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獣人族の苦悩5

神龍達は思い出していた

身体に刻み付けた恐怖、死の予感を

決して忘れては為らぬ驕りの代償を


慈愛に満ちたあのお方の怒りを…

最早、子達を救う術は無いかもしれない

いや、それよりも世界が無くなるかも知れない


子達はあのお方にどんな無礼を働いたのか

子達は諦めよう、我が身が代われるなら代わってやりたいが間に合うか?


「神龍よ来よ!」


あのお方のお声が響く

10匹の神龍達は気が狂ったように声の元へ飛び出していた


神龍達がお声の通りに人族の街へ移動すると

あのお方の側で、哭きながら必死になって腹を出して甘える子達がいた


「間に合った!」


あのお方の側にそっと近寄りお声を待つ


「神龍達よ、呼び立ててすまんな」


笑顔で呼びかけてくれるが、底知れぬ怒りを感じ更に恐怖で体が震えてきた


「畏れながら申し上げます、子らが無作法を?」


その男は笑いながら、


「ワシが連れて帰っても良かったのだが

 あまりに怖がって不憫なのでな

 迎えに来てもらったのだ」


子達を見ると、5000年以上前の乳飲み子の時を思い出してしまった

2匹共、お産に立ち会って頂き祝福を授かった

大人並みに大きくなったが未だ子供であった


泣いて親である神龍達の側に逃げるでは無く、必死になってあのお方の怒りから

赦されたいその態度に哀れな気持ちになり


「御怒りの理由は存じませぬが、我等が代わって罰を受けさせて頂きたい」


10匹の神龍達が一斉に跪き、哀願する


「いや、この子達には罪はあるまい

 罰などあろうはずも無い」


あのお方のお声に神龍達は安堵で崩れそうになる身体を立て直し


「有り難き御言葉、さすれば森にてお待ち致しております」


神龍達は、子達を連れて帰って行った


人族達は突然現れた伝説の神龍達に魂を抜かれた様に一様に口をパクパクさせて

声も出ない


アンゼリカは死人の顔で跪き、声が掛かるのを待っている


「アンゼリカよ、お前は産まれ直してくるが良い

 産まれ代わる苦しみを受けてな」


その男が指を鳴らすとアンゼリカは


「お許しください!父上!」


その言葉に返事もせず


「消えろ」


その一言でアンゼリカは哭き叫びながら霧の様に消えていく


「人族達よ、ワシは人の全てに絶望はしておらん

 残すべきは残そう

 グリウスよ、さっき話した様になるとは残念だが仕方あるまい」


大賢者グリウスは、「残念ではございますが致し方ありますまい」


一言だけ言って、皇女を見て哀しそうに首を垂れた


皇女は怪しげな平民と大賢者グリウスを交互に見ながらも未だに理解出来ずにいた


男は天に向かって右手を差し上げ


「終焉」


と一言だけ言う


皇女達は何が起こるのか理解出来ずにいたが、自分達の身体が少しずつ足元から

崩れていく事に気づいて哭き叫びその場から逃げようとしたが

逃げる事は叶わなかった


大賢者グリウスと心正しき者を除いてこの世界から王国が消えた瞬間だった

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