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月系統の神格存在達-ライトノベル部

 

  

「へえ、ライトノベル部なんてあったのか」


 学校に入ってから幾らかたった、とある放課後。

 俺は暇潰しに、夕暮れの校舎を探索していた、その折に興味深いモノを見つけた。


「この部活について、どう思うクロ?」


 俺は隣に付き添う、美少女のような成りの少年に問いかける。


「うーん、良く分からないな。

 とりあえず、興味があるなら、見学してみれば? 中に人もいるみたいだよ?」


 中では無駄にわいわいと、大きな声で姦しい感じの声がする。


「そうだな、まずは突撃する、それが俺の領分だったな」   


 とりあえず入ってみることにした。


 いろいろ初対面からのアレコレ、そういうのを経てつーか省略して、幾らか経った。

 それからの、数日後の放課後。


「俺様の書く小説が一番面白い!」


「にゃは、どう考えても私の書いた奴が一番だよ!」


「どうしようもない人達ですね、わたくしのがダントツだというのに」


「いいえ、わたしが最も面白い、です」


「はぁ、この美少女達は、自分が一番じゃないとダメって性質で、ホント疲れるぜ。

 ちなみに、俺が一番な」


「「「「それは絶対にない(です)!!」」」」


 こんな感じで、ライトノベル部ってのは、異様にフレンドリーで、無駄にハートフルな奴らの溜まり場だった。

 無駄に高スペックで、無駄に頑張って、無駄に高みを目指す。

 そんな奴らが、お互いに影響を与え合い切磋琢磨し、向上心を高め合っているのだった。


「ふはっは、クロ、入って良かったろ? 毎日に彩りが増えたと思わないか?」


 一時休戦したのか、静かになった場で、何時もの定位置とばかりに隣にいる奴に問いかける。


「うーん、どうだろうね」


 微妙な反応だ、まあコイツは物静かなのが好きなきらいがあるから、あまり気に合わないのやもしれん。


「そうかそうか、まあいいさ、その内お前も気に入るだろう」


「この人達の、どこら辺が気に入ったんですか?」


「大きな声では言えないが、ここに居る奴らは際物、みんな色物だからな、俺の好きなタイプだ」


「よく分かりませんねー」


 クロにそのうち分かるっとだけ言い、周りの奴らにちょっかい出してみる。


「部長、なに書いてるんすかぁ?」


「おい、何度も言わせんなよ、俺様はレイルと呼べったろ?」


「そうっした、レイル、なに書いてるん?」


「直近の最高傑作だ、現代モノでいい感じに異能が絡む感じのだ。

 やっぱり、現代モノこそが至高だよな」


 すると、今まで机で同じように執筆作業していた、他の二人が手を止めた。


「いつ聞いてもくっだらないねぇ、現代モノなんてSFには絶対に勝てないのに」


「わたくしも似たような考えですわ。

 現代モノなんて、現実の延長、日々味わえる世界を描いて、いったい何が楽しいのか皆目検討つきません」


 おお論争勃発か?


「おおやれやれ、楽しいぞ楽しいぞ」


「おいコラてめぇー、新参の癖に何様だ?」


「レイル、俺は本気の喧嘩が好きなんだ、特にお前らみたいな頭の切れた奴らのな」


「気に食わないにゃー、なんか上から私達を見てるみたいでぇ~」


「わたくしもです、まずは、この人から叩くべきでわありませんの?」


「そうだな、袋にすっか」


「私は漁夫の利を狙いますので、皆さんお好きにどうぞ」


「おーおー、混沌としてて、楽しいなぁ!」


「ちょっと、もう少し抑えた方がいいんじゃないの? ジーク?」


「なに怯えてんだよ?」


 余裕綽々でドヤしてると、表現のしようもない悪口の集中砲火をくらった。


「はっはっは、面白いなお前らは、ここまで他者を貶めれるとは、さては、名のある毒舌家か?」


「暖簾に腕押しだな、飽きたぜ」


「ふ、夜道を気軽に歩けると思わないことね」


「そうですね、今日にでも始末しますからね」


 毒舌スリートップは好き放題言った癖に、まるで面白くなかったように執筆作業に戻った。


「はぁー、酷い上に勝手な奴らだ、そう思うだろ? 温厚派のリディちゃんよ」


「ちゃん付けしないで」


「可愛いんだから、ちゃん付けでいいだろ? なあ?」


「馴れ馴れしい」


「そうか、だったらこれから親しくなろうぜ?」


「貴方とは親しくなりたくありません」


「手厳しいな、なあクロ、ちょっとお前の可愛さでこの子を篭絡してくれよ」


「いやだよ」


 はーあ、みんな俺につれない感じで、まったく悲しいぜ。


「おいおい、シャル、お前はそういえば、何のジャンルを書くんだ?」


「わたくしは何でも書きますけど、傾向的にはファンタジー専門ですわね」


「ほー、それってメンヘル系? 異世界系? 神話系?」


「貴方の言っている事がいまいち判然と意味分かりませんが、大まかに言って異世界系統ですわ」


「はん、現実逃避の頭の中お花畑やろうが」


「にゃはっはっは、うけるぅっ」


「はぁーまったく、ゴミ達がうるさいですわね、今この場で滅殺しますわよ」


 うわ、こいつら仲悪いなってレベルじゃなく最悪最低な人間関係模様。 


「クロ、お前は、なんだっけ?」


「ミステリだよ」


 その一言に、先ほど俺を冷たくあしらったリディがピクンと反応して、クロの方に視線を向ける。


「貴方、ミステリ書いてるの?」


「うん」


「興味ある」


「ちょ、俺じゃない人間にフラグ立てるな、ちなみに、リディちゃんは何を書いてるんだ?」


「神話っぽい話、次ちゃん付けしたら貴方を社会的に抹殺します」


 俺に対して悪辣な言葉を投げつけてから、なんかクロと盛り上がりだした。

 まあ当初の予定は果たしたね、クロを経由して仲良くなればよい、友達の友達は友達になるものである、おおむねな。


「皆さんこんにちは~、今日も無駄に励んでいますわね~」


 うつらうつらしてたら、陽気な声が飛んできた。

 何時の間にか顧問が、ラザフォード先生が皆に向けて手をかざして挨拶していた。


「まったく、才能もないのによくやりますわ、その無駄な努力、尊敬に値しますわ。

 わたしのように天才でもないのにね。

 貴方がたのように、若くして莫大に人生を無駄に浪費する様を見ていると、本当に私が頑張らなくてはと思えて、ホントいろいろ捗りますのよ。

 つまり、日々貴方がたは、上位存在であるわたしの、貴重な熱い情熱の対象、ロマンのようなモノとしてあるのです」


「長ったらしい演説ご苦労様、てめぇーは今すぐ消えうせろ」


「にゃっはっは、あんまりに馬鹿馬鹿しくて、面白かったよラザフォードちゃん♪」


「そのような戯言は、わたくし以外の人に向けていったのですよね? 言わなくてもわかっておりますわ先生」


 それぞれの反応に満足したのか知らないが、顧問先生はノートパソコンを広げて席に着く、俺の傍だ。


「先生、なにしてるん?」


「ふっふ、ネットで、才能の絶無な人間の観察ですわ」


「それって、楽しいのか?」


「ええ、とてもとても溢れるほど、にねぇ。

 わたしが、こんなにも人生を楽しく有意義に生きてるのに、この人たちは、こんなにも非生産的に、平凡に詰まらなく、無意味に生きてるのかと思うと、ね?

 熱いモノを感じれて、快楽を、恍惚にも似た感覚を得られるのですわよ? 貴方もやってみてはいかが、お勧めしますわ」


「遠慮しておくよ、俺は性格がいいからなぁ!」


「あら、わたしは性格が悪いと?」


「ああ、ねじくれてるなぁ! 俺はそんな先生が好きだがなぁ!」


「そう? 私はあなたの事、嫌いですけれど? ごめんあそばせませ」


 それだけ言って、パソコン画面に熱中した。

 その後は特に会話もなく、空間を共有するだけの場となった。

 俺は携帯がマナーで震えたので、マナーどおり室外で電話に出る。


「やあ、俺だよ俺、おれなんだよなぁ!」


「うっざ、死ね! で、ミランなんだけど、そっちにレイルいる? いるなら変わってほしいんだけど?」


「やだね、俺は俺のことを好きな奴にしか、言う事をきかないんでね、ぷい」


「くそこのっ死ね!死ね! 

 レイア、こいつどうにかして、話してると虫唾が走ってしょうがないのよ」


 向こうで電話が変わるような音。


「こんにちはジーク、そっちにレイルいるわよね? ちなみにリディもいる?」


「おお、いるよ、今すぐ変わるね!」


「ちょっと待てよコラァ! なんじゃその態度の豹変はぁ!」


「うっせ、俺の事を大事にしない奴など知らんのだ! ふっはっはっは!」


「抑えてミラン、今は急ぐ時でしょ?

 それで、私とミランの妹を連れてきて欲しいのよ」


「いいぜ、ちなみになんでだ?」


「端的に言えば、ネットゲームで敵対チームに対抗する為に、それなりのプレイヤーが必要なのよねぇー」


「ふっはっは、あいわかった、あいつらに伝えておくよ」


「それじゃお願いね」


 部室内の二人に伝える。


「しゃーねーな、姉貴の頼みじゃ断れねー、しゃーなしだなぁーまったく」


「姉さんは、ほんとしょうがないです」


 なんやかんや従うんだな、二人とも。

 そんな姉妹の関係を思っていると、俺は自然というか必然というか、あいつらの事を思うわけだが。


「やぁーやぁー! お兄ちゃんいるぅ~??」


「失礼します、変態のお兄さんが失礼をしているという意味も込めて」


「おおやあ、相変わらずだなお前ら」


「おいうるせえぞ貴様ら、いちいち登場時に騒がないと死ぬ病気か、静かにしろ出禁にすんぞ」


「ヒルデ、クリス、今日も兄に似て、とても馬鹿そうだにゃー」 


「我が妹よ、俺の隣を囲って愛でられる事を許可するぞ」


「あっはは、お兄ちゃんきもぉーい! だけどそこが病みつきになるよぉ!」


「可愛そうな人です、哀れみと慰めで可愛がってあげます」


「なんやかんやで、俺の隣によってくるんだから、流石のツンデレだよなぁお前らぁ!」


「うぜぇー空気だしてんなぁー、吐き気がするぜ」


「にゃはっは、モテモテだねジーク、死ねばいいと思うよ、まじでね」


「何時見ても目障りですわね、、、ぶっ壊してやりたいですわ、、、」


「おーこわ、だがそこがいい」


 その日は散々妹との仲睦まじさをアピールした。

 宴もたけなわになると、全員がつまらなそうな顔して去っていった。

 やっぱ、みんな俺の事が大好きみたいだ、ハーレムってのは大変だなと思ったな。

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