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復活の日 6

は?


ステータスが見えない?

普通なら各自のステータスが読み取れる

それによって個人の能力や、状態が見て取れる

そこから最適な治療法を探って治癒させるのが治癒術師の仕事となる


肝心のステータスが見えない原因としては彼の場合は脳の欠損が疑われるが

当の本人は起き上がって診察を受けれる程に回復している

そこで思い出したのが叔母様のステータスだった

当主として新しいお力を授かった為にステータスを見る事ができる様になったが

叔母様のステータスだけはみる事が出来なかった


あの時、叔母様が言われた言葉


あなたにもその内わかる時が来るでしょうがこの世の理から外れたものは

ステータスが見えませんのよ


その言葉の意味を理解するのにどれ程悩んだ事か

そして立花の里と橘の意味を理解するのに暫くかかった


叔母様の辛かった日々と埋み火の様な思慕

戦国の時代から現代まで護りつづけた秘宝二つ


もしかしてこの男が叔母様が探しておられた主様なのだろうか?

事は私一人では決められぬ、里に帰って指示を仰がなければ

そう思いながらもその男から目を離すことは出来ない千代だった


病院の受付でなんとか男の個人情報を聞き出してみたものの

現住所すら不明、連絡先も不明との事

治療費等全て自分が保証人になる事で手続きを済ませ

事後承諾にはなるが本人の承諾を得るために病室に戻ると

そこには死んでいたと言っても過言では無い男がテレビを見ている姿があった


開いたままのドアをノックして病室に入り声を掛けてみる


「田中さんでよろしかったですか?お加減は如何でしょうか?

 私、治癒術師の橘千代と申しますが」


そう声を掛けるとテレビを見ていた男は私の方へ体を向けて


「田中一と申します、あなたが治療してくださった方ですね

 この度は助けて頂き本当にありがとうございました」


ほんの30分前には死んでいた男、田中さんがいた


「お身体に異常な感じや違和感はありませんか?

 何かあればすぐにお伝えくださいね」


そう伝えると田中さんは


「ありがとうございます、まさに健康、元気一杯と言った所ですかね

 ところでお願いがあるんですが聞いていただけますか?

 助けて頂いた貴方と握手がしたいのですがかまいませんかね?」


そういう類のお願いはよくある事ですので違和感は感じませんでした


「ええ、田中さんをお手伝いできて私も嬉しく思っていますので

 どうぞこちらこそ宜しくお願い致します」


そう言いながら手を差し出すと、田中さんは両手で推し抱く様に私の手を握りしめて

いた


「橘さんと仰られたが、どちらの橘さんでしょうね?立に花の方では無いですか?」


私の心の中を見透かす様に田中さんは話しかけて


「時が来るまでは貴方の世話になる事にします、よろしくお願いします」


私の手を握ったままそう告げた

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