転生世界2
俺は、生命が溢れる星に来ている
何十億年前の地球の様な星だ
生命が芽吹き、星が揺れ生命を狩る
生き残った生命は、懸命に進化して更なる繁殖をする
進化に遅れた生命は、進化した生命に淘汰されて糧となる
そして更なる進化を遂げた生命が、我が世の春を謳歌する
その生命も生命の中で争いを繰り返す
1番殺して食ったものが1番偉い、より奪った者が1番偉い世界
その1番を目指して、生命は懸命にその日を生きる
生きる為に知恵を付ける
その知恵がさらに大きな知恵を付ける
知恵が道具を生み、さらに便利な道具を生む
知恵が悪いとは思わない
より便利に、より楽にそう思うのは人の様な進化をした者だけだろう
欲は知恵を生み、知恵は欲を生み出す
武器を作り、さらに強固な武器を作りその武器に対抗する武器を作る
知恵のある生き物の長い営みを見てきた
より大きな武器を手にした生き物は他の王となる
他の生き物を廃して頂点を目指す、そんな生き物の精神に入ってみると
他の者より優位になりたい楽な暮らしをしたい
判らない話ではない、俺もそんな考えだった、その為に働いていた
楽な暮らしではないが人並みと思える生活だったと思う
でも、思った
自分の考えがその時に正しいのかを
身に余る物を持っていて、それを正しく使えていたかと?
道具が精神に追い付いていないから、争いが起きた時に
大量に破壊してしまうのでは無いかと、取り返しの付かない破壊をする事に
至る前に皆んなが同じ価値観を持っていれば防げるのでは無いかと?
無理だけどな
そんな星を見ながら気が付くと違う星を見ている
今度の星は、花が咲いている星だ
緑が多い訳ではない
水が豊富にある訳ではない
ただ、その花が咲くのに必要な分だけ水があり、環境があった
花の芽吹きから枯れるまでを見ていた
何もない地面から小さな芽を出し、僅かな光を求め
僅かな水分を地面と大気から頂き、懸命に育っている
周りには同じ花は無い、生き物も居ない
ただ1輪の花が咲く草が生えて、花を咲かせようとしている
やがて花が咲くほどに育った草は、遠く離れた地から飛んで来たであろう
同族の花粉を得て、実を付ける
実を付ける前にその花も風に体を預けて、花粉を懸命に飛ばす
同族まで届くほどの距離だろうか?
届く前に地面に落ちて、受粉出来ずに終わってしまうのではないか
多分、そんな事は考えて無いのだと思う
届けば良し、それだけなのであろう
運よく受粉した草は実を付ける
実は育ち、草の足元に落ちる
風が土を運び、種を隠して行く
そして種は、運が良ければ草になって花を咲かせる
種から芽が出なくても、種を落とした草は枯れて行く
落とした種の養分となる為に
小さな昆虫しか居ない星も見た
草と同じ様に同族を探して交尾し種を残すのかと見ていたら
どうやら雌雄同有してるらしい
種を残すときに自分が滅ぶようだ
何も無い世界、我等から見れば月の様な殺風景な世界
そこで生きている生命を俺は美しいと思った
俺が住んでいた世界、四季があり花が咲き乱れ、鳥が唄い
動物達は生命を育む
俺はそれも美しいと思っていた
だが、咲き乱れる花にも弱肉強食の掟は降り掛かる
同時に芽吹いたとしても、日の当たり具合や地の養分の差で
片方の葉に光を奪われ、成長が遅れそして枯れて、養分になる
上手く育っても、動物達に食われてしまう
動物達も同じ事
弱い物は、多く生み出して種族の生き残りを賭ける
何かを食わなければいけない世界、奪わなければ生きて行けない世界
それが本当に正しいのだろうか
当たり前に出された食事を摂って大きくなった
生命を奪って生きている
そんな当たり前の事に、目を瞑っていた訳では無いと思う
動物を狩り、植物を採取し、木の実を取って生きている
考えてみれば全て生命なんだなと、改めて思う
だがそれをどうする事が出来よう
この世界に生まれてきた以上、他の生命を奪わなければ己が死ぬのである
これはどう仕様もない事実だ
できる事は糧となる生命に感謝するだけなんだなと
広い無機質な大地に、ポツリと咲く美しい花を見ながらそう思った
今夜は広島泊まり
出来るだけ書いてみます




