仔龍来襲
銀牙が白狼の側から離れない
さっきまでしこたま白狼に怒られていたらしい
罰として一月は外出禁止になったそうだ
俺にも怒って欲しそうにしていた白狼だったが
あれほど怖い目に遭ったんだ、それくらいで良いだろうと言うと
仕方ないかみたいな顔で頷いていた
テレサは帰ってきた銀牙が嬉しくて付き纏うが銀牙はここではしゃぐと
さらに白狼に叱られると思い大人しくしている
「父上、銀牙が遊んでくれません
言ってやって下さい」
そう言われてもなぁ、とりあえずはネコミミに遊んで貰いなさいねと
ネコミミを見ると、首をブンブン振ってイヤイヤしてる
聞くと、最近はママゴト遊びがお気に入りらしく
料理を作って振る舞ってくれるらしい
「私は、草ならまだ我慢できますが土は食べれません」
そう言って逃げて行った
それならと残りの女神ーズを見ると誰も目を合わそうとしない
もしかしてお前らも犠牲者なの?って聞くとうんうんと頷く
よし分かった!ここは白熊に任せよう!
白熊を見るともう居ない、さっきまで居たのに
仕方ない、誰か居ないかなと見渡すと皆あっちを向いている
「テレサ、俺と風呂に入ろう、気持ちいいぞ」
そう言うと
「父上のエッチ!」
な、どこで覚えてきたんだ? 愕然としていると女神ーズ達の肩が震えている
犯人は貴様らか
「んじゃ、もう俺はテレサとお風呂は入らないようにするかな
あーあ、俺は一人で入ってこよう」
そう言うとテレサは慌てたように
「父上の馬鹿ー!」
としがみ付いて来る
どうなってるんだ
まあ、お風呂に入ろうか
テレサはお風呂は好きだが、やはり子供らしくシャンプーが苦手らしい
女神ーズがあの手この手で宥めすかして洗っているらしいが
俺の秘密兵器があればきっと大丈夫
じゃーん、シャンプーハットだ
「テレサ、これを使えば頭洗うの嫌いじゃなくなるからね」
そう言ってシャンプーハットを見せて、頭に付けてやると不思議そうに触りながら
「はい、父上ありがとう御座います
テレサはお風呂が好きです」
可愛い事言うじゃないの
と、言うことでお風呂に入る事になった
「しっかり肩まで浸かって暖まるんだよ
その後で頭を洗おうね」
頭にシャンプーハットを付けてやり、試しにお湯を掛けてやると
「父上、顔にお湯が掛かりませぬ」
と、実に嬉しそうである
「そうだろう、これでもう大丈夫だな
ところで、俺とお風呂に入るのはなんでエッチなんだ?」
とりあえず聞いてみると、
「アフロディーテが教えてくれました」
はい、犯人ゲット
パツ金を見ると、
「私、用事を思い出しましたので出かけてきます」
とそそくさと逃げて行きやがった
用事なんて無いだろう
黒髪にちょっと来いと呼びつけて
「お前ら、まだなんか教えて無いだろうな?
吐くなら今のうちだぞ」
そう言うと、黒髪は紫髪に助けを求めるような目をしながら
「主様、記憶に御座いませんが」
そうか、記憶に無いなら仕方ないな
「お前ら、忙しそうだから暇をやろうと思うがどうだ?」
ギョッとしたような顔で4人の女神ーズはこっちを見る
「あ、あの、主様、それは如何なるお考えでしょうか?
我等、主様に忠義を尽くす者
何時迄もお側に置いて下さいませ」
オロオロしながら言うんじゃねえよ
子供に変な言葉教えやがって
ゲンコツで堪えてやるわ
一人1発のゲンコツで済ませてやった
パツ金は2発喰らったけどな
そんな事をしていると、梟達が騒ぎはじめる
また、なんか来たの?もう勘弁してよとか思ってると
山脈の方から大きなのが飛んで来ました
見ると金竜が飛んで来てる
金竜は静かに着地すると頭を下げて
「真なる神よ、この度はお許し頂き、ありがとう御座います
ご尊顔を拝し恐悦至極に存じます」
そんなこと言いやがる
「お前、そんな事だけ言いに来たんじゃ無いだろう
なんの企みがあって来たんだ」
金竜は、図星を突かれて困ったような顔をしながら
「実はですな、これ、この仔らが」
と言うと、キュッと声を出しながら金竜の背中から仔龍が2匹転がり落ちてくる
僕たち私たち転んでも大丈夫とか言いそうな感じで羽をパタパタさせながら
こっちに走って来る
あら、可愛い事
風呂の縁まで来て、これは何だろうと風呂を覗く姿も可愛らしい
仔龍の姿を見て、テレサも驚いたらしく
「父上、この仔らは何者で御座いましょうか?
一緒にお風呂に入ってもかまいませぬか?」
龍って風呂に入るのかな?そう思い金竜を見ると
うんうんと頷いてる
「この仔らは龍の仔だよ
小さい仔だから気を付けてね、ママゴトはしたらダメだよ」
そう言いながら仔龍達を湯船に浸けてみる
仔龍達は温泉の湯に驚きながらも、気持ち良いのが分かると満足そうに
首を伸ばし羽をパタパタさせて実に嬉しそうだ
アヒルか、鴨の様に温泉の中を泳いでいる
「で、何でこの仔らを連れてきたの?
まさかとは思うが、お前子守に困ったんじゃ無いだろうな?」
よそ見しながら金竜は
「滅相もございません、仔らが如何しても真の神様の元に遊びに行きたいと申すもので
御無礼とは存じましたが連れて参った次第で御座います」
お前、嘘が下手だな
まさか黙って連れ出したんじゃ無いだろうな?
仔龍達はご機嫌にテレサと俺の間を行ったり来たりして泳いで遊んでいるが
ちょっと待て、なんかこいつら大きくなってないか?
チワワ位だったのがゴールデン並みになってる気がするんだが?
見る間に泳ぐどころか水浴び見たいな状態になって風呂場が大変だぞ
そんな事を言ってるとやっぱり飛んで来た
頭に角が生えた母龍2匹
フワッと優雅に飛び降りると俺に向かっていきなり頭を下げて
「このバカ亭主が申し訳御座いません
早速連れ戻して帰りますのでどうぞお許し下さいませ」
アンタら産後なんでしょ、ほんと大変だよね、身体大丈夫なの?
そう言う間も無く、金竜は2匹の母龍にしこたま怒られている
見てる分には可哀想だけど、まあ仕方ないよな
そういや、この湯は癒し効果があったよな
産後の身体を癒すには良いかもだなって桶で湯を掛けてやろうと思い
呼び寄せて、掛けてやった
女神ーズは、これまた何かしでかしたとばかりに慌てているが
湯を掛けただけじゃ無いかと思っていると
母龍2匹が光り始めて収まったと思ったら
え、何で女の人がいるの?
裸だし、綺麗だし
女神ーズ以外は大人の女なんて居ない筈なのに?
女神ーズのジト目が怖い
「真の神様、我等は神気を受けて人型に変化する事が可能になりました」
おい、何だそれ
まっぱで言うことか?
「あ、まあなんだせっかくだから風呂にでも入っていけよ
あったまるぞ」
そう言うことでは御座いません!何をなさっているんですか!
口を揃えて女神ーズが叫ぶが、俺は知らん、何も知らん
温泉の中は大きくなった仔龍と人型になった母龍がノンビリと浸かっていた




