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春の風が吹きながれ、午後の宿の庭園は、太陽の光の下の大地は、花々で輝いていた。
詩人「風は流れゆくが、どこへ向かうのか。風は、大地を世界をめぐり、人々の想いは、あらゆる人に愛を伝えて、幸福は家庭にあるのである。春の季節、この芽は、愛の花と咲き、人々の心を巡りまわる。」
その日の夕刻、東京へ帰るため、夜行列車に乗り込む。
駅には、洋服の女中さんが、送りに来てくれた。
女中「先生、春の詩は書けまして、」
詩人「もちろん。」
女中「出版されるのを楽しみに待っていますわ。」
詩人「ありがとう。」
夕刻のおだやかな情景の中、電車の発車のベルが鳴る。
詩人「また、会おう。」
女中「また、来てください」
詩人「ああ、ありがとう。ありがとう。」
とびらは閉まり、私は、女中との短い間であったが、春の恋の天使に心をあたたかく、あたたかく、ただよう気持ち。
それが、何を意味しているか。
狂気の恋と幸福な恋の二つの道が用意されてしまった予感を思い出すのであった。
詩人「ありがとうです。みなさん、春の風に乗り、私は帰って行く、そして、この春の地の思い出も、古里の一つとなりました。」
「ありがとうございます。」
END




