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‐帝都魔界にて。



 どこまでも夜が続くだけの世界、そして永遠の領土を持つ魔界空間領域。


 その絶対中心点。

 黒々とした超巨大建造物。

 地上1200階だて、そして横幅にいたっては、視界に収まらない。


「ここか、どうする? どうやって忍び込む?」


「そんな必要も無いよ。

 ただ、私達が本気を出せば、この領域を攻略できる、それだけを示すだけでいいんだ」


「ほお、なら、特にやる事もなしか、行くぞ」


「ねえねえ、君が仕切らないの。

 どうせ私が居なきゃ、観測者達には手出しできないでしょうが」


「ふむ、1000階付近までは、空洞があるな、テレポートできるぞ」


 既にリデイは消えていた。



「遅いよメリク」


 こいつは、ここに何をしに来たんだ?

 観測者達とゲームしている。

 こいつが同時にテレポートしない所為で、一瞬後に進入を感づかれ。

 俺は1000階までテレポートできず、準警戒態勢時に保護されない500階から三日かけてここまで来たのだ。


 テレポート出来ないと、そして一度警戒されると、本当に要塞だな、ここは。

 どんな物質も比べるべくも無い、この建造物の絶対物質は外側からでは、本当に絶対に破れないから自力で、つまり徒歩で来るほか無かった。


「やぁやぁ、我は観測者エンタなり」


「そして、私はゲームだ、そう呼ばれている、よろしく」


 この二人は、一応は知っている、情報としてだけだ。


 12~14人、存在が確認されている、常軌を真に逸した存在、俗に言う観測者存在。


「おうおう、お前達、なに? やる気あんの?

 ゲームバランスを崩壊させる奴、ここにいんだけど? どうして何もしない?」


「ああ、それはいいのだよぉ、リデイは世界に刃を向けないしの。

 わたしは傍観する側の観測者なのだよ、ぶっはぁっはぁっはぁ」


「我は、ゲームを阻害しなければ、ある意味有用な存在と見る、場合によっては味方になるやもしれぬ」


「ほらね、凄くいい人たちでしょ、もう私達友達だよ」


 そういいながら、超ハイパーに大画面で、昔なつかしのレトロゲーをやっている始末。


「おう、そうかよ、だったらもういいな。

 これより1200階までの、攻略を開始するぞ」


「駄目駄目、まだ別の駒が到着してないの、それまで、この攻略への入り口で待機。

 まあ、あれだよ、そんなカリカリせず、ゲームでもしようよ、これ君の好きなタイトルでしょ?」


 コントローラを渡してくる。

 目の前の画面では、ゴールデンボーンーアイ、と呼ばれる昔のFPSゲーム。

 確かに、これは俺の好きなゲームだが、でもここでやる気になれん、敵地も敵地だろうが。


「だったら別の事をすればいいだろ? そこにいる観測者達から情報収集とか。

 最上階1200階までの、最短攻略ルートや対策とか、やれることは無限にあるだろ?」


「いいやないね、何をしようが、結果は変わらない、運のみぞ知る。

 そしてその運は、最大限私に傾く、私は何をしようが、運命に影響を与える事はできないの、まあ、これは誰にでも言えることだけどね」


「このニヒリストめ、お前は勝手に遊んでろ」


 俺は、その場で反転。

 別の部屋に、普通の人間はいないか、探索でもする事にする。

 ここ、魔界の、暫定トップが集結する1000階付近は、割とビックな存在が居たりするのだ、できる時に関わり情報収集せねば。


 ゲームコントローラーが手放せず、簡単に巻くことが出来た。

 そこで通信、ほお、通信が通じるのか、まあ当然だな。

 通信すら途絶すれば、相当に問題だしな、強度最高の電波なら問題ないってか。


「もしもし」


「たいへんだぁああああああああああああああ助けてくれぇええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!」


 耳を話す、イチバチで時間を戻すか迷った。


「ああ、もしもし、とりあえず落ち着け、何があった」


「す、すまない、ただ大変な事態において、相当に混乱してての」


 こいつは、声だけで分かるが、月世界国家の、第二の都市、エルフドゥームの村長的ポジションにいる奴だ。

 そこは確か、大自然と都市の調和、更にルネサンス的風潮が激しく、町全体が年中パレードのような場所だ、偶には観光にでも行くか。


「それで、用件を手短に頼む、何が起こった?」


「それが、超科学世界首都に対する電撃戦、あれが失敗に終わったのだ」


「そんな事は知ってる、それで緊急の事態とはなんだ?」


「圧倒的に形成を跳ね返された、それはご存知のとうりじゃ。

 それで、電撃戦力を駆逐した敵は、返す刀で身近の敵性勢力の都市、ここに攻めてきたわけなんじゃよ」


「はぁ? 大丈夫だろうが、第二の都市。

 お前のところ、どれだけ戦力があると思ってるんだ? 偶には実践の刺激でも与えとけよ、後の為になるぞ」


「それがじゃ、敵はどうも、最高級の歌姫の加護がついた、全てが精鋭級に強化された第一級戦力なのじゃよ。

 ただの数が多いだけの第二戦線の敵集団を、こちらの一級戦力で戦闘を行う、その無意味さは分かるな」


 そりゃな。

 歌姫ね、そんな世界に数えるほどしかいない奴が、それも最高級、なんの肩入れをして協力してるんだか。


「わかったよ、リデイに話す。

 てか、まずはリデイに、そういう事は直通だろうが」


「着信を拒否、いや、おそらくマナーモードにでもしておるみたいなのじゃよ」


「おお、そういうことか、まあいい、できるだけ早く折り返す、またな」


「あい、頼んだぞ、本当に緊急事態ゆえ、ホントに頼んだぞぉ!!!」


 それを最後に強制的に音声が途切れた、無駄に引き伸ばすのもあれと思った、相手の気遣いかね。



「おい、リデイ、月世界の第二都市がやばいって、、、おい、こりゃなんだ?」


「おお、やっときたか、新しいゲームだよ」


 目の前には、リアルな、この世界を上空から映し出したような図。

 しかも、件の第二都市の周辺領域一帯、沢山の資料や図解、それらによって複雑に映し出されている。


「なんだ、もう対策でも立ててくれたのか? お前にしてはやるな。

 てか、これで、どうやって敵をなんとかするつもりだ?」


「こういう事もあろうかと、第二都市の周辺。

 周囲等間隔で存在する36の準都市に、良い防御兵器を置いといたのさ、ほれさ」


 映像が一瞬ぼやける。

 一瞬の後、青白いフィールドと、多少の映像の乱れが普通になった、超上空からの映像。


「これで、都市内部全て、統合エナジーシールド効果と、外側からのジャミング、まあ後はわかるよね?」


 まあな。

 エナジーシールドで物理保護と同級、ジャミングで敵にとっては見えないこちらとの勝負に持ち込まざるを得なくする。


「でも、まだ足りねえんじゃねぇーか?」


「うん、そうだね、だからこそ、空にもこれを仕掛けて置いたんだ」


 空、だいたいの状況を把握。

 いまこの映像を映し出しているのは空、そこから推測するに。


「これを映し出してるのは、なんと超巨大空中都市、精錬の箱舟なんだよ」


「あー? だからどうした、空だって敵も攻撃できるんだぞ?」


「ちっちぃー、違うんだなぁー、この都市はステルスフィールを発生させることができるのだよ」


「はぁ? だったら攻撃はできないどころか、移動すらできねぇーぞ」


 ステルスフィールドは身を隠せるだけだ、だから戦闘に参加するなら使えないはず。


「だからいいんだって、この映像データが入るだけで。

 後はこっからの高度な転移魔法で、ここから援護ができるんだから」


「なんだよ、だいたいな、お前が直接出向けば、ってここから離れるわけにはいかないんだったな」


「どうよ、この最強提案、ひざまずいてくれないかな?」


「ばーろぉーが、それは後でにしろ、それでどうやって援護するんだ?」


「さっき言ったよ、召還魔法だって」


「どの程度だ? 言ってみろ」


「まあそうだね、敵が歌姫加護の第二線級戦力なら。 

 こっから向こうに回せるのは、第一線級の戦力を歌姫加護した精鋭部隊だね」


 まあ、それならいいだろう。


「お、早いね敵は、もう有効範囲、画面の端のほうまで来た」


 確かに、画面の端の端。

 第二都市まで、まだ半日程度はかかる、そんな距離に割りと早い移動速度で迫る影。


「とりあえずは、最強のエースパイロット軍団に、一撃離脱戦法プラス遅滞戦術で、どうにかしてもらおう」


 まあ妥当だろ、それが使える駒ならな。

 今はまだ、第二都市周辺の、エナジーフィールドもジャミングも有効でない範囲だ。


「てか、俺は別に援護に行ってもいいな、お前はここで勝手に何でもしてろ」

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