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魔族誕生

アフロディーテは続けて


「人族は獣人族から奪った根源を自分達で自由に出来ると 

 思い込んでいました

 獣人族にはそのスキルと魔力の根源たる魔石が体内に御座います

 その魔石を人族は自分達の体に埋め込んだのです

 当然ですが、成功する場合と失敗する場合が御座いました

 成功すれば、獣人族の様に高い魔力とスキルを有する様に成ります

 失敗はまあ、死ですが

 死なぬまでも生きながらハーフの様になった者もおります

 人の意識を持ち、獣人族の力を手にした人の誕生なのです

 当時の支配階級はそれを歓迎しました

 獣人一人に対して人は4人程度でなければ敵わない状態でしたが

 実験の成功により進化した人には獣人が3人でなければ敵わないのです

 その為、獣人族は大勢が狩られました

 それに対して、獣人族は逃げることしか出来ませんでした

 我等神は進化に対して手を出すことが出来ませぬ

 ただ、指を咥えて見ているだけの状態だったのです」


へカティアが続いて


「人族の実験は恐ろしい勢いで各国に広まりました

 そして実験を重ねる内に新たな生命が生まれたのです

 作り出す人族では無く、生まれ来る人族です

 交配を繰り返して彼らは新しい種族を作りました

 それが魔人なのです

 産まれたての魔族は、元が人族ですので穏やかです

 教育をすれば言うことを聞きます

 そうして教育した魔人を戦争に使うのです

 その魔人達も数が増えて来るに従い教育が難しく成ってきました

 元が人族な上、人よりも力が大きく考える力も当然あります

 その為、1部の魔人が反乱を起こして人族に叛意を翻しました

 そしてそれが全ての魔人に感染すると魔族となり

 国を滅ぼし始めたのです

 現在、人族と魔族は交戦状態にあります

 獣人族は街の近くに住む者と森に住む者に分かれております

 ただ、街の近くに住む獣人族はその数を減らし殆ど残っておりますまい」


さらにイシュタルが


「全ては我等の責任

 人族の守護者たるミューズの交代を許可してからのことです

 主様が以前に仰せられた様に人族の守護者には龍族の仔らを

 付けて帰しました

 その所為で、主様の加護を受けたと勘違いした人族が増長したのです

 ミューズが昔に主様にご機嫌伺いに参った時に小さき巫女を連れておったのですが

 その巫女が現在のアンゼリカ、人族の守護者でありまする

 アンゼリカが温泉の周りで遊ぶ仔龍等を見て欲しがったのを

 覚えておいででしょうか?

 その時の約定を果たして欲しいと言って参ったのです

 主様のお約束、どうして我等が拒めましょう

 お叱りは如何様な罰でも受けますので

 どうぞ、テレサにはご容赦頂きたいと存じまする」


「どうか我等一同、全ての罪を受けさせて頂きます

 罰をお与え下さいませ」


女神ーズ一同が揃って跪き許しを乞う状態なんだが

母龍に抱かれながらそれを聞いてる俺ってどうなの?

まあ、好きで寝込んだわけじゃ無いから知ったこっちゃ無いんだけど

魔族ねぇ

魔王も居るんだろうなぁ


でも、女神ーズには与える罰はないな

テレサにも同じだ

ただ獣人族全体には少しお叱りをしておこう

そんな考えだった


「テレサ、残りの獣人族とは連絡が付くのか?」


急に声を掛けられたテレサは、跪いたまま


「は、はい。森の外に居る獣人族は3部族程度

 声を掛ければ、森に帰るはずです」


「ふん、ならば帰って来いと言ってやれ」


「解りました、有り難きお言葉しかと伝えます」


何やら思念の様なもので会話を開始してるらしい

よく聞くと、俺にも聴こえるんだよな

俺も、女神ーズも考えていることは分かる

言葉にするのは他の者に聞かせるためであり

最終確認の意味合いが大きいんだ


どうやら話は纏まった様だが

数名が帰りたくないらしい

森の暮らしよりは街の暮らしが快適だからな

でもお前ら捕まって殺されるんだろ?

なんで街にしがみ付くかな?


せめて一太刀とか考えてるならまだマシだろうけど

聞いた話だとただの無駄死にになりそうだよな

仕方ないので思念に割り込んでやった


「お前達、さっさと帰ってこねえと焼き鳥にしちまうぞ」


割り込まれたテレサはギョッとした顔で慌てて


「主様、お許し下さい

 すぐに森に帰るように指示を出します」


そう言って叱り飛ばすような思念を送っていた


しかし、魔人族なぁ

困った事になってるなぁ


女神ーズ達は上目遣いで小さな俺を見ているし

母龍達は取っ替え引っ替えで俺を抱き合いながら嬉しそうだし

まあ、暫く様子見だな。そんなことを考えていると不意に



「あのーすみませんがここは何処でしょうか?」


いきなり声がするんでビックリしたわ

声のする方を見ると、学校の制服を着たのが3人いたわ

 

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