ヒーローに
素敵なヒーローに
なりたかったな
どうやら夢半ばに
諦めてしまいそうだ
平凡な毎日が続いて
僕は平凡なのだと痛感した
もう夢を追いかける気になれない
特別じゃないということを知った僕の両手は
もう何も持つ気にならない
何か持っても
すぐ失ってしまうならば
何を持っても
無駄だと言うことを無力な僕は
やっと知った
あぁ
素敵なヒーローに
なりたかったな
誰もを守れる素敵なヒーローに
なりたかったなあ
平凡で無力な僕は
ひとり背中を丸めて
涙の海に溺れることしか
出来なかった
いつのまにか
こんなに猫背になってたんだな
涙のせいで
顔もぐちゃぐちゃだ
人に向けるような顔じゃあないな
ひとり鏡の前で
鏡の中の僕に微笑みかけた
ちゃんと僕は微笑み返してくれた
ちゃんとしっかりと微笑み返してくれたんだ
側から見れば当たり前のこと
僕からすればとっても嬉しかったこと
鏡の中の自分が微笑み返してくれたこと
酷い顔だったけど
笑顔も上手じゃなかったけれど
確かに笑ってたんだ
それがどんなに嬉しかったことか
僕以外誰も知らないことでしょう
素敵なヒーローに
なれたような気がした
他の人を守れたってわけじゃあないんだけれど
確かにちゃんと守れたんだ
かけがえのない大切な自分のこと
ただ一人のことだけど守れたんだ
僕は守れたんだ自分のことを
他の人に優しくなれた訳じゃない
他の人を守れた訳じゃない
だけどただひとり
この世界にいる一番愛おしい人を
守れたんだ
ただひとりだけど
大切な人を守れたんだ
ヒーローになれた
と思う
ただ一人だけれど
愛おしい人を
守れる小さなヒーローに




