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白熊はお父さん

白狼が子らに乳を与えている

1匹と一人が、白狼の乳房にしがみ付いて必死に乳を飲む姿は

実に愛らしい


満足する程乳を飲んだら、早速白狼から離れて遊びに行く

遊びと言っても、よちよちハイハイ程度の遊びなので遠くへは行かないが

放っておくと結構遠くまで行ってしまう

それを掴まえて連れてくるのは白熊の役目らしい


始め白熊は何が起こったか判らなかったらしい

白狼が抱く仔狼とケモミミの人の子を交互に眺め

そして白狼を見てデッカイ身体をクネクネさせながらも

一大事だと理解したらしい

仔狼が湖の方へよちよち行くと付いて行き、ケモミミがハイハイしながら

森へ行くと慌てて戻ってきて危なげな手つきで抱いて帰って来る

そんな様子を白狼は安心した目付きで眺めている


この森でコイツらに危害を加える様な奴はいないのは解っているが

目を離すとすぐにどっか行ってしまうので気の休まる事が無いのである

栗鼠に両方の監視を頼んでから少しはマシになったが

今度は栗鼠が責任重大と隊列を組んで監視業務に当たるので

余計に白狼の周りが邪魔くさくなっていった


白狼はネコミミの側で落ち着くことが多く

眷属の長たるネコミミも満更では無いようであれこれ世話を焼いている

ネコミミ以外の女神ーズは納得出来ないような顔をしながらも

仔狼とケモミミに何やら手を翳したりして怪しげなことをしている


そのうちパツ金がため息を吐きながら


「我らの誰かが主様の御子を授かる筈でしたが

 まさか白狼にしてやられるとは思いもよりませんでした」

「おまけにこの世界には居ない獣人とはこれまた大変な事でございます

 主様は獣人の創造者として誰に守護させるのでしょうか?」


それならネコミミでいいだろう、眷属なんだからと言うと


「新しく生まれた種族には祝福が必要であります

 どうぞ主様のお力でこの仔に祝福とお力をお授け下さいませ」


祝福はいいけど力は如何なの?

あれこれ考えて妙な力を与えたらこれまた大変な事になるんじゃないの

だから何にも考えない様にしながら2人の仔に手を翳して願っておいた


黒髪が二人の仔をじっと見ながら顔色を変えて隣の紫髪と緑髪に目配せをする

3人揃ってため息を繰り返して


「これは、また大変な仔らになったものでございます

 我等と違い、寿命こそございますが力が強すぎます

 暫くは目を離すことの無いように致します」


なんかヤバげな事言ってるよなぁ

ちなみに男?女?どっちなの?


「両方共女の子でございます」


うーん、なんて言うかな

名前とか付けないといけないんだろうなぁ

そうな事を言うと、白狼は嬉しそうに擦り寄ってきて咥えた仔狼を顔の前に

持って来やがる

ケモミミは白熊が落としたら大変とばかりに大事そうに抱えて持ってくる

女神ーズは俺の周りに傅き、命名を待つ状態


「ケモミミにはテレサと名付けよう、仔狼には銀牙と名付けよう」


そう言い、両手をそれぞれの頭に乗せ名付けた

するといきなり虹色に光り始めたと思ったら

銀牙は白狼と同じサイズに、テレサは5歳児位に大きくなってしまった

さらに驚いたことに


「銀牙というお名前を授かりありがとうございます、父上」

「私もテレサと言うお名前を授かりまして光栄に存じます、父上」


辿々しいがしっかりとした口調で話しかけてきた


お、お前達もう話せるんだ

女神ーズは嬉しそうな顔でまた祝福を与えているし、過保護はいけないよ君達


しかし、問題発生

銀牙はフェンリルだからそのままで良いが、問題はテレサだ

5歳児程度に成長しているんで裸のままでは困るだろう

そう思っていると、女神ーズは抜かりはございませんとばかりに

子供服を出してくる


よく見るとお尻の上にちっこい尻尾も生えてるし、可愛いのう

フリルの付いた服をあれこれ着せ替え人形のように着替えさせられながら

ようやくテレサも落ち着いたようだ


綺麗にしてもらって満足したのか白狼の元に行って頬擦りした後

俺の元までよちよちと走ってきて、足元に縋りつき見上げている


これは、抱っこをせがんでいる顔だよなぁ


仕方ないので抱き上げると嬉しそうにケモミミと尻尾を振っている

銀牙も抱っこをせがんで寄ってくるがお前白狼と同じサイズなんだから

抱っこなんて出来ねえだろう

残念そうな銀牙には頭を撫でて、尻尾も撫でてやった

とりあえずそれで満足したらしい


大きくなったおかげで、さらに大変になったのは白熊と栗鼠軍団だった

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