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後始末

さて、如何するかな?


モヒカンに向かって


「まだ、やるか?一応俺が勝った様な感じではあるが

 一応聞いといてやる」


モヒカンは地面に転がったまま、声を出す力も無いみたい

組合長に向かって声を掛けようとすると組合長はいきなり土下座して


「どうぞお許し下さい、我等人間が神に勝てるはずもありません

 この度の事は、この者の不始末で御座いますのですぐ様排除させて頂きます」


「白熊も白狼も生き返ったんだから、もしかしてこいつも元に戻るかもしれんな

 ちょいとやってみるか、元に戻ってまだやるって言うならやってもいいし」


モヒカンに向かって


戻れ!


って叫んだ


やっぱり白い光に包まれた後、モヒカンは五体満足で光の中から出てきた

自分の身体に起こった事が信じられず、手足を触って見ている

やがて、自分に起こった奇跡に納得したみたいで組合長を見て

ミューズを見てこっちを見直し


「今回は、神とやらが手助けに来たから負けたんだ

 お前相手なら負けてはいない、いや勝っていたんだ

 それを変な女供が現れて、俺は卑怯な手でやられてしまった

 だから、この勝負は俺の負けじゃない、まだ勝負はついてないんだ」


組合長とミューズはギョッとした顔で、お互いを見て慌てて殆ど同時に


『お願いだから、止めて(止めてくれ)!」


必死になって止めようとしているが、モヒカンの覚悟は変わらないらしい

その覚悟に観客席からも盛大に声援が飛ぶ


「冒険者の意地を見せてやれ!」

「神か何だか知らねえがそんな奴らも纏めてやっちまえ!」

「私に恥をかかせたおっさんなんか死んでしまえ!」


見ると受付嬢のアガタだっか、叫んでるよ

納品クエストの受付嬢も叫んでるなぁ

そんなに嫌われてたんだと少し悲しくなる

しかし、モヒカンやる気だなぁなんて考えてると

パツ金女神が


「お前達、これ以上、主に刃向かうなら覚悟しなさい 

 この世界を消し去っても構わないのですよ」


観客席からは


「馬鹿野郎、やれるもんならやってみろっててんだ

 何処から現れたか判らねえが、ちょっと魔法が使えるからって

 偉そうな事言うんじゃねえよ」


散々な言われ様に、心底恐ろしくなったのはミューズであった

自分より遙か上位の女神達である

それが世界を消すとまで言っているのだ

間違いなくこの世界は消えてしまうだろう、人も街もいや、この世界が全て

消えて仕舞う

神とは言った事は必ず行う、それが神が神たる所以である

出来ない事を神は口にしない、出来ない事を口にするのは人間だけである

この世の終わりが近い事を感じて、ミューズは震える事しか出来ない

滅びの足音が近づいて聞こえるような錯覚を覚え、せめてもと祈りを捧げる


「それくらいにしておけよ

 俺としてはこの世界を消したくは無いし

 こいつらも生き返って来れたしそれで良いんだけどな」


そう言って、モヒカンを見るとモヒカンは


「動物なんか俺達の餌にしかならねえ

 殺される動物の事なんて、味の事しか気にならねえよ

 なんで死んでいく動物の事を考える馬鹿がいるんだ

 弱いから死んでいくんで強い奴が食うんだ

 寝言言ってんじゃねえよ」


お、本音言いやがった

女神ーズは立ち上がって俺の周りに集まり、守る様に囲む

組合長はミューズを拝み、ミューズは真っ青な顔で必死になって何かに祈っている

話をすると堂々巡りになりそうな相手なので話は無駄だと判断しようか


「せっかく身体も戻って生きて行けるのに、何で死にたがるかなぁ

 今度は助からないよ

 助ける義理も無いし、この世に罰を与えて終わりにするよ」


「ふん、お前なんかにどんな罰を貰うってんだ

 寝言は寝ていいな」


「うん、罰は決めたよ

 たった今から、森には入れなくした

 お前らは今から、森の動物達を殺す事は出来ない

 肉は食えなくなるって事だ

 それを罰としてお前らに与える

 俺は、森に帰る、このシモベ達とな

 いつかこのシモベ達が大厄災としてお前達の前に立ち塞がるだろう

 たった数人の言葉に腹を立てた、この俺の嫌がらせを受ければ良いさ」


そう言って、女神ーズに帰るぞって声をかけ

腰が抜けた様に座り込んでるミューズに、後始末は頼んだと声を掛けた


俺はコイツらと森に帰るよ

人付き合いは懲り懲りだわ




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