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自覚するのも恐ろしい

「恐れながら申し上げます、始祖の女神方よ

 まさか、この人間が女神方の主であると?」


ようやく理解したかと、5人の女神達は揃って上下に首を振る


パツ金とネコミミが口を揃えて、


「主様、これなるミューズと申すこの世界の神も

 ようやく理解したようです、ご不快になられて申し訳ございません」

「して、この変な髪形の人間は処理してよろしいですか?」


いや、お前ら女神の話を聞いてて、なんか怒りがどっか行ったわ

正直、白熊や白狼を殺した事に怒ってるんじゃないと思う

人も動物も生きる為に命を奪ってるんだからな

所謂、弱肉強食ってやつだ

弱いから殺される、食われるのは仕方ない

捕食上位者にしたって生きる為に殺すんであって

面白がって殺しはしないはずだ

ただ、遊びで殺すのはどうかと思う。今回の白熊と白狼は予防行動で死んだ

街の危機を未然に防ぐための行動だ

まあ、理解出来ない訳ではない、必要な事だろう

森から出てきて人を襲い、街を襲撃したのなら諦めよう

だが、人間が森の中に入ってしかも抵抗しない獣を寄ってたかって

殺した事に怒ってるんだ、知り合いだしね


街の中は人間達のテリトリー、森の中は動物達のテリトリー

人間達は森に入り込んで資源を持って帰る

動物達は街に行っても仕方ねえよな、襲われるだけだし

森の中で大人しく暮らして行ける


この世界も俺がいた世界もやっぱり弱肉強食なんだな

命が食い合う世界って正常なのか?

きっと答えは出ないんだろうけど、それを俺は考えてみたいと思った


そんな事考えてると、モヒカンの野郎がミューズに這って近付いていた

ミューズの野郎は


「わが信者よ可哀想に、わらわには身体の痛みを止めるしか力はありません

 どうぞ不甲斐ないわらわを許してください」


モヒカンの野郎は血こそ止まっているが、流れ出た血液の量からすると

現代なら輸血が必要なレベルは間違いない

この世界だからか怪我には強そうだが、これほどの欠損では冒険者どころか

生きていくのさえ苦しいだろうと思う


だが俺は後悔してねえ、俺の友達を遊び半分で殺しやがった奴だからな

本当なら、その辺りの冒険者共も同じ目にあわせてやりたい

こいつらなんて、俺に関係ない奴らだし、どうでもいいしな


そういや、俺の力って何でもできるって言ってたよなぁ

死んだモノも生き返るのかな?


白熊に向かって手を伸ばし


生き返れ!


白熊の首に白い光が集まってきて、5m位の大きさになって光が消えたら

白熊が生き返っていた より大きくなってるし


身長は10m位あるんじゃないの?

体重は1tくらいなんだろうなぁ

生きてる時は子熊が白くなっただけだったんだけど

生き返ってきた熊は完全に大人の熊になってた


「ぐぅおおおおお~っ」


雄叫びってのかな?、叫んで辺りを見回しながら威嚇しまくってたが

こっち見て俺を見つけたらしく、走ってくるんだけど転びながら走ってくる

最後は飛びつきやがった


あのな、子熊の頃じゃないんだよ、お前あの頃の10倍以上大きいんだよ

だが不思議な事に飛び掛かられても倒れもしない、勿論怪我もしない


勿論、白狼にも同じことしてみた

生き返った白狼は、おれの足元?に白熊を見つけると

負けじとばかりやっぱり飛びつき、腹を見せて転がりまくる


いあ、白狼も5mといわない程度には大きくなっている

2匹に嘗め回されて抱き着かれている俺を、お前ら助けろよ!


「主様、可愛い下部達がお戻りなり、大変喜ばしく思います

 お考えの通り、お力は顕現致しました

 これよりは総ての世界を治める事になります

 我等一同心より御喜び申し上げます」


5人の女神達は一斉に俺の前に跪き頭を垂れる

ミューズと云えば、如何したら良いのか判らず俺と女神達を交互に

見回した後、慌てて跪き


「始祖の女神様の上位に位置するお方とは存ぜず 

 大変失礼致しました、この罪如何様にもお裁き下さいませ」


青い顔をしながら震えているのが少しおかしい


観客席の人達や闘技場内の組合長、モヒカンは訳が判らない状態だけど

如何やらこれは逆らったらやばい状態なのは解ったらしい



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