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銀河帝国、諜察官日誌その1

 

  

 イオディナ共和国。

 GDP、12京ユーロ、人口、4兆人。

 現在、政府軍と反乱軍の内戦で疲弊しており、戦争犯罪が絶えない。

 しかもこれら、政府軍も反乱軍も共にスラア紛争に深く関わっている。

 この内戦はスラア紛争以上に、宗教色の濃いものがある。

 政府軍は西側の銀河帝国以下諸国からの支援を受けている。

 だが、政府軍は人的資源、特に高級仕官の腐敗が著しく、支援が大幅に無駄になっている模様。

 さらに反乱軍は、相対的に極めて士気が高く熟練。

 狂信的で残虐非道である為、戦線が日増しに後退しつつあるとも。


 私は視察の為に派遣された、諜察官だ。  

 ここはイオディナ共和国所属、ユーラン星区州、最後の自治区である、ノインヴァラ。

 本来十二ほどあった自治区は、ここ以外全て反乱軍の占領下である。

 お隣ベオド星区州から、日帰りで訪れたのがここである。


 この星区州には宇宙軍士官学校が二つほどあったのだが。

 数日前に反乱軍に占領、学生達が投降の末、全員一人残らず処刑されたという。

 西側の援助を受けて教育していた、およそ200万人ほどの大規模な仕官候補人員を一挙に失ったわけである。

 さらに言うなら、ここ最後の自治州に、本来反乱軍に対するべきである、星区州軍。

 そのほとんどが大した交戦も見せずに、全て逃げてきているという。

 およそ戦意も士気も無いのだろう、多少でも脅威と見なされる敵には、挑むことも出来ないらしい。

 政府軍はそれなり精強らしいが、それらは中央常備や主要戦線に随時派兵される形なので、ここには存在しない。

 この星区州軍の観察データが一応手元にある。

 それによると、最高司令官が呆れるほどの無能らしい。

 自らに媚び諂う人材を、指揮系統の最高に大方配置し、そのお陰で組織は全体的にまったくの機能不全に陥る、と。 


「はぁ、、これは駄目ですね」


 私は評価を下します。

 この星区州への支援は廃止、もしくは大幅な減額を、と。

 銀河帝国は莫大な予算を広大な同盟諸国の戦線に送っています。

 しかし見込みがない領域にまで、無駄な支援を無償で送れるほど優しくはないのです。


「さて、これで仕事は終わりですかね」


 一息、自らを客観してみます、おそらく手は抜いてないでしょう、方方を偵察した結果の結論。

 遥か遠方、東側領域の直ぐ近くまでの出張。

 これからは、折角直接足を運んだ場所での旅行をする時間です、よね?


「まあここらって、全然わかんないよね」


 ここはお隣ベオド、から北へ、高速輸送艦で1時間半ぐらい行ったところ。

 ヴサド、というところです。

 写真でも取っておきますかね。

 高性能映写機、撮った傍からプリントアウトされます。

 テカテカ陽光を跳ね返し、肉眼と同程度に鮮明な異国絵図。

 これを見ていただけると分かるように、意外ときれいな感じ。

 普通、共産圏と言わなくても。

 準共産的国は、綺麗な感じのヨーロッパ風な街並みが少なくて。

 大体において冷たい感じの団地みたいなのが、ずっと続く高層建築群である事が多い。

 でもここは、、でありながら、ヨーロッパ風オシャレな街並みを感じられるところです。

 私は、目で見たものは画像データとして残しておく主義です。


 なぜ、ここだけヨーロッパ風ぽいのか?

 実はここ、西側資本が微妙に根を張る地点なのでしょう、おそらくは。

 支援を行えば、巡りめぐって、そのような地点が生まれるのでしょうね。


「あ、あの喫茶店、ちょっとオシャレかも。」


 私は表街道に立つ良い雰囲気の店を見つけました。

 やはり、一見して周辺地域と隔絶した趣を見出せますね。

 コーヒーをオーダーしつつ、店内と外を両方眺められる窓際席に陣取ります。


 盟主国イオディナが、たしか銀河歴3008年に、東側からの独立を暗に明に宣言。

 そして、今。

 西側で唯一、直接的に支援をしても一切問題の無い国家、自治州。

 旧ユーゴスラビア系統の中でも、最後まで西側と共にあるだろう国家でしょう。

 というのも、やはりここは、民族・宗教、あらゆる構成が、周辺諸国とはちょっと複雑で。

 まあ、この話はおいおい、で、いえしてしまいましょう。

 イオディナ人は、ここでは40%程で、他に複数の民族がいるということ。

 これは特徴的な事例で、銀河歴後半で独立する国家。

 その統合の象徴である人種は、単一で100%に近い事が普通だから。

 まあ自由な風潮なんです、なんか西側っぽいですね。

 国境線も部分的には西側に隣接。

 旧ユーロビーと外延以外に、ルマーニャ、ガリアと接しているところで。

 また最近我らが帝国が併合した、エスルク神聖帝国領にも。

 なんかあれなところ、微妙な位置に陣取る形の、(正直よくわかってない)。


 直ぐ傍でクタラ、ラーヴェルクリフトは、もう西欧的文化と近似でほとんど変わらなかったけど。

 ステア・ヴェルフェゴッチに入ってからは、ちょっと貧困なのが見えてきた感。

 最近のETCC加盟国の低迷具合が見えてくるような。

 まあここも、そこまでではないけど、西欧的な観点で比べると、やっぱりちょっと途上国っぽいのが見えてくる。

 超最先進国の西側先端と比べられてもっって感じでしょう。


「すすっ、まあでも、そういう所の方が、人情味豊か、情緒安定の兆しあり、で。

 人とは仲良くなりやすい気もします」


 ただ、ここは、やはり、何かが足りない。

 自由に伸び伸びある事を、無意識の内に阻害する。

 突き抜けるには足りない要素、言語化できない形而の要素。

 単に東側独特の、顕著に悦楽主義が自制される風潮でもなく、なにか。

 戦い、戦争によって、最終的に敵対する世界の半分を消滅させる展望が透けて見える。

 、、、、っぽいシビアに独特の冷たさを少し感じる・・最終決戦、終末想起思想みたいな?。

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