝ってほしいんだ」
「承知しました」
「それと、エリーゼ、アルバニアには軍隊っているの?」
「はい、憲兵隊あがりの人を集めて組織しました」
「さすが、エリーゼだ。それで、軍隊は、どれぐらいいるの?」
「八千ほどの騎士があります」
「ほんとに?」
「はい。訓練もしていますので、かなりの戦力にはなりますわ。後で、軍を統括している二人の将軍も紹介しますね」
「わかった、ありがとう」と真斗は言った。
真斗は、カルロスのほうに向いて声をかけた。
「カルロス」
「なんだい、真斗」
「カルロスは、国境の砦に行き帝国軍からアルバニアを防衛して欲しいんだ。出来るかな?」
「お前には、もう、見えているんだろう」
「うん、帝国軍は、十万ぐらいの兵力だ」と真斗が言うと周りは、「え〜、そんなに」と声が上がった。
「皆んな、そうなんだ。カルロス、我が軍は八千です。その内、五千ほどで防衛できるかなぁ」
「大丈夫だ。セルスも、ドラゴン達を引き連れてアルバニアに来ている。だから、私と四竜達がいればアルバニアは守れるよ」
「そうか、カルロス、じゃあ、お願いします」
「了解だ」とカルロスは真斗と握手した。
今度、真斗はアルゴスの方を向いて話した。
「アルゴス」
「なんだ」
「僕と一緒に来てほしいんだ」
「ふふふ、隣国ナルセリアに攻め込むのだな」
「そうなんだ。侵攻軍は十万、ナルセリアに侵攻した殆どの軍で侵攻してくる。だから、今、ナルセリアには少数の帝国軍しかいはずです」
「そうだろうな。十万の兵で攻めてくるからな」
「だから、進軍してくる敵軍を迂回してナルセリアに向かいたいと思います」
「それがいいな」とアルゴスが言うとセリア姫が真斗に声をかけた。
「あのぉ、真斗様」
「はい、なんでしょう。セリア姫」
「私とナルキダも一緒に同行させて下さいませんか?」
「えっ、だけど、危険だよ」と真斗が言うとナルキダが言った。
「姫様は私、ナルキダが守ります。どうか、姫様の願いを聞いて下さいませんか?」とナルキダが真剣な顔で言うとシャルルが真斗に言った。
「真斗様、私もセリア姫を護衛します。だから、同行させてあげてくださいませんか?」
「シャルル・・・、ナルキダ、わかったよ」
「ありがとうございます」とセリア姫は言って喜んだ。
「真斗様」とエリーゼが声をかけてきた。
「なんですか?、エリーゼ」
「この二人を紹介します」とエリーゼが二人の騎士らしき人を連れて来た。
二人は、頬に幾つも切り傷があり、五十代前後の強そうな騎士だった。
「こちらは、我が軍を統括している将達です」
「へ〜、そうなんだ、すごく、強そうだね」と真斗が言うと騎士が話した。
「そうでもなですよ。私は、我が軍を統括しているアッケンデルマーと申します」
「私は、副将のディッケルと申します」と二人は挨拶した。
二人が挨拶するとエリーゼが話した。
「この二人は、以前、我が国の軍を統括していた二人なのです。今は引退していましたが、昔は我が国の英雄とも言われていた二人ですよ」
「ほ〜、本当ですか?」
「はい、何度もお願いして、アルバニア軍の将軍になって頂いたのです」
「へ〜、そうなんですかぁ、アッケンデルマー将軍、ディッケル将軍、宜しくお願いします」
「はい。真斗様」と二人は返事をした。
「早速ですが、アッケンデルマー将軍」
「はい。なんでしょう。真斗様」
「カルロスと五千の兵で、国境の砦に行き、アルバニアの防衛をお願いできますか?」
「承知しました」
「それで、ディッケル将軍」
「はい。真斗様」
「三千の兵を連れて、私と一緒にナルセリアへ侵攻してほしいのです」
「ナルセリアへ」
「はい」
「承知しました。それで、いつ、出立するのですか?」
「明日には、出立します」
「はっ」とディッケルは応えた。
「皆んな、早速、準備に取り掛かってくれ」と真斗が言うと皆んな「お〜」と掛け声をだして執務室から出て行った。
そして、執務室に残ったのは、リーディア、妹達、セリア、ナルキダ、エリーゼだった。
真斗は、エリーゼに声をかけた。
「エリーゼ、念のため領民が避難できるように準備しておいて欲しいんだ」
「わかりました。前にアルゴス様から避難する時は、アンテウルス山脈に避難するようにと事ずかっております」
「なるほど、アンテウルス山脈なら人は入ってこないかもね」
「はい」とエリーゼが返事をするとリーディアが声をかけてきた。
「ねぇ、真斗」
「なんだい、リーディア」
「アンテウルス山脈って、あのドラゴンが沢山いるアンテウルス山脈のこと?」
「そうだよ、アルゴス達が住まう山だよ」
「あの山は、アルゴス様の山だったのね?」
「そうだよ。恐れられて、人が立ち入れない山だから、丁度いいよな」と真斗が言うとエリーゼが話した。
「アンテウルス山脈には、避難場所も確保して整備も整ってあります」
「なるほど、さすが、エリーゼだね」
「ふふふ」
「じゃあ、早速、避難できるよう領民の誘導をお願いできるかい」
「はい、かしこまりました」
「それで、リーディア、繭、流唯」
「はい」と三人は応えた。
「三人も、領民と一緒に避難できるように準備だけは、しておいて欲しい」
「わかった」と三人は返事をしたのだった。
「それで、エリーゼ、君もだよ」
「はい、わかりました。真斗様」とエリーゼも返事をした。
そして、翌日の朝になった。
「真斗様」とディッケル将軍が真斗の部屋に訪ねてきた。
「何ですか?、ディッケル将軍」
「はい、兵三千と共に侵攻の準備が整いました」
「出発は、いつでも、出来ます」
「ありがとう。午後にでも出立します。あと、アルゴスを呼んで来てほしい」
「承知しました」とディッケル将軍は言って真斗の部屋を出ていった。
真斗も、出立の準備をしているとアルゴスが真斗の部屋のドアを叩いた。
「コンコン」
「はい」
「私だ」
「アルゴス、どうぞ」と真斗が言うとアルゴスが入って来た。アルゴスの後ろには、ディッケル将軍も一緒に来たのであった。
「なんだい、真斗」
「アルゴス、ナルセリアに向かうけど二手に別れて攻め込もうと思うんだ」
「二手にかい」
「そう、僕とアルゴスは王都の東側から攻め込みます。ディッケル将軍達は、王都の西側からナルセリアに攻め込んでほしいんだ」
「了解した」「畏まりました」と二人は応えた。
「それでは、午後から、出立します」と真斗が言うと二人は部屋を出て行った。
真斗達は、帝国軍が進軍する方向ではなく、離れたところからナルセリアに向かったのだった。
その頃、カルロス達は国境の砦にいた。
帝国軍を迎え討つため準備を整えているとメルキアがラティス、ソルティア、リアを連れて、この砦に来たのだった。
「カルロス様」
「おぉ、ラティス、来てくれたのか?」
「はい」
「ソルティア、リアも一緒に来たのか?」
「はい」と二人は返事をした。
「とりあえず、状況を説明する」とカルロスは言い、ラティス達に状況を説明した。
カルロスの話しを聞いて、ラティスは真斗の真意を読み取った。
アルバニアを守るための作戦を考えているとカルロスが聞いた。
「ラティス、もう、何か考えたのだろう」
「はい、カルロス、皆さん、私の指示に従ってくれますか?」とラティスが聞くと皆んな、頷いた。
「それでは、作戦を話します。メルキア様、アルバン様」
「はい」
「二方は、他の竜の方々と一緒に空から帝国軍の中央を叩いて下さいますか」
「了解した」
「セルス様、ブルーディア様は、他の竜の方々と一緒に敵軍の後方から帝国軍を叩いて下さい」
「了解した」
「カルロス様」
「なんだい」
「敵軍が竜の方々が攻撃しているので、そちらに集中していると思います。だから、敵軍の将がいる本陣が手薄になると思います。その将を見つけて、拘束してほしいのです」
「お安い御用だよ」
「それで、アッケンデルマー将軍は、砦を攻撃する敵軍から砦を守って下さい。敵の全軍で砦を攻撃出来ないので守れるはずです」
「承知しました」
「ソルティア、リアも、魔法で砦を守ってくれるかい」
「はい」
「砦の防衛は、時間を稼ぐだけで良いです。カルロス様が敵軍の将を拘束するはずです。それだけで、敵軍は総崩れになるはずなので」とラティスが言うと皆んな「はい」と返事をした。
「それでは、明日、決行です」とラティスが言うと皆んなは、「お〜」と叫んだ。
そして、翌日の朝になった。
四竜達、カルロスは、敵軍を迎え討つため早々と出立した。アッケンデルマー将軍、ソルティア達も砦に立てこもり敵軍を迎え討つ準備をしていたのだった。
そして、昼ぐらいになると砦の先に敵軍が見えて来た。決戦の時を迎えたのだった。
その頃、真斗達は、ナルセリアの王都が見える近くまで来ていた。
「アルゴス、空から侵入して門を開けて下さい」
「わかった」とアルゴスは、竜の姿になって空を飛んだ。
アルゴスは、門の上空から一気に降りた。
門番はびっくりしてアルゴスを見た。アルゴスは、羽を羽ばたいて門番を吹き飛ばした。
更に敵兵が向かってきたが、アルゴスは羽で吹き飛ばしたのだった。
敵兵がいなくなるとアルゴスは人間の姿に戻り内側から門を開けた。
門が開いた途端、真斗は掛け声をした。
「皆んな、突入だ〜」
「おぉ〜」とディッケル将軍と騎馬隊は一気に突入した。
門を潜り抜け、少数の敵兵を吹き飛ばしてナルセリア王都を制圧して行った。
アルゴスは、竜の姿になり、真斗とセリア姫達を乗せて王城に向かった。
王城の上空に来るとアルゴスは、降下して王城の中庭に降りたった。
真斗達が降りるとアルゴスは、人の姿に戻り王城の中に入って行ったのだった。
「アルゴス、まずは、地下牢に向かいます」
「何故だ」どアルゴスが応えると真斗は話した。
「国王と王妃が囚われていると思います」
「真斗様、本当ですか?」とセリアが聞いた。
「はい」
「だけど、何故、わかるのですか?」
「僕の力なんだ。僕には、わかるんだ」と真斗が応えるとセリアは、不思議な顔をして「でも、良かった」と一言だけ言った。
真斗達は、走って地下牢のほうに向かった。数人の帝国兵が出て来たがアルゴスが蹴散らして倒していった。
地下牢に着くと牢獄の中で、国王と王妃がしゃがんで下を向いていた。
「お父様、お母様」とセリアが叫んだ。
「えっ、セリアか」、「セリアなの」と二人は応えた。
「はい」とセリアは言って涙目になった。
アルゴスは、「はぁ〜」と牢獄を破壊した。
「お父様、お母様」とセリアは叫んで二人に抱きついたのだった。
「セリア、よく、ご無事で」と王妃はセリアを抱き寄せたのだった。
「ディッケル将軍、他の人達も牢から出して上げて下さい」
「はっ」とディッケル将軍は返事をして、兵達に指示を出した。
「セリアよ」
「はい、お父様」
「この者は?」
「はい、この方は、アルセーヌ王国の真斗伯爵です」
「真斗伯爵?、名前は聞いたことがあるような」
「はい、この前、アルセーヌ王国で発生した内乱を鎮圧した英雄ですよ」
「なんと、そんな英雄が我々を助けてくれたのか?」
「はい」
「真斗伯爵、本当にありがとう」と国王は真斗の手を握って頭を下げた。
「僕は、帝国の侵略を許せなかっただけです」と一言だけ言った。
ディッケル将軍の部下達は、王都に残っている帝国兵士を次から次へと拘束した。
囚われていた要人達を助け出し解放した。
ナルセリアは、帝国の支配下から解放されたのだった。




