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SF世界とSF小説執筆者

 

  

 莫大な光芒が煌き、幾多の流線が交差する、灼熱に彩られた戦場は佳境を迎えていた。

 宇宙空間において、光速の数パーセントで移動する物体同士、接触の刹那にまみえる刃やいばは、人知の及ぶレベルを超えていた。


「お前は俺の息子だよ!」


 毒々しい色彩の機動兵器、その中から、世界の敵は宣言する。


「うるせえ、認められるか! てめぇーはとにかく死ねぇ!!!」


 対する円卓の主席は、内心ドキリと不思議な高鳴りを押さえ切れない。

 そう、彼は敵を尊敬し、ある意味での憧れを焦がれを抱き、その情熱的な音色にも、何も感じないというわけにはいかないのだ。


「ジーク、どいてください!」


 遥か遠方から、超光速の紅の火線が閃く。


「おっと、危ない危ない、あやうく死に掛けた。

 やはり私は表舞台に立つべきじゃないな、まあ、今更遅いがな、というより二対一は流石にキツイぞ」


 その戦域に、更にもう一騎。

 駆け抜ける稲妻のように迫り、同時に、十三の独立機動兵装を分離、機体本体の主砲を含めて、全てを的確に標的とするレティクルに合わせる。

 幾重もの致命線の射撃を回避する敵に、急速接近、辻きりのようにすべらかな機動で迫りつつ抜刀、大上段から刃を振り下ろす。


「うぐ、ジーク、、!」


「この機体相手なら! 例えあの伝説の少女といえども、手も足も出ないはず!」


 そのように啖呵を切る少女の瞳は、絶大なる力に酔っているかのよう、獰猛な猛禽類のソレだ。

 一世代前よりも、機体単価が数千倍に至る新鋭第五世代機。

 そのコックピット内で、ある操作が始まる。


 ポチポチポチ、う~んダメだな~。

 僕はパソコン画面をにらめ付けて、次に背もたれに凭れ掛かる。


 現在連載している「虚空の雷鳴」更に「リディア」の一節。

 異なるキャラの視点から描かれる、この架空SF戦記はそろそろ終盤の終盤、最後の決戦における最後の戦いの佳境に至るのだが、、。


「うーん、うーん、いまいち練り足りないんだよなぁー」


 そうなのだ、独り言を無意味に吐く位にやるせない、納得し満足できる出来が、展開が思いつかない、描けない。

 この物語は、僕の幼少の頃から構想していた、原点にして始祖的な位置づけの、僕の人生の集大成とも言えるモノなので、絶対に適当に終わらせる事はできない。

 それは僕のアイデンティティを揺らすこと、絶対に認められないし、許せない。

 こういう時は、物語を抜本的に伸縮する事で、今までは処置してきた、これからも、今からそうするべきだろうか?

 それは物語の拡大処置である、この物語は全七部からなる超長大作なのだが 途中の話を増やすことで、最高の終わり創造しようとする試みである。


「もっと自分を追い詰めてみようかなぁ~」


 いろいろと一瞬にして思考が巡る、これからの執筆計画を練るのは、それだけで楽しい、むしろソレが一番の醍醐味ともいえる、かも。

 まず考えたこと。

 飛躍的に成長し、人間的に昇華しないと、どうにもならない現実に自分を追い込む、又は自分を放り込むか身を置くこと。

 そうすると、小説執筆によって自分を成長昇華させようとする作用があるのだ、当然出力される小説情報の質の向上が見込まれる。

 だが、反動もリスクも高いので、決して多用できない話だ、最悪身の破滅を招くのだから、まあ、追い込む強度にもよるけどね。


「さてさて、とりあえず、途中の大論争パート、科学討論を水増ししようかな」


 第四部の主要を占める話だ。

 この世界の宇宙における戦い、その肝心要の部分は、初めの艦隊戦主要から、途中切り替わることになる。

 それは航空兵器、具体的には機動兵器、その大導入による宇宙戦闘の革命的変革だ。

 その大激動の時代において、ある論争が巻き起こるのだ。

 兵器体系の、将来的に宇宙戦闘において主要となる事が確実な機動兵器のだ、発展発達開発等の方向性の話だ。

 具体的には二つの方向性があった。

 一つは、機動兵器を従来どおりに扱うこと、もう一つは、従来以上に重武装に、完全自立化させる事である。

 ようは、航空母艦を必要とする兵器にするかどうか、そういう事に論争の主眼は集結する。

 航空母艦を必要としないなら、一機一機に時空跳躍機能を搭載しなければならない、等々、それによる戦場効果等々が語られたり、色々する。

 既に引き延ばし気味で、話が論客同士の誹謗中傷などの内容が見られ、はっきり言ってインフレ気味なのだが、そういうのが僕は面白いと思う。


「罵倒合戦って、書いてて面白いよね」


 終盤を描くのに疲れた末の、ある意味での現実逃避である行為と、自覚している。

 どんな時でも、物語を現実に比肩するモチベーションで描き、どんな時でも真剣に逃げずに真正面から生きるには、息抜きが時には必要だと思うゆえに。

 僕は物語を書くのが好きだ、死ぬまで、一生を使って最善突き詰めた執筆をし、読書したいと思う。

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