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グリウスの試練2

温泉と言うものに浸かって私は大賢者になった

いや、なってしまったと言うのが正解なのか


世界の理を知り、遍く魔法を使い果ては錬金術まで使用できる

そんな事が自分の身に起きてしまった

思えば15歳の時に賢者の資質を授かり

研鑽は積んできたつもりではあったが

大賢者などという選ばれた者にはなれるはずも無い

この世界で一人成れれば良い方で私の知る限り

ここ数百年は大賢者が現れたと言う記録は無い

大賢者とも成れば国の最重要人物になり

屋敷を与えられその知識を持って国の行く末を決める程の力を持つ

実際、今の私は信じられない程の力を感じている

本当になんでも出来そうな気がしてくる

ここにいるあの方達を除けばだが…


さてあの鉄の箱に人が入っているらしい

取り敢えず見に行かねばなるまい


湖を周り、鉄の箱ばすというらしいが

近寄ってみると確かに外を見ながら騒いでいる人間が大勢いる様だ

私が近ずいて来たのを見ると一様に騒ぎが大きくなった気がする


しかしどこから入ればいいのやら?

一番中が見える場所に来ると中から女性が声を掛けてくる

もう少し近づかないと聞こえない様だ


「ここはどこですか?あなたは誰ですか?」


「私達を如何しようとするんですか?警察を呼びますよ」


けいさつ?

何を言っているのか理解が出来ない


両手を広げて落ち着けと諭すが伝わってない様だ

如何やら言葉は聞き取れるので話はできる様だな


「落ち着きなさい」


「聞こえますか? どうか落ち着いて下さい」


数度繰り返すと如何やら聞き分けてくれた様だ


「どなたか代表になる方とお話がしたいが可能ですか?」


暫く内部で話をしていた様だが先程話しかけてきた女性が代表になるらしい


「どうか落ち着いてお話をしたいと思いますが如何ですか?」


「あ、はい、あの、あの…」


「落ち着きなさい、慌てても仕方ありませんよ

 現状ではあなた達に危害を加える者はおりませんので

 ご安心ください」


「は、はい、あなたはここの住人でしょうか?

 私達はどこに居るのでしょうか?」


「ではお答えします

 私はここの住人ではありません

 そしてここは何処かという事ですが見ての通り森の中です

 更に言えば入らずの森と言う所です」


「ここは日本ですよね?

 携帯の電波が届かないのですが連絡手段はありますか?」


「ここはあなたの言う世界ではありません

 でんぱとか携帯とかは理解出来ません」


「日本では無い?世界が違う?

 私の方が理解出来ないのですが?」


「ああ、そうでしょうね

 説明不足で申し訳ない

 説明しますが、あなたに説明すれば残りの方にも理解していただけますか?

 2度手間3度手間は嫌なので?」


「あ、え、すみません

 少しお待ちください」


女性はそう言ってばすとやらに戻っていった

その間にばすを観察すると

一番前にと言っても私から見てでは有るが確かにあのお方が言われた様に

年配の男が居る

その後ろ側に椅子が並べられて成人の儀を過ぎた程度の子供達が大勢見えた

神国め、これほどまでの召喚魔法を完成させていたのか

帝国に帰ったらすぐに報告しなければならんな

そんな事を考えていると内部から女性が出て来た


「あのすみませんが全員の前で説明をお願いしたいのですが?

 ただ安全の為にバスの入り口で説明して下さい」


安全の為?私が何かするとでも思っているのか?

まあ、ここは我慢してその通りにしておくか


「解りました、では入り方を教えて頂けますか?」


「はい、ついて来てくれたら大丈夫です」


女性の後ろに付き従い、ばすとやらに近ずいて行く

するといきなりばすの横から空気の音がして扉が開いた


成る程、開閉に空気魔法を使っているのか

入り口が開くと内部には階段があり数段登ると内部が見渡せた

内部にはさっき観察した通り、少年少女が不思議そうな顔でこっちを見ている


代表の女性が子供らに向けて


「これから現状についてこの男の人から説明を受けます

 どうぞ静かに説明を聴いてください」


「お願いします」


「みなさん、突然の事で驚かれたと思いますがどうぞ落ち着いて下さい

 先程も言いましたがこの場所には命の危険は在りません

 ただこれから話すことを理解しないで行動すると危険が在ります

 まずこの点を理解して頂きたいです」


そう言って見渡すと一応話を聞いた様だ、頷く人数の方が多い


「それでは説明に入りますがまず私の名前から話しましょう

 私は、グリウスと申します

 一通り説明しますのでその間は質問禁止です

 理解出来ましたか?


理解出来たようだ、殆どが頷いている


「では、始めます

 まずここはあなた達が居た世界では在りません

 ではなぜここにいるか?

 それは召喚によってここに連れて来られたからです

 そして召喚したのは私では在りません

 ここまで理解出来ましたか?」


見渡すと数名以外は理解不能の様だが続ける事にしよう


「あなた達を送り返す術は私には無い 

 だが手段は有ります

 理解出来ましたか?」


半数以上が理解した様だ


「なぜ召喚されたかの説明をしましょう

 私の世界は大きな国が4国有ります

 小国は10ほどでしょうか

 そして獣人、魔人の国が有ります

 現在あなた方がいるのは獣人の国です

 先程も言いましたが、現在身の安全は保証されています

 獣人は攻撃しない限り反撃はしません

 あなた達を召喚したのは神国と呼ばれる国です

 かの者達は召喚を行いますが自国に呼べる程の力が在りません

 と言うよりこの場所が魔力といえば良いですか

 大変力の強い場所になりますので自国で召喚しても

 殆どこの森に来てしまいます

 理解出来ましたか?」


全員頷いている、年配の男まで頷いている

 

静岡SAにて

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