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あなたへ...2015年8月

もう

作者: あずま

あなたがうまれてきた日のことを思い出す


あれはとても寒い1月だったね


お姉ちゃんとお兄ちゃんは里帰り出産だったけど


あなたは

この町で生まれたね


お父さんは

お兄ちゃんとお姉ちゃんが生まれたあとで病院に来たけど


あなたが生まれたときは

タクシーで一緒に病院に来て

あなたの産声を聞けて

とっても喜んでいたね


あなたが生まれて

子どもが3人になって

足が不自由なお母さんは

とても怖かったけれど


あなたはお姉ちゃんにもお兄ちゃんにも

よくなついて

お母さんは寂しいぐらいだったね


それでも

いつも

じゃれて

笑って

泣いて

転げ回る

子猫のような

あなたたち兄妹を見て

抱きしめて

一緒に

遊んで

料理をして

昼寝をして

毎日

毎日

幸せだった


あなたも

幸せだって

信じてた


どうしても

何日経っても

信じられない


あなたが

ここにいないこと


あなたに

触れられないこと


あなたの

笑顔が見られないこと


何日経っても

信じられない


朝起きて

仏壇のあなたの写真を見て


あなたがいないことを

確認して

涙がこぼれるところから


一日が始まる


もうすぐ

秋が来る


空の色が変わってきた


お願い

還ってきて

お願い

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