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勇者と聖女

アフロディーテらに連れられて森の中を進んで行く


「ちょっと、公園位かと思ったら山の中じゃん」


「街ってどんな所なのかな?」


「てか、言葉とか大丈夫なのかな?

 私、英語得意じゃないんだけど」


「大丈夫だって、だって私達呼ばれたんだよ

 それも勇者と聖女

 もう英雄でしょう、絶対豪華な食事とか用意してるはずよ」


そんな話を聞きながら暫く歩いていると森の外れに来た

森から見ると外は平原の様な所でテントの様なものが貼ってあり

人の声が聞こえ始める


「ねえ、人の声がするわ 

 あれが私達を迎えに来た人達なのね」


「そうだ、あれが神国の者達だ

 引き渡したらそれで我等とは無縁となる

 心して行くが良い」


「えー、なんか大袈裟なこと言うおばさん達だよね」


「でもここまで連れてきてくれたけど言ってたように

 熊も狼も出なかったじゃない

 ただの脅しにしてはお粗末だったよね」


アフロディーテ達は怒っても仕様がないと思い迎えに来た神官達に


「神国の者達よ、お前らが召喚した者を引き渡そう

 今回は使いの者ではなく、我らが参上した」


そう声を掛けると、驚いたように神官達は一斉に跪き


「始祖の女神様方がわざわざ森からお出ましになるとは

 思いもよりませんでした

 お手を煩わし、誠に恐れ多い事で御座います」


「今回、我等が出向いたのは理由がある

 其の方らに言っておかねばならぬのでな

 毎回、召喚するたび魔力の差で我等が地に召喚されておったが

 この度、目出度くも我等の主様がお戻りになられた

 これよりは主様のお考えにより我等は動きます

 よって考えて行動をするように」


「始祖の女神様、それは如何なる御託宣で御座いましょうや?」


「今までの召喚は我等がいわば見逃してきたもの

 これよりは主様のお考え一つ

 国ごと消えたくなければ考えよと言う事じゃ」


神官達は女神ーズの言った言葉の意味を考えながらも


「分かりました、始祖たる女神様のお言葉

 しかと守護者アンゼリカ様にお伝えしましょう」


「うむ、ではこの者達を其の方らに引き渡そう

 3人の人間が召喚されて来たが、一人はどうあっても帰ると言いおってな

 主様が送り返された

 それだけは伝えておくぞ」


「それ、娘達よ。神国の神官達と騎士達じゃ

 行くが良い」


娘達は何で迎えにきた人達が跪いてるのか考えていたが

自分たちが勇者と聖女である事を思い出して


「私達が勇者と聖女です

 迎えに来てくれてありがとう」


さらに振り返って


「おばさん達、送ってくれてありがとう

 私達、おばさん達に脅されたりしたけど

 もう忘れてあげるわ」


「そうよ、散々失礼な事とか言われたけど

 神国の人が来たから大丈夫よ

 おばさん達は温泉にでも入ってたらいいわ」


「だって私達は魔王も倒せる勇者と聖女なのよ

 おばさん達なんかとは違うのよ」


その言葉を聞いて神官や騎士達は慌てて娘達を寄ってたかって押さえ付ける


「何をするの、乱暴は止めてよ

 私達はあなた達に呼ばれてきてあげた勇者と聖女よ

 もっと大切にしなさいよ」


「始祖たる女神様方、御無礼をどうぞお許し下さい

 我等、伏してお願い申し上げます」


「これ娘達、何と言うことを始祖たる女神方に言うのじゃ

 生命が惜しくないのか?」


そう言いながら神国の神官や騎士達は頭を地面に擦るつける様に

押さえ付ける


「もう良い、娘達よ、先ほども言ったようにここでその方達とは別れじゃ

 長生きする様にな」


そう言って女神ーズは森に帰って行った


女神ーズの足音が消えるまで頭を地面に擦り付けていた神官や騎士達は

腰が抜けた様に座り込み安堵のため息を吐き出す


一息入れて娘達を一瞥すると


「娘らよ、我等がお前達を召喚した者じゃ

 これより国へ向かう

 我等の国の役に立つよう精々頑張るんだな」


「お前達のお陰で、我等死ぬ所だったわ

 始祖たる女神様方にあの様な口を聞いて生きているとは運が良い」


「え、あのおばさん達は怖いの?

 綺麗なおばさんだったけど」


「言っておこう

 あの方達は始祖の女神様と言われる

 この世界のみならず幾多の世界の神で在らせられる

 さらに言えば、ご機嫌を損ねるとひと睨みでこの世界なぞ消して終われる程の

 お力をお持ちじゃ

 そのお方達に向かってあの様な言葉なぞ生命がいくつ有っても足らぬわ

 その女神様方の主たる方がお戻りになられたとの事

 その所為で助かったのであろう

 あのお方のお怒りは未だ解けておらぬ

 くれぐれも言っておくが、森にはこれからは近づくでないぞ

 死にたくなければな」


そう言って神官達は娘達を囲み、さらにその周りを騎士達が囲んで神国へ帰っって行った

 

 



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