転生3
色々な世界を見て周り
それぞれの神に逢った
その神達から歓待を受けたりしながら
さらに多くの世界を廻った
俺が居た様な地球みたいな星も沢山あった
文明程度は遥かに進んだ星や、成長過程の星もあった
意見や助言を訊かれたり、指示を出したり
精神体の旅でも結構大変だと感じた
いつになれば元に戻れるのか判らないが
其れなりに年月は過ぎていったと思う
ある星に寄った時、その地の神から面白い話を聞いた
俺の様に精神体で世界を駆け回る神は居なかったそうだ
元の体はどうなっているんだろう?と聞いたら
その神は
「おそらくですが、無くなっているかと存じます
貴方様のお力で維持されている可能性も否定は出来ませんが
人の体に神の力を宿した為、肉体が付いて行かなくなった
なので、肉体と精神が分離して新たな肉体を得るのではないか?
貴方様の意思で肉体を得て、その世界へお帰りになろうかと存じます」
帰りたいと願えば帰れるらしい
ただ、今までの肉体はあるか判らないそうだ
困ったな、愛着があったんだけどな
新しい肉体が気に入らなかったらチェンジ出来るのかな?
戻ったら試してみよう
今回の精神の旅は俺にとって非常に有意義なものだった
ただ、貴方は神ですと言われても
何の神なのか?何をすれば良いのか?さっぱり判らなかったが
生命の希少性については、再認識出来た
何にも出来ないのは不便だけど、何でも出来るのはこれ又不便と言うしか無い
あれこれ自分に付いて知識は得たので、そろそろ自分の世界に帰ってみるとしよう
俺が精神体で世界を旅していた頃、俺の居た世界は様変わりしたらしい
精々二ヶ月程度留守にした気分だったんだが
アフロディーテ達は相談していた
「主様はいつお帰りになるのでしょうか?
既に長い年月が流れました
我等も交代で各世界の管理はしておりますが
やはり主様が居られぬと思うと残念でなりませぬ」
「お身体はあの刻のままでございます
いつかお戻りになると信じておりますが
流石に1000年は長過ぎましょうぞ」
「あれからテレサも進化した婿殿を迎え
動物族では無く、獣人族の長となりましたが
森の外は危険だらけ、人の欲深さには情けなくなります
「テレサも長命では有りましたが、流石に我等とは違います
既に十代以上の獣人族の長を迎える様になりました
主様からテレサへと繋がった血筋は既に1000年の時を経て
脈々と続いておりまする」
「流石に、これ以上は人の欲の為に獣人族を犠牲にする訳にはまいりませぬ
彼等とてやはり人族との付き合いの中で文化を取り入れ
生活が向上しているのは当然の事ですが、余りの事に苦情を入れたら
ミューズは疲れ果てた顔で、引退を言い出てきたでは無いですか
代わりに誰が人族の管理をするのかと訊けば アンゼリカなる者を連れて
「私の元で修行をしていた巫女を代わりに守護者として遣わします」
などど言って、さっさと天界に還ってしまったではないか」
「主様が居られましたら、獣人族の進化に付いてお叱りを受けるやら知れません
テレサ可愛さの余り、魔力やスキルを授けてしまったのですから」
「それは、生きて行く上で必要な事だったとあの時に相談したはずです
それよりも厄介なのは人族でしょう
獣人族を煽て、敵国との戦いに投じたりあまつさえ実験体として利用するとは
許し難い行いです」
「主様のお戻りになる前に、人族を滅ぼして仕舞えば良いとは思うのですが
我等も主様が居られる為に神気をかなり失ってしまったので
あのアンゼリカとやらに付けてやった仔龍にすら勝てるかどうか?」
「龍族は、今でも主様に忠誠を尽くしてくれておりますので
心配はないと思いますが、これからのことを思えば恐ろしく感じます」
そんないつもの話の繰り返しであった
大阪TSにて




