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ヒモ

爽やかな風が吹き抜けると同時にあのお方が目を覚まされた


「主様、お目覚めで御座いますか」


そう問いかけるとあのお方は


「ああ、よく寝た」


そうお返事された


「そろそろ屋敷に戻って湯浴みでもなさいませぬか

 そのあいだに夕食も出来ましょう」


そう声をかけるとあの方は頷いて起き上がりなさいました


「そう言えば千代が東京から帰ってきたそうです

 最近の事情でもお聞きになられては如何です」


「そうだなぁ、そろそろ東京に戻っても良いと思うんだが

 ここの暮らしは快適でなぁ」


そう仰り乍ら顎のあたりをおさすりになられました


「あの大地震崩壊からもう5年で御座いますが

 取り敢えずは騒動も収まった様子。

 まだまだ主様にはこの地にてご休息を取って頂かなくてはなりませぬ」


そう言うと、後ろに控えていた侍女達も全員が頷いている


「お前たちはそう言うが、前回の千代の話では中々大変らしいじゃないか

 魔物も沢山出てきてるそうだしなぁ」


「天魔の軍勢など何程の事がありましょう

 自衛隊やハンター協会などで十分間に合いますれば主様は

 ここでお過ごし下さいませ」


「お前はいつもそう言うが今回はちと用事を思い出してな

 向こうから連れてきた子供たちを迎えに行かねばならぬし

 此度はそなたも連れて行こうかと思っていたが里も気になるし

 やはり俺だけで行くとしようか」


「 なんと! 此度の旅にこなたもお連れなされると言われますか

 いえ、しかと聞き申した。そなた達も聞いたであろう

 わらわの戦装束を用意せよ!

 主様、この誾千代何処までもお供致しまする」


「あー、そんなに慌てなくても良い

 それに戦装束なんぞ要らぬわ

 東京の家の始末もあるし普段着で良いわ

 間違えるなよ、薙刀も刀も禁止だ」


「なにを仰せられます。主様がお出かけなされるならば

 われら立花の者がその御身をお守りするのは当然の事

 幸いにして今は武器を持ち歩いても大丈夫な世の中です

 お任せあれ」


「だが、武器を携行するのは許可がいるんじゃなかったか?」


「ご心配には及びませぬ、われら先の騒動の時にハンターとして

 登録を済ませておりまする。なに将軍家と帝が少してを貸して

 くれましてな、わらわも天下を歩けますゆえ万事大丈夫で御座います」

 

 

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