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3【待望の師匠、帰還】

翌日の朝。

凄まじい音と共にスピカの朝は始まりました。

外を覗くと、スピカの師匠が大きな鳥から降りてきたところでその着地音だったようだ。

いつもの事なので、スピカは気にせずに師匠を出迎えた。


「師匠、お帰りなさい。毎度のことながらあの高さから降りてよく無事ですね」

「身体強化の魔法を使っているからね。このとおり無事だよ。お前にも教えたはずなんだがねえ…」

「それはそうと師匠」

「ん?」

「緊急事態です!!!!!」


師匠の召喚獣である深紅の鳥、師匠は愛称でミリアと呼んでいるその鳥にご褒美をあげるとスピカへ向き直った。


「緊急事態?」

「はい!これがなんだか分かりますか?」

「これ」

「これです!」


昨日ジルに渡された、もとい玄関にあつたであろうたまごを師匠の目の前に置いた。

師匠はそれを興味深そうに眺めている。

そしてニッコリ笑うと一言。


「竜のたまごだね。勉強不足だなスピカ」

「りゅう」

「そう」

「あの竜」

「だからそうだって」


スピカの目の色が変わった。

おとぎ話にしか見た事のない竜。

まさか存在しただなんて。


「しかもここにご丁寧にお前宛だと書いてあるじゃないか」

「私宛?」

「ここ」


師匠が指差すのはたまごのてっぺん。

少し削って文字が書いてある。

【白の魔力を持つ小さな魔女様へ】

まるで手紙のようだった。


「わ、私の事?」

「スピカの魔力の色、白じゃないか。しかも小さな魔女って、スピカの事だろう。私の魔力は赤だしもう小さくないからな」

「そうですけど…」


そんな事ってあるの?とスピカはたまごを抱いた。

でもなんとなく、その温かみは懐かしくも感じた。


「だからスピカが育ててあげなさい」

「ん?」

「宛名もあるし、恐らくだけどこのたまごはスピカの魔力が好きみたいだ」

「私の魔力が?」

「私が近づこうとすると少し震えるんだよね。怖いみたい」

「まあ師匠は怖いですよね…」

「スピカ…?」

「あ!いえ!なんでもないです!!!!」


師匠の睨みには耐えられなかったスピカ。

ひとまず玄関の前にあったたまごは竜のたまごでスピカはその主人に当たるようだ。

こんな事ってある!?なスピカだが、そんな感じの絵本があって幼少期に読んだような記憶がよみがえってきた。


「という事でこの話は以上!私はお腹が空いたのでごはん!」

「はーい。今から準備しますよ~!」


一旦考える事を辞めたスピカは朝ごはん作りに取り掛かった。


師匠はとにかく怖いらしい。

でも師匠はちょっとだらしない。

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