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お勉強の時間ですよ

テレサは銀牙と一緒に温泉の廻りを走り回っている

毎日元気に遊んでいる

仔龍達も3日に1度は遊びに来るし、遊び相手には困ってないみたいだ

そんなテレサを見ながら俺はため息を付いた


「主様、ため息などお付きになられて

 何かご不快な事でも御座いましたでしょうか?

 お命じ頂ければ即座に解決致します」


勝手に今日の当番役の黒髪が声を掛ける


「いやな、テレサも結構大きくなった

 森で遊んでいるうちはいいけど勉強もしなくては  

 いけないんじゃ無いかと思ってな」


納得したように黒髪は頷き


「それでは我らが勉強を教えましょう

 神としての暮らしや、礼儀、言葉使いまで

 完璧にご指導いたします、どうぞお任せ下さいませ」


「バカタレ、俺はな普通の女の子でいいんだ

 お前らみたいにすぐに消してしまえとか殺してしまえとか

 危なくていけねえ

 普通に幼稚園とか小学校中学校と進んで欲しいんだがなぁ

 学校に行けば、人間の友達も出来るし共に学んで育つだろう」


「主様のお考えは間違っておりまする」


「え、どっか間違っているか?」


「はい、テレサは人族ではありません

 そして現在、人族に獣人は初めての付き合いとなります

 テレサはあの様なおおらかな性格ですので人付き合いは

 大丈夫と思われますが、何せ相手があっての事

 全ての人族が初めて会った獣人を受け入れてくれるかが

 肝心な点になろうかと存じます」


銀牙の背に乗り、喜んでいるテレサを見ながら

黒髪が言った事を考えてみる

確かに人同士の付き合いだって面倒臭い

当然好き嫌いは出て来るだろう

3人寄れば派閥ができると言うが

人は、あっちでいい顔、こっちでもいい顔して

裏で悪口を言い合うもんだ


俺の人生経験を振り返ってもいい思い出はあまり無い

単純に俺が恵まれてなかったと言えばそうかも知れないが

それでも家族に恵まれ育ち大人になって生きてきた

子供の頃から人に塗れ、人と会話し考え、時に突き放されて

そうして生きていく知恵をつけるものだと思う

そう言う点ではやはりもっとあの子には同じ世代の仲間が

必要なんじゃないかと思う

それを見透かしたように黒髪は


「ご学友が必要でしょうか?

 この世界で初めての獣人としてテレサは大変な重荷を背負っております

 ただ与えるのではなく、求めてから与えるのでは如何でしょうか?」


そうだよなぁ、何でも与えたらいいってもんじゃないしなぁ

それにこの世界の中でここしか知らないんだしなぁ

求めようが無いよなぁ

何を与えて、何を与えないかも問題だしなぁ

せめてこの世界の一般的な事位は覚えさせてやりたいがなぁ

俺が連れて街でも行ってみるかなぁ


「主様、その考えは大変危険です

 街でテレサが怯えて、力を発揮するかもしれませんし

 1番危ないのは、主様が庇うあまり街ごと消してしまいかねませんから」


俺ってそこまで過保護に見えるの?


「いえ、力の配分を考えないことが問題なのです

 テレサ自体はここに居る我らと神龍達以外には傷を付けれるものはおりません

 そして持つ能力は未だに判明しておりません

 ですので、何かのきっかけでその力の1部でも発現すれば問題になるでしょう」


俺はどうなんだ?


「主様は我等5人が束になっても敵いますまい

 全てを超越するお力をお持ちで御座います

 ですの先程は省かせて頂きました

 真に恐ろしい事はテレサや銀牙などではなく

 主様のお力なのです

 全ての世界を壊し滅ぼす事が出来るのですから」


いつの間にか、黒髪は跪き首を垂れて話していた


「そうか、俺は出来るだけここに居よう 

 ここならお前らが居るしな、安心だろう」


「テレサの勉強の相手は今しばらくお待ちください

 きっと良き仲間が見つかろうと存じます

 それまでは主様や我等が見てやれば良いかと」


んじゃ、テレサに文字でも教えるか

しかし、日本語教えて大丈夫かな?

勝手にこの世界の文字に変換してくれるかな?

心配は尽きないのであった


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