第1話 震える土、蠢く岩達1
森羅万象に於いて時を刻まぬものは無し。
其れは現在に与えられ、その軌跡は過去となる。
刻んだ跡は決して消えず、いかなるものも、ただ隠すことしかできない。
しかし、永久に隠し通す事は叶わない。いつの日にか、誰かがそれを暴くだろう。
今日は晴れ。雲一つ無い青空で洗濯日和。洗濯物でも干そうかなー。
ドン ドン ドン ドン
花火の音かな?どこかでお祭りでもあるのかな?あー、いい天気だなー。
ドンドンドンドンドンドンドンドン
音が激しくなって来ている。これ、太鼓の音かもしれない。
こんな時に彼氏がいればなあー。デートしたいなあー。
逆ナンでもしにいくかー。
ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!
うるさいなー。もしかして、工事の音ー!?近所迷惑考えてよー、もー。
昨日、三次会までいったんだからー。ゆっくり寝かしてよー。
「…………きてよ、シェノール。………以上………無理……。」
「………お姉ちゃん、後五分だけ………。」
私は再び、目を閉じた。
「何寝ぼけてんのよ!!死にたいの!!」
半ギレしていた。何もそんなに怒らなくてもいいのに。
「ここはウチじゃないのよ!後ろを見て、状況を考えなさい。」
ゆっくりと、私は後ろを見ると岩で出来た人形の大群が私達を追っかけて来ている。
これは夢だ。そうに違いない。
きっと、私達はアイドルで、あの大群は岩のような体したごついおじさん達で私達のファンなんだ。
でも、ビジュアル系のほうが好きなんだけどー。
「私達って、アイドル?」
「これ以上、寝ぼけた事を言うと落とすわよ。」
「それ賛成。」
ラーフィは即答だった。
お姉ちゃん達、それひど~い。
「起きればいいでしょ~。降ろしてよ、お姉ちゃん。」
私は寝むそうな声でいったら、
どーん!
お姉ちゃんは背負っていた私を急に離した。
「あ痛たたた…………。」
「何か言うことないの?あんたを背負って丸二日間、不眠不休で走っていたのよ。」
「僕と交代でな。感謝しろ。役立たず。」
そういえば私、地上に降りてから、急に貧血で倒れそうになったんだ。
そして、ふらふら歩いていた所に突然、強い衝撃を受けたことまでは覚えてるだけど…。
頭を触ると包帯が巻かれていた。おそらく、頭でも打ったのかなー。
「もう大丈夫ね。じゃ、調査を続けるわよ。」
「ぐずぐずするな。行くぞ。」
「岩人形達に何をされるか、わからないのよ。」
お姉ちゃん達は逃げるように、その場から駆け出した。
後ろを見ると徐々に岩の人形に見えて来た。
夢じゃなかったんだ。
よく見ると可愛いのか、不気味なのか微妙な顔がニコッとしている様に見えた。
うわー、きもーい。
ニコッと笑った顔の岩人形達の大行進。超キショイ。
「お姉ちゃん達、待ってよー。」
私は急いで、後を追った。
ロスト・アンインポータント ~デファレンス・ステージ~ 震える土、蠢く岩達 始まりました!
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