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フルノルゼの反乱

「だから傷が癒え次第行くと言ってるだろうが!!!」

「やかましい」


 ティムトッグとドクドレ。


 ティムトッグが負傷したと聞きドクドレが単騎で近くまで来たのだ。


「火薬で吹き飛ばされた、という割には元気そうだな」

「ふん! あんなもので俺が死んでたまるか!!!」


 バルドスは死ぬ間際、服に仕込んだ火薬で爆死した。


 近くにいたティムトッグだが、密着していたわけではなく、とっさに無防備な顔は腕で防いでいた。


 第三軍は重装備の部隊。ティムトッグも重い鎧を着込んでおり、爆破の衝撃でも耐えたのだ。


 だがそれでも

「肝心の腕が動かないのでは戦にならん」

 腕はかなりのダメージを受けていた。


 まだ元のようには動かない。


「直接戦わなくとも、指揮はとれる!」

「止めておけ。腕の怪我は致命傷になりかねない」


 ドクドレは第三軍を見渡し

「ふむ……状況よければ、そのままグラドニアに攻めることも考えたが」


「お前が率いるのか?」

 ティムトッグの問いかけに


「検討はしたが無理そうだな。俺ではこの重歩兵は指揮できん。俺が得意なのは身軽な軽装歩兵だ」


「……つまり、援軍は取り止めるのか」

「こちらからはな」


 ドクドレは遠距離会話装置を取り出す。

「……こちら? ツーバックを連れてくるのか?」

 その問いかけに


「ジェイロウだ。もう新都の混乱は終わる。終われば第四軍が南から一気に攻め込む」


 =====================


 フルノルゼは大混乱していた。

 元神皇について、反アラニアを唱えていた国だが、神教と帝国は、元神皇の処分を発表したのだ。


 罪状は皇帝の子を流産させた罪。


 皇帝は元神皇の処刑に同意した。これによりフルノルゼは孤立。


 そこにオーディルビスが突っ込んできた。

「……グラドニアより手応えがないわね」

「抵抗するだけマシですが」


 タチアナとディルアルハ。

 兵は少数だが、指揮は高く順調に城を落としていた。


 そして戦死者も出ない。


「逆を言えばヘレンモールの恐ろしさを実感します。アンジの軍はなにもかも別格でした」


「アラニアも凄いのでしょう? オーディルビスからみたらアラニアも敵よ。早く我らも強くならなければね」


 既に王都が見えている。

 フルノルゼの軍勢は王都の手前の砦に籠もっている。ここを抜かないと、王都に攻めれば挟み撃ち。


「一度砦を攻めて相手の抵抗をみる」

「了解いたしました」


 砦。オーディルビスは遠距離攻撃が主。白兵戦可能な戦力は殆どいない。


 投擲と簡単に言うが、砦の上に届く槍だの矢だのは簡単ではない。


 魔法の補助を使いながらどんどん武器を飛ばしていくのだが、フルノルゼも負けじと石と矢を飛ばしてくる。


 オーディルビスは離れた状態で投擲を続ける。

 向こうの攻撃はあまり当たらない。


「遠距離同士ならこちらが有利ね」

 タチアナの言葉に


「そうですが、このままでは砦は落ちません。またグラドニアのようなボロボロの状態でもなく、軍は軍として機能しています。ここを放置して王都を攻めるのは賭けです」


 ディルアルハは慎重に言う。


 被害は無いがこのままでは攻めきれない。


「その時は仕方ないわね。ヘレンモールを見習って、挟み撃ち上等で戦いましょう。だれも死なないのが理想だけど、戦争やっててそれは通らないでしょう?」




 オーディルビスはそのまま王都に進軍した。

 砦に籠もった兵士は当然背後から攻める為に準備をしていたが。


「大変です! 王都から火の手が!!!」

「な!? もうオーディルビスが王都を落としたのか!?」

 だがオーディルビスの軍勢は目視で確認出来る状態。彼等も足を止めていた。


「な、なにが起こった!?」

 そこに、王都と遠距離会話装置で会話していた兵士が叫び声をあげる。


「大変です!!! 王都で反乱!!! 王が殺されました!!!」


 王が死んだ。

 それに青ざめる兵士たち。


「だ、誰がやったんだ!!! オーディルビスか!?」


「そ、それが!!! 元神皇派です! 元神皇派がクーデターを起こしました!!!」


 フルノルゼは元神皇派で反アラニア。

 王が元神皇と親しかったからそういう姿勢を崩さなかったが


「な!? なぜ元神皇派が王を殺したんだ!? 我が国は元神皇派だぞ!? 既にオーディルビスは目の前にいるんだぞ!?」


 兵士たちの叫び声。


 そこに

「降りなさい」


 声。


 軍のど真ん中に突然現れた女性。


「国民への神教の改宗を迫る真似はさせない。だから降りなさい」


 兵士は戸惑っていたが、将軍はその女性の顔を知っていた。


「りゅ、龍族、マディアクリア……」

 現龍族リーダー、マディアクリア。


 彼女が兵士に降伏を呼びかけた。


 =====================


「ふんふふふーん♪♪♪」

「いたいいたいいたーーーーい!!! 入りませんからーーーー!!!!」


 歌いながらエールミケアの股間に指を入れるフェルラインと、泣きながら抵抗するエールミケア。


「だから、半裸で勃起させてこいって言ったでしょうが」

「そんなことしても一緒ですよーーー!!!」


 現神皇は元神皇の処断を、帝国法で裁くと決めた。


 これで神教は大混乱したのだ。


 神教は超法規団体。帝国法から外れたことをしても今までは裁かれなかった。

 それが今回の元神皇処断でそれが変わるのでは?


 その恐怖から各所で神教の反乱が収まらなくなった。


「なんでよ。惚れた女にカッコつけようとして、独断で死刑。とかやったかもしれないでしょ?」

「そんなやつだったら、とっくに元神皇ころしてますーーーー!!!」

 大騒ぎする二人。


「フルノルゼの暴発は流石に意味分からないけどね」

「悪いことしてたから、見つかったら殺されるからだと思います……っていたーーーーい!!!」


「……フェルライン、エールミケアを使うわ。一回離して」

 当然部屋に龍姫が現れる。


「かしこまりました。姫様」


「エールミケア。フルノルゼだけでは無いでしょう。元神皇派で、反乱起こしそうな国を探りなさい」

「はい! 目処はついてるので!」


 エールミケアは服を直すとすぐにかききえる。


「……現神皇の判断は間違ってないわ。今後の神教の為にも、帝国法を守るなんて当たり前の事からやらないといけない。その結果生まれる混乱は受け入れましょう」


「では、フルノルゼはオーディルビスに?」

「仕方ないでしょう? その代わり信仰転換は認めないと伝えなさいな」

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