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復活の日 5

阿蘇山の噴火が始まった

外輪山全域には避難命令が出され熊本市や竹田市に向けて

移動が開始される

間も無く霧島や雲仙、桜島などが噴火を開始して九州の自衛隊は

大騒ぎ中

富士山の噴火を確認した政府は非常事態宣言を発令して

速やかな避難と夜間行動禁止令を出した


噴火は小規模ではあるが山は姿を変えていく


自衛隊のヘリが火口近くを偵察飛行している時に不思議なものを見つけた

大観峰の下側の亀裂に大きな穴が開いている

水蒸気が噴き出しており新しい噴火口かも知れない


高度を下げて撮影するべく近づいていくと

小さな人影が見える


あの辺りは既に全住民の避難は完了している筈と思いながら

ヘリを近づけると棒のような物を握り締めた緑色の少年の様なと言えば語弊がある

緑色の少年ぐらいの背丈の腰巻を着けた5人ぐらいの集団が歩き回っていた


無線で子供の集団が歩いていると連絡を受けた地上部隊は偵察車で現場に向かい

拡声器で声を掛けるが返事は無し

手に持った棒で偵察車を叩いてくる

棒で鉄を叩いても音ぐらいしかしない筈だが

なぜか偵察車はダメージを負い始め叩き壊されていく


慌てて車から飛び出して銃器を構え再度声を掛けるが

緑色の子供たちはおかしな声を上げながら襲ってくる

威嚇射撃を許可されて足元を撃つがお構いなく襲って来られ

偵察部隊の実況中継は途絶えた

ヘリは上空からカメラによる撮影をオンラインで流していたが

助けに入る時間は無かった

再度、惨状を移して見ると何処から現れたか緑の生き物は隊員達に群がり

装備品と骨しか残って居なかった


世界は未知の生物によって侵略され始める

その日が今日だった


アメリカはイエローストーンから二本足で立つ犬の様な生物が溢れ出し

ヨーロッパはイタリヤから上に攻められた豚の顔を持つ二本足の化け物に


各国の軍隊はすぐに投入されて排除を行う

とりあえず銃器は効くようで通常の対人兵器で対応はできる様だったが

余りにも数が多く、亀裂が出来て数日で数十万の人間が殺された

銃火器による攻撃、ミサイルによる攻撃でなんとか亀裂に押し込める事が出来

その後の封じ込めに各国はなんとか間に合った


間に合わなかったのはアフリカと中東であった

混乱に乗じてクーデターを起こし他国に侵攻したまでは良かったが

その後は尻すぼみで人は減り対応できず連絡も取れず

衛星による撮影で化物しか居ない大地と成り果てた


化物と言えば日本のラノベ、アメリカのクリーチャーで

インターネットを介して各国の変な意味での有識者が多数現れる


日本の国会よりも早くTVではラノベの有識者における化物が

所謂モンスターと呼ばれるものであり倒すとステータスというものが現れる

Lvが上がる、スキルというものを得られると大騒ぎであった


実際に弾切れとなった自衛官が格闘になった際ナイフでトドメを刺した事例がある

その際に自衛官は頭の中に声が響き、短剣術を得たと報告したと言う

一般市民の中でも避難時に戦闘になった場合も有り

その際に倒した手段でスキルを習得した者も多数現れた

その後、戦闘を経験せずともスキルが発現する事例が多く報告される様になる


自衛隊は第一に亀裂の警備が優先される様になり

亀裂から出てくるモンスターの退治や内部に侵入しての調査をする様になった

全国の調査結果によると見つかった亀裂は日本だけで10箇所

世界で見れば160箇所当然アフリカは不明である


アメリカやヨーロッパでは各国の軍隊以外に民兵の様な部隊が編成された

スキルが現れた者を纏めて亀裂の調査に向かわせる

国から武器等の支援を受けて内部調査を行う

もたらされた報告は驚愕するものであった

亀裂の中で倒したモンスターは霧のように消えてゆくらしい

そしてその後には黒い石炭の様な物が残る

さらに稀にだが見慣れない武器や液体の様な物が出るらしい

戦闘によって傷ついた人に液体を掛けたところ見る間に傷が癒えていく

これは所謂治癒ポーションであるが、これの出現もラノベ有識者によって予言されていた

そして石については新しいエネルギー源としての活用が期待される様になった

緑の小型モンスターが落とす1個で石油換算で約1KLになるらしい

高密度で圧縮すると液化してさらに圧縮を繰り返すと気化する

ただ圧縮するだけで石油と同等近い性格を持つエネルギー源が見つかったのだ

各国は民兵組織を切り替えてトレジャーと命名し日本では探索者と呼ばれる様になった

ただしラノベ有識者にはスキルは発現しなかった


そんな騒動の中、立花の里の移住は行われた

本家を除く姓は皆橘である

家族単位で各地に移住を開始して速やかに定着していった

モンスター騒ぎの中、避難してきた家族だと思われる事が多く

特に不信がられる事なく地域に根差した

ただ一人の子供だけが内密に自衛隊に預けられた

その子は自衛隊の誰よりも強かったという

そして立花の里には数本の道路が開通していつか普通の街の様になった

相変わらず周りは自衛隊の駐屯地であったが


その厄災の日から橘の家の者は各地で地位を築いた

多くの者は医療に大きな手腕を発揮していった

スキルで言えば治癒である

骨折程度なら手を翳しただけで治す

スキルが発現した者でもこれ程の治療は出来ない者が多い

国は医師免許以外に治癒術師という資格を設けて優遇した

そんな時代に改名した千代は生まれた

不自由がない生活で健やかに育ち

治癒術師という資格で大学後は暮らしてきた

そして全身を包帯で包まれた患者を治癒すべく呼び出された病院で意識を失った


気が付くとベットの中にいた

看護師が医師に連絡をして簡単な診察を行い、異常がない事を確認して先ほどの患者の

容体を聞くと全身の傷は癒え、脳波の活動も確認された

後は数日様子を見て回復状況により病室を変える考えらしい

何にせよ一人の命が助かった事に自分の力が役立った事を嬉しく思う千夜であった


あの時知らされた衝撃の事実

あの方が味わった地獄…

恐ろしい程の静かな恋慕

それらを急に思い出して不思議な気持ちになる

今日の患者さんは治癒術師としても助ける事は難しいと感じた

ただ自発呼吸があるという事は心肺は異常がないと言って良い

だが脳は少し無くなっていたという

今までの経験上、脳の数%でもなくして居た場合

回復は非常に困難であり術の成功率も本当に数%しかない

そんな中での成功

だがそこに違和感を感じるのもこれまでの経験からである

触れた時に感じたのは確かに死んだ人間の感触だった

死んでいるのに呼吸しているのはおかしいと思う

何処かおかしいそう思っていると外が慌ただしい

少しだけドアを開けて聞き耳を立てるとどうやら意識が戻ったらしい

それもまた異常である

こんなに早く回復するなんて

生死の境にスキルでも発現して回復に力を貸したのかもと思いながら

病室を出て患者の元に向かう

見ればベットから上半身を起こし診察を受けている患者がいた

千代は治療以外にも相手を見る鑑定というスキルがある


亀裂が生まれてから色々なスキルが生まれたがその中でも有用なスキルである

橘の家は有用なスキル持ちが多く重用されていた

ふと思い立って離れた所から鑑定をしてみる


田中 一ハジメ

年齢31歳

既婚 子有り 娘3歳

両親 共に死亡(交通事故)

家族 嫁、嫁両親、嫁弟、嫁妹、嫁妹の夫、嫁妹の子供3人、本人に係累無し

学歴 大卒 

職業 公務員

現在の所持品 衣類、小銭入れ(378円)

現在の状況 健康

現在の思考 状況確認中

推定死因予定 オヤジ狩りによる頭部座礁及び硬膜下出血、骨折多数、内臓破裂

死亡により悲しむ者 無し


ステータス

種族  ?????

Lv ?????

スキル ?????

力   ?????

魔力  ?????

知力  ?????

称号  ?????

眷族  5柱2神獣

は?

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