詩 彼女の様子
掲載日:2026/05/08
彼女の様子が朝からおかしい。
話しかけても上の空というか、反応が鈍いのだ。
「…どうしたんだ?」
休み時間、前の席の椅子を借り、心配そうに声をかける。
彼女は無言で首を振ったが、何か我慢しているようだった。
「あのね…」
桃色の花みたいな可愛い口が開く。
彼女はこほっと、軽く咳をすると、正直に言ってくる。
「具合が悪いの。風邪かな?」
「どれどれ」
額と額を合わせてみる。彼女が「え」とびっくりしたが、自分は本気で心配していた。
「おい、熱があるじゃないか!!」
「え…っと、多分、今、その、額を合わせたからだと…」
もごもご喋る彼女を無視し、立ち上がらせようと、腕を引っ張る。
彼女が倒れそうな細い体を預けてきたので、お姫様抱っこする。
「きゃあ!!」
「しっ!! いいから、保健室に行くぞ」
強く言い、彼女を運んでいく。
彼女の顔は真っ赤で俯いている。
俺に遠慮しなくていいのに。
お前を守るのが、俺の役目だろう?
「ありがとう」
彼女の言葉に、軽く笑み、うなずく。




