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神国の行方 1

「おい、女神ーズ共

 ちっと集まれ」


声を掛けると全員がすぐに集まり足元に跪く


「あのな、なんか忘れてる気がするんだが

 うちの家に他人様を泊める様な事ができたっけ?」


「主様、残念で御座いますがお泊めすることは出来ませぬ

 まず、部屋が御座いませぬ

 それに先程申しておりました内湯も御座いませぬ

 ですが、露天だけはお止め下さいませ」


「お、おう、そうだな露天はいかんな

 しかし寝る処がないとはこれは困ったぞ」


「主様に申し上げます

 お創りになれば宜しいのでは?」


「あ、そうか

 創ればいいんだ、どっか空き地あったかな?」


「お屋敷の横に御創りになられば宜しいかと」


「まあ、一晩だけだしな

 誾千代殿に似合う家でも創ってみるか」


そう言って空き地の側まで行くと

昔の日本家屋を思い浮かべる


一瞬光が溢れたと思ったその後に

平家の家屋が現れた

縁側付きだ

森の陰から恐る恐る見ていた猫の奴が早速縁側に上がって伸びをしている


内部を確認すると畳の部屋もあるし、風呂もあるし何故か沸いてるし…

えーと、寝室に風呂にあ、トイレだ

俺らトイレ要らないから確認しとかないとな

ちょ、トイレだけは温水便座になってやがる

これ大丈夫なのかな

俺は使い方教えたり出来ないぞと思っていたら


「主様、ご心配なく

 私がお世話いたします」


そう言ってイシュタルが前に出てきた


「そうか、お前に任せよう

 んで食事はどうすんだ?」


「私にお任せあれ 

 和洋中華何でもお造り致します」


「あーそれじゃお前に頼むか

 恐らくあっさりした物が好みそうだから宜しく頼むよ」


「分かりました

 ご満足頂けるお食事をご用意させて頂きます」


そう言って紫髪がいそいそと出ていく


「そういや、風呂の後に着替えがいるんじゃ無いか?

 なんか見繕って用意してやるといいがな」


「お任せ下さい

 私が全てお手伝い致しましょう」


パツ金がそう言って出て行った


残りの二人は俺と一緒に待機だな

そう思って家の前に来ると龍母達の前に座り込んでいる誾千代殿が


「誾千代殿、どうかしたか?

 この二人は悪いことはしない筈だが?」


それを聞いて慌てた様に龍母達が口を揃えて


「主様、恐ろしい事を口に出さないで下さいませ

 我等、この人間と話をしようと思っていた所

 このような事態になっておるのです」


「誾千代殿、如何致したかな?」


すると誾千代殿は両手を合わせて拝みながら


「私にはこちらのお方が伝え聞いた龍の様に見えまして御座います

 何やら神仏のお力を見たような気が致しまして

 失礼では御座いますが拝ませて頂いておりました」


「ほう、誾千代殿はこの二人が人では無いと判るか?」


「はい、人の姿をなさっておられますが恐らくは尊きお方に違いありませぬ

 これより戦いに赴くこの身

 殿方は戦いに赴く際には森羅万象や八幡大菩薩様に祈りを捧げまする

 我等、女子は無事の帰還をと願うのみですが

 私は城主として兵や、民を守らなければ成りませぬ

 女だてらに烏滸がましいとお思いでしょうが

 私とて武家の娘、見事に戦う為に拝ませて頂きました」


「ほう、まさにその覚悟見事と言うべきだな

 確かにこの二人は人では無い

 其方達の国でいう所の龍だ」


「龍で御座いますか…

 誠に恐れ多い事で御座います

 これぞ御仏のお導きに違いありませぬ」


「まあ、それくらいにして其方が休める家を用意したから

 そこで寛いでくれよ

 風呂も沸いてるみたいだし食事の用意が出来るまで待っていてくれ」


「有り難きお言葉、それでは私はそちらに参ることに致しましょう」


「うん、案内はこのアフロディーテがしてくれるから

 分からない事は聞いたら良いぞ」


するとアフロディーテが前に出て


「ささ、誾千代殿我について来るが良い

 小さな屋敷だが主様がご用意して下さったのじゃ

 寛ぐが良かろう」


まあ、家というよりは庵みたいなもんだろうけどな


さて、誾千代殿が出てくるまでは、最近の様子でも聞くとするか


「神国は滅ぼす、もう決めた

 帝国は受け皿に必要だろうから置いとくかな

 魔族の国は今どんな感じなのかな

 だれか知ってるかな?」


「はい、主様もご存じで御座いましょうが

 何故か神国と魔族の間で行き来が御座います

 犬猿の仲で御座いましたがここ一年密かに会合しているようです」


「ほう、その様な事がな

 ちょっと後で見てみるとするか」


「はい、森の中では変った事は御座いませぬ」


「龍の里も異常は御座いませぬ

 下位の竜達に仔が数匹生まれる様子ですが」


「うん、竜達に難儀が無いようにお前達も気を付けて

 やってくれ

 それと生まれた仔竜を一匹俺に貸してくれないか

 聞いてみてくれんかな

 乳離れしてからでいいんだが?」


「それはいかなる事でしょうか?

 主様の御要望なら何匹でも僕としてお付けいたしますが

 我らの仔の方がお役に立つと存じますが」


「いや、神龍の仔よりは竜の仔の方が馴染みやすいだろう

 連れ歩く必要があるかもしれないのでな

 済まんが頼むよ」


「なにをおっしゃられますか

 主様のお頼みであらば神龍の里を挙げて付き従わせて頂きます

 早速、長に話してまいりますゆえ」


「いや、そんなに大騒ぎする事でもない

 大袈裟にするなよ」


「承りました、それでは失礼いたします」

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