表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

エピローグ



 男の首には、太い、輪っか状になった縄がかけられていた。

 男は今まさに、死刑を執行されようとしていた。

 しかし、その姿は異様であった。

 まず、男の目には、目隠しがされていなかった。死刑を執行されるときには、必ず目隠しをされるものだというのに、していなかった。

 彼は、自ら望んで、目隠しを外してもらっていた。

 死ぬときは目を開けていたいから、と。

 男は、絶望も、取り乱すことも、抵抗することもなかった。

 ただただ、満足そうに、薄く、微笑んでいた。

 男は、自分の役割を、なすべきことを、終えたのだと。そう、思っていた。

 ああ、やっと、死ねるんだと、安堵すらしていた。


 そして、3人の死刑執行人が、ボタンを同時に押して、床が抜けた。


 男は、秋山 信之は。

 自分の人生を悲観して、満足して、死んだ。

 平成23年11月17日午後1時18分の出来事だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ