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王国宇宙軍‐シャルとカリン


 


 第二近衛紋章魔道師隊、総勢約千名程度に招集命令が突如発令され。

 それから王国首都星の近傍で宙域訓練が始まって、既に三日目だ。


「あぁ~疲れた、死ぬぅ~~~」


「カリン、うるさい」


「シャルは元気そうだね」


「貴方みたいに、恥ずかしげもなく内心を吐露してないだけ」


「さっすがぁ~、よぉ!よ、よ!」


「うるさいなぁー」


 三日目以降の、これから先の訓練メニューを閲覧しながら、旗艦通路を歩く。

 旗艦は最新の宙域索敵フィールドレイレーザーの試験運転。

 そして旗艦直属機動兵器部隊が、各連隊との同期飛行等の教練。

 等々等々。

 王国の軍隊を少しでも強くするために、一つ一つが大事な過程である。


「悪帝はいつ頃、再度攻めてくるかね?」


「さあ、来年以降は間違いないわよ、それが?」


「あのね、やっぱり王国は精鋭部隊主義が過ぎると思うんだよね。

 ゆえに中核部隊の育成、部隊の増産がうまくいかない。

 このことについての悩みを、君に打ち明けて、意味あるかな?」


「はぁ。

 第一に、物量で確実に負ける私達が、相手の土俵である物量で正面決戦するのは愚策ってわけ。

 だから精鋭部隊の育成を中心に、教育、軍備等の投資を行い、全軍でもかなり軍資金、リソースを消費してる。

 軍全体としてのバランスが歪になるくらいに、多少じゃなく痛い破格な出費でしょう。

 でもこれは必要な処置、精鋭で敵の物量を圧倒する、それ以外は私的に論外。

 太平洋戦争で日本が精鋭で押しに押し捲ったみたいにね、戦法として賭けの要素が高いけど、賭けるしか現状ない。

 それに王国軍は時間を稼いでれば、それでいいわけじゃない。

 西側世界において、ただ救われるのを待つ。

 そのような態度では後々、西側の大国に救出された時、国際社会での立場も発言力も影響力も無くす。

 誇りや地位をなくした国家に未来はないわ。

 この宇宙時代に、国家の評判って言うのは貿易でも重要なピースになるしね、私達の中小国家に値する場合は特にね。

 他にも精鋭を重視する理由はあるわ。

 西側の庇護下に置かれてから、国際連合軍、あるいは同盟相手国に軍を拠出する場合、精鋭じゃなきゃ意味がない。

 戦場で華々しい活躍をするのはもちろん。

 東側の低廉な戦力に対して、精鋭を差し向けて独壇場、ワンサイドゲームに持ち込んで、圧倒的に損害を出さない。

 それが今の東西主戦場におけるスタンダードと化している。

 まだ宇宙全体から見て、本格的な先端が開かれていない以上、過大な損害や戦死者を出して、戦時の雰囲気を極力出したくないのでしょう。

 まあそういうわけで、どうしても精鋭を育成しなくちゃいけなくなってるの」


「うむうむ、長々とありがとう。

 でも悩みを解決するには足りないよ、なにか解決策とかないかなぁ~?」


「あるにはあるわよ、でもこれは最終手段。

 いま現在、軍は基本的に志願選抜制。

 これによって精鋭が育成しやすい環境が整っているのだけど。

 物量が切迫して必要になった場合。

 戦況の苦境をメディアを通して効果的に伝えて、あと女王にも演説の一つでもしてもらって、兵を募る。

 もちろんこれも志願制だけれど、それなりに集まるはず」


「ふーん、一応聞いておくけど、徴兵制はしないの?」


「しないわよ。

 そこまで余裕がなくなれば、さっさと戦線を引き下げきって、降伏するのが理性的な判断でしょう」


 もちろん、国家を主要に構成するすべての重要人物はすべからく、大国に亡命させて、だ。


「それだと、領土全てが占領下になってしまうね」


「しょうがないでしょ、それで即刻死ぬわけでもなし。

 加えて言うなら。

 たとえ悪帝の占領下になっても、それほど酷いことにもならない。

 悪帝悪帝さんざん言われてるけど、真の悪帝に比べれば、私達の戦ってる相手は多分に理性的よ」


「それを、経済的に心情的にも、まったく認められない人たちが大勢居る。

 それは価値観の違いで、どちらが正しいか必ずしも断言はできない」


「貴方は、徴兵してでも、断固徹底抗戦したいの?」


「さあ、徴兵して占領を免れるなら、それもありかなって思ってるだけだよ。

 そういう君はどうなのさ?」


「徴兵なんて、とんでもないって思ってるわ。

 私達西側の人間は、絶対にそのような非理性的なことはしない。

 そのプライドだけは、わたしの中で最後の最後まで、絶対に譲れないモノよ」


「へえ、それカッコいいね。

 ふっふ、あっはは、いいねいいね! わたしもそれで行こう、うん! 

 ありがとう、参考になったよ」


「それなら良かったわ、どういたしまして」


 とっくに目的地について、立ち話していたので、私はやっと先の扉に進むことができた。

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