第1話 最近のネット出身者の芸能人って多いよね
完全な思いつきでかきまちた
「父ちゃんな、これから動画配信で食っていこうと思うんだ」
数年前、当日小学生だった俺でもバカじゃねーのと思った。
「あらあらまあまあ、これから大変かもねぇ……」
「『かも』じゃねーよ!大変だよ!それよりそんなんでお金稼げるのかよ!」
「でもお父さんが決めたことだしねぇ……」
「はぁ!?母ちゃん!何言ってるかわかってんの?!」
「心配するな息子よ。実は母ちゃんも動画を投稿しているんだ。二人ともに歌ってみたと演奏してみたで人気なんだ。こうみえて父ちゃん、ギターが得意で、母ちゃんは歌が得意なんだ。二人とも夢なかばで辞めちまったがお前もしっかりしてきたし、もう一度夢を追いかけてみようと思ってな。ちょこちょこ動画を作って投稿していたんだ。それが意外と受けてな。自信がついた」
「はぁ?何いってんの!そんなのがプロで通用すると思っているの?バカなの?死ぬの?素人の中でちょっと上手いからちやほやされてるだけだよ!目を覚ませって!」
あれから数年、俺は高校生になった。
父ちゃんと母ちゃんは順調に人気になっていったようだ。
ようだというのは、無事に俺が飯を食えているからだ。
もちろん俺は気にはなっていたが、自分の父親と母親が動画配信しているという人生の黒歴史になりかねない物を直視出来なかった。
中学の卒業式も高校の入学式も呼ばなかった。
もし知っているやつがいたらと思うと、これからの学園生活が終わるナリ……そうだ大声を出して音を書き消すナリ……
みたいな事になることが予測できたからだ……
そんなに学校生活を守りたいかって?
そりゃそうさ!この学校には日本でNo.1と言われている清楚系美少女爆乳アイドル!三浦美玲ちゃんが通っているから!
あわよくばお近づきになって恋にハッテンして……素敵なことやないですかってなりたい!
と思っているから……思っていたんだけども……あっという間に1ヶ月たってしまった。まあ、遠くから眺めているだけでも俺は幸せになれる。そんなくらいの美少女だった。
「なあ、ユージ、このアイドルやべーぞ!」
ある日、親友の田所がスマホ片手に昼休みを邪魔してきた。
「アイドルってお前、ゴリゴリの洋楽ロックファンだったじゃねーか。エリ○ク・クラ○トン最高!ジ○ヘン最高!って」
「いいや、これを聴いたら変わるって!ほら!」
そこには俺の母ちゃんがコスプレしている姿が映っていた。
そう、この物語は自分の親の仕事を知ってしまった。高校生
木村雄治の物語である。