銀牙の大冒険
誤字報告を頂きました、有難うございます
2箇所の報告ですが、あえて古い言い回しを使っております
ご理解くださり以降の話もお楽しみ下さい
白狼と同じサイズにはなったが所詮子供である
ちょっと目を離すとすぐにどっか行ってしまう
湖の周りで遊んでいる程度なら良いけど
森の奥、山脈の方まで探検しに行くので始末が悪い
流石にフェンリルともなれば足が速すぎて栗鼠軍団では追いつけない
銀牙様が居ませんと報告が来る度、女神ーズ総出で森の中を探し回る
1時間程探したが今回は見つからないらしい
栗鼠達は見逃したことに責任を感じてるらしく軍団揃って震えている
「いや、お前達に落ち度はないから安心しなさい」
声に出すまでこやつら生きた心地がしなかったらしい
女神ーズも戻ってきたが連れては帰ってない
「銀牙は何処へ遊びに行ったのでしょうか?
人の街などに行ってなければ良いのですが」
などと心配している
いくらフェンリルで強いからと言っても所詮子供なので
罠とかに入って仕舞えばやられる可能性はあるのだ
「森の外には出ては無いかと存じます
人族の街で騒ぎは起きてない様ですので」
と、黒髪が見てきた報告を行う
「おそらくは山脈に入ったのでは無いかと存じますが
山脈内は龍族の住処、トラブルでも起こしたら大変な事になりまする」
そういや、龍族には会ってないが、どんなのがいるんだろう?
誰か知ってるか?って聞くと
緑髪が
「この世界の龍族は進化によって2種類に分かれます
下位竜は主様の世界で言えばドラゴンの様なものですが
進化を経て、龍となります
どちらも言葉は理解し話しますが、非常に他排的で彼らより
上位種がおりませんので高圧的な個体が多く居ます」
「この世界の神も龍族には関係を持っておりませんので
現在、どの様になっているかは不明でございます」
つまり何だ、村社会みたいなもんだな
交流は無くなまじ強いモノだから相手にも出来んと
そんな龍族の話をしていると、警備役の梟達が一斉に飛んでくる
何事かと話を聞くと
山脈の方から恐ろしいモノがたくさん飛んで来てるそうだ
そんなことを聞いていると山脈の方から何やらでっかいのが数匹飛んで来てる
湖の辺りに5匹位のドラゴンが降り立った
その中の金色に輝く鱗を持ったドラゴンが進み出て
「そこな人間達に問う
お前は、ここで暮らすものか?
森の動物達を率いているのもお前か?」
お、ほんとに喋るんだなんて考えていたら
女神ーズが俺の前に並んで
「そこな龍族よ、我が主の前でその様な態度無礼であろう」
金竜は
「たかが人間の分際で何を偉そうなことを
お前達の王はその男か?
問い糺したい事がある故、我らが住処まで付いてまいれ
断る事は出来ん、生きていたければな」
「我らは、この世界の外に有るもの
お前達の指図は受けません」
「用向きも言わず、従えとはあまりの言い様
どちらが生きているか試してみますか?」
なんか物騒な話になって来てるが一つ聞いてみるか
「まさか、ウチのフェンリルがお宅にお邪魔してたりしてる?」
「ぬ、やはりバカ犬は貴様の仲間か
我らの平穏を壊しおって、長老様方も御怒りじゃわ
白狼は我らが捕らえておる、毎日毎日走り回って厚かましい事この上ないわ
飼い主ならば責任を持って詫びに来いとの仰せじゃ
大人しく従うが良い、詫びの仕方によっては命があるやらも知れんぞ」
「毎日毎日と言ったが、そんなにお宅にお邪魔して遊んでるの?」
「我が物顔で毎日走り回っておるわ
我らの大長老様は現在お休みになってるられるが、
その寝所まで入って行こうとしたので、ひっ捕まえて閉じ込めておる
ネコミミが心配そうに
「銀牙は、怪我をしたりしていないでしょうね
あの子は主様の御子、小さな傷でも付けていたらその方達を
許しませんよ、女神として命じます、すぐ様銀牙を戻しなさい」
「なにが女神であるか、たかが人の分際で
我ら龍族に逆らうなど片腹痛いわ」
「大人しく付いて来れば良し、さもなくばここで貴様らは皆殺し
あのバカ犬も殺してやるわ」
「ホウ、我らを皆殺しにすると
面白い、たかが龍族が始祖たる女神を殺せるものかやって見るが良いわ」
こうなると売り言葉に買い言葉である、収まりが着かない
多分、睨んだだけで死ぬんだよなぁ、こいつら
殺意を向けてって事だけど
龍族を見たい事と、銀牙は捕らえられているが別条はない事
その2点で俺は判断した
「判った、これよりお前達の住処に行こう
ただし、話のわかる奴を出せよ、そうじゃないと後悔するのはお前達だぞ」
「主様、このようなモノの話を聞いて、主様が足を御運びに成るなど
とんでもございません、このモノ達はここで我等が始末致しますので
お控えくださいます様」
「いや、銀牙が向こうに居るんだから連れて帰らないといけないだろう
それに龍族にも会って見たいしな
これは決定だ、お前らも準備しろ」
女神ーズはそれを聞いて一斉に跪きながら了解する
「では、使者で良いのかな、お前は
我らはこれよりその方達の住処に参る
案内は不要じゃ、先に帰って待っておれ、1時間後に参るでな」
黒髪が代表で返答すると
「ふん、怖じけずいて逃げるんじゃないだろうな
我らが住処まで1時間で来れるはずがあるまい
我らの手下を1匹、用心の為残らせておく
この1匹でもお前らは敵うまいがな
1時間後が楽しみじゃ」
そう言いながら金竜は、仲間を連れて山脈に帰って行った
残った竜はこちらを睨みながら座り込んでいる
大きさで言えば、体長20m重さ5トンと云うところか
羽を畳んでないところを見るとすぐにでも攻撃できる体制らしい
「主様、如何致しましょうか?
我等が先乗りして皆殺しにして参りましょうか?」
物騒なことを言うんじゃんねよ
「まあ、行くって言ったんだから行こうか
その後は話によってだろうな
むやみに殺したりしたらいけないよ」
そう言いながら女神ーズを見ると
何故かこいつら震えている
「あ、あの、主様まさか非常に御怒りではございませんよね?
いえ、銀牙が捕らえられているので御怒りは御座いましょうが
その、お身体から出る神気が尋常ではない様ですので」
5人が5人一様に震えている、動物達はこの世の終わりが来たような態度で
森に隠れて出てこない
白狼と白熊は俺らも付いて行きますぜみたいな態度で伏せている
テレサは昼寝の邪魔をした竜を睨みつけているが
取り敢えず大人しく待つようだ
「まあ、時間も来た様だし、お前らと俺で向こうに行くか
白狼と白熊はテレサのお守りで留守番な」
そう言われて白狼と白熊は肩を落とし鳴き声を上げるが
テレサのお守りが居ないんじゃ困るだろう
「んじゃ、転位で住処に飛ぶから遅れるなよ」
そう言って俺達は龍族の住処に転位した
 




