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成長した

少し長すぎました

あの3人が召喚されてから数年が経った

俺は乳飲児サイズから中学生サイズまで成長した

相変わらず召喚はやってるみたいだが

うまく行ってるのかたまにしかこっちに現れなくなった

でもたまに来るのが鬱陶しんだよなぁ


召喚者は召喚された魔法の匂いで国が分かるから

その国へ送る事にしてるが、転移者がタチが悪い

まさに女神ーズが言ってたように我儘放題だ


やれチートくれだの、最強装備出せだの魔法使わせろだの

厚かましいことこの上ない

温泉には行ってたら、温泉に落ちてきやがった

見てみると、やばい加護がてんこ盛りになってたので

送り返してやったわ


たまにまともなのが来るんだけど

これも始末に困るんだよなぁ


今日は何やら静かだ

女神ーズが居ない

母龍達は、ドラマが始まる時間らしく住処に帰っている

ふむ、する事がないなぁ

そうだ!たまには森の中でも散歩すっか


森に入ると、動物達が話しかけてくる

あれこれ話を聞いてやりながら散歩を続けていると

何やら狼族の奴が集まっている場所があった


「お、何してんだ?」


「あ、これは主様ではございませんか」


そう言って慌てて全員が跪く


「ああ、面倒くさいから普通でいいぞ」


「それで集まって何してんだ?」


「テレサ様から預かっていました猫が木の穴に隠れてしまいまして

 如何やって出そうかと皆で考えていた所で御座います」


「お、仔猫か?」


「はい、先日生まれました仔猫に御座います」


「ほう、此処に入って出てこねえのか」


中を覗き込むと1匹の茶トラが隠れていた


「お前らが寄ってたかって出てこいとか叫んでたんだろう?」


「何をおっしゃいますか、滅相も無い

 至って大人しく呼んでおりましたぞ」


「ふーん、んじゃ俺が呼んでみよう」


そう言って仔猫に向かい


「ほれ、出てこい」


そう言うと仔猫はいきなり飛び付いて来て

首筋に頭を擦り寄せゴロゴロと鳴き始める


「ほれみろ、俺が呼ぶと出て来るじゃねえか

 お前らが怖がらせたに違いないわ」


「主様、あまり甘やかせないで下さいませ

 ただでさえ仔猫でどこに行くか分からぬのに

 この上、主様に懐かれでもしたら我らが困りまする」


「あー、まあこの子は俺がテレサに返しておいてやるよ

 それでいいだろう」


「主様がそう仰るなら我らに異存は御座いませぬ

 では仔猫を宜しくお願い致しまする」


そう言って狼族達は村の方へ帰って行った

んじゃ、しばらくは俺と散歩でもするかと仔猫に話しかけ

歩き始める

ブラブラと歩いて森の外れまで来て

森の外を見ると森の端から100メートルぐらい離れて

小さな村のようなものができてる

こんなもんあったかなぁと思いながら

森から出て近づいてみると、如何やら建物の中から見ていたらしく

数名の騎士がバラバラと出て来た


「そこな少年よ、お前はどこから来た?」


「俺?森からだけど?」


「何!、賢者を呼べ」


「なんか用があるのか?俺は散歩してるだけだぞ」


「この森は阻止の女神様方のおわす神聖な森である

 そこから出て来るなどお前は女神様方の従者であるか?」


そんな事を言っているうちに呼ばれたらしい魔法使いみたいなのが

走ってきたが


俺を見て立ち止まり後退り始める


「まさか、あのお方が…」


よく見ると膝がガクついてやがる

震えながらも


「騎士隊長殿、お呼びですか?」


「うむ、この少年が森から出て来たので

 またぞろ何処やの国の召喚者かと思い貴殿を呼んだのじゃ」


呼ばれた賢者は震えながら


「騎士隊長殿、速やかに武器から手を離して下さい

 そして跪くのです!」


そう叫んだ賢者は勢い良く跪くと


「畏れながら申し上げます

 我らに逆らう意思は御座いません

 何卒、御慈悲を持って我らを見逃して下さい」


何を言ってるんだお前は?


訳が分からない騎士達は賢者に向かい


「賢者殿、これは如何なる事か

 なぜ我等が帝王以外に跪く必要があるのじゃ?」


「あなた方は帝王に跪く

 帝王が跪くのは守護者アンゼリカ様

 アンゼリカ様が跪くのはどなたでしょうか?」


「何!もしやこれはこの少年があのお方…」


大慌てで全員が跪くと

騎士隊長が俯いたまま


「大変失礼を致しました

 その罪万死に値します

 なれど、その罪をこの私一人でお許し願いませぬか?


なんでそうなるんだよ


「お前らなんか勘違いしてないか?

 俺は散歩してたら建物があったんで何だろうと見に来ただけだ

 勝手に生きるの死ぬのって騒ぐんじゃねえよ」


「失礼いたしました

 この建物は森から出てくる召喚者達を監視しているもので御座います

 今回は我等、近衛騎士団が当番となりました故布陣致しておりました

 貴方様の散歩の邪魔を致しまして申し訳なく存じます

 帝国に帰り次第、帝王に報告して直ちに撤去させます

 どうかお許しを」


「だが監視にしちゃ随分と規模が大きくないか?」


「それは森からまれに出て来る動物を狩っておりますので

 猟師どもが常時滞在しております

 森の動物を狩っている事をお怒りで御座いましょうか?


「いや、森から出た動物は言わば自己責任だな

 そう言ってある

 だから問題ないぞ」


「有難きお言葉、森の恵みを頂いております事を

 お許し頂けて感謝致しまする」


「それじぁ聞くが、どれ程の動物が獲れるんだ?」


「はっ、月に3匹程度の動物が獲れまする」


「監視しながら狩りとは恐れ入ったぜ

 まあ、昔の件があるから仕方ないけどな」


そんな事を言っていると森の方から怪しい集団が飛んで来た

俺と騎士団の間に入り込むと俺を守るように前に居並び

騎士団を威嚇し始める


威嚇された騎士団と賢者はたまったもんじゃ無いだろう

全員腰を抜かして後ろ向きに転んでやがる


「止めねえか、お前ら

 怖がっているじゃねえか」


「は、この人間共は皆殺しにして良いでしょうか?」


「馬鹿野郎、脅すんじゃねえよって言ってんだろ

 ぶん殴るぞ」


「え、いや主様に殴られたら死んでしまいますのでご勘弁を」


騎士達を見ると全員が口をアワアワさせている

まあそうだよな、龍なんて見る事無いだろうしなぁ


「んで、なんでお前ら飛んできたの?」


「何を仰いますか、我等の主たるお方が危険な目に遭われてはと

 急ぎ馳せ参じて参った訳です」


キリッとした顔で言うんじゃねえよ

どこに危険があるって言うんだよ


腰を抜かしながらも賢者とやらが


「もしやこれらの神獣は伝説の神龍様達でしょうか?」


「伝説かどうかは知らねえけど、確かに神龍だな

 でもこいつら弱いぞ?」


「ゲェ、まさか伝説の神龍様が弱いなどと信じられませぬ

 1匹でも国を簡単に滅ぼしてしまえるお力と聞き及んでおります」


「え、そうなの?お前ら」


「あ、確かに昔そんなことが御座いました…が

 一睨みで世界を消し去る主様に言われたくは無いです」


「なんだよその言い方は、やんのかコラ」


「ヒェ!、落ち着いて下さいませ

 我等神龍様や貴方様に逆らうものでは御座いませぬ

 何卒、お怒りをお鎮めください」


この世の終わりみたいな顔で賢者はさらに頭を下げる


「見ろ、お前らの所為で怖がらせただろうが」


「あ、そう云えばテレサ殿が探しておりましたぞ

 猫が帰ってこないとかどうとか」


「ああ、猫はここで寝てるぞ」


そう行って胸元を見せると仔猫の奴め丸くなって寝てやがった


「あ、此奴寝ておりますな

 なんと羨ましい事で御座いましょうか」


まあそれよりコイツらだな

跪いたままの人間に向かって


「お前ら、此処らで騒ぎを起こすんじゃねえぞ

 現状は理解したからこのままでいいが

 もう召喚騒ぎはゴメンだからな」


「は!、すぐさま帝国に連絡させて戴きます

 お許し頂きありがとう御座います」


「うん、もう楽にしなよ

 別に取って食ったりしないから」


あ、そういや知りたい事があったんだ


「そういや少し頼みがあるんだが聞いてもらえるかな?」


「我々に出来る事でしたらお申し付け下さいませ」


「いや、大した事じゃ無いんだが

 そこの賢者さん、貸してもらえないか?」


「え、貸せと申されますと?」


「いや、少し話をしてみたいと思ってな

 後でコイツらに送らせるからいいだろう?」


「はい、少しだけお時間いただけますと助かります」


「おう、いいよ」


そう言うと、賢者と騎士隊長は頭を寄せ合って話し始める


「ちょっと如何言う事ですか?

 私があの方になんの話をするんですか?

 うっかり話せば命がいくつあっても足りませんよ」


「すまんがここは我慢してついて行ってくれぬか

 どんな話か分からぬが、もしかしたら森に入れるようになるかも知れぬ

 それ以外でも我が帝国に有利に働くやも知れん

 此処は一つ頑張ってくれ

 骨は拾ってやる、拾えるならだが」


「なんてこと言うんですか!

 確かに交渉できるならですが

 相手が相手ですからね、命があるだけマシなところですよ

 仕方ないので行きますが、絶対に変な行動はやめて下さいよ」


「分かっておる、我等も命は惜しい

 我等だけではなく国まで滅んでは如何しようもないでな」


覚悟を決めた賢者は跪いたままで


「偉大なるお方よ、貴方様の前で立ち上がり

 お側に近ずく事ををお許しください」


そう言って青い顔をさらに青くさせながら

こちらに向かって進んできた


「んじゃ、騎士隊長さん

 少し借りるよ」


「は!、如何様にもお使い下さいませ」


「それじゃ帰ろうか

 あ、賢者さん名前はなんて言うの?」


「畏れながら申し上げます

 私は賢者グリウスと申します

 どうぞ宜しくお願い致します」


「グリウスか、宜しくな

 ちょっと寄り道するけど勘弁してな

 こいつ返してやらないとテレサが怒って来るんでな」


そう言って寝ている仔猫を見せてやった

 




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