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転生しました。僕は〈神に選ばれし者〉らしいです…  作者: 吹雪
第1章 幼児〜少年期編
2/5

2.ここは?


まばゆい光の刺激で目が覚めた。

うっすら目を開けると天井には豪華なシャンデリア。





「助かった…のか?」





(それにしてもここはどこだろう…確か俺は麗花のストーカーに刺されて…病院に来たのか…?けど、病院にしては豪華すぎるし…それに、美しい白金髪の女性と白髪の美少女が眠っている。もしかして外国か?いや、飛行機に乗った覚えはない。

天国、か?いや、先に閻魔大王様のところに行くはず…。うむ…、ここはどこだ??)





しばらく体を軽く動かしていた賢人だったが…







「「リュカ!?」」





は?





「目が覚めたのね!!大丈夫?しんどくない?まだ熱があるのかしら…少しぼぅーっとしてるわね…私のこと、わかるわよね??あなたの母よ!」






(いや、俺に母親はいないぞ。どういうことだ?それに…グフォッ!!)



「リュカ~~!グスッ!すごく、心配したんだから~!1週間も目が覚めなくて…ほんとに…、ほんとに…よかった~!あなたの姉よ!!忘れてないわよね?」




「あの、すみま…



「あらあら。リュカ、声が出てないわ。温かいスープを持ってきてもらいましょう。」




「あ、はい…」




「フルール!温かいスープを持ってきてちょうだい。あとルーク。あなたはご主人様に連絡して。」




「「かしこまりました。」」





「さて、私とペルはそろそろ出て行くわね。それと、今日から3日は外出禁止です。また高熱が出てしまっては大変ですからね。」




「はい…」



(やばい…完全にパニックだ。

まず、あの女性は母親、と名乗っていた。そして、美少女は姉、らしい。俺には妹しかいないはずだ。)




賢人はよく転生モノのラノベを読んでいた。それは家事や勉強の合間にとるちょっとした楽しみの1つだった。現実から遠く離れたところに立てるという快感に身を浸しながら、疲れをとる。それがまさか現実になるとは思ってもいない。つまり…転生、である。

信じられない。が、自分の手が、足が、全てが小さくなっている。





「転生、したんだな…」






ようやく現状を把握した賢人だった。






(まず、知識が必要だな。どうせ3日は動けないんだ。色んな人から情報を得よう。よーし!頑張るぞ~。)




リュカは右手を突き上げた。

その時、ドアをノックする音が聞こえた。



「リュカ様、スープを持ってまいりました。」



(これ、敬語はダメなんだろうな…年上の人にタメ口って気が引ける…あと俺3歳くらいだよな?てことは…ああ、恥ずかしい…)



「は、はいっていいよ!」




入ってきたのはまだ12歳くらいの女の子だった。





「失礼します。リュカ様、お元気になられて何よりです。私のことは覚えていらっしゃいますか?」




「ごめん、いま僕、記憶がなくなってるみたいで…」




「私はフルール、と申します。9歳の頃からリュカ様の身の回りのお世話をさせていただいております。」




「ありがとう。これからもよろしくね。少しお腹が空いたな。フルール、スープもらっていい?」



「もちろんでございます。」


賢人はサイドテーブルに置かれたスープを一口飲んだ。



「……美味しい。」


うすい味ながらもダシがよくとれていて、乾いた喉を潤していった。賢人はスープを飲んだことでようやく転生したことを確信した。そして、転生したからこそ、前世では妬ましく思っていたモノが気になったのである。



「フルール。鏡ってあるかな?」



「ございますよ。ただ、1週間なにも食べられていなかったので少し痩せてはいると思いますが、お変わりはありませんよ。どうぞ。」


「ありがとう。」


フルールは鏡を取り出し、賢人に渡した。

賢人は意を決して鏡を見た。

鏡に映っていたのは、まだ幼い男の子で、白髪でくりっとした碧眼の可愛らしかった。

母親と似ていなかったらどうしようと思っていたが、この顔ならば将来イケメンになれるだろうと安心し、思わずガッツポーズをしてしまった。

しばらく鏡の中の男の子を眺めていると、フルールが横に来て、


「リュカ様は痩せられても天使ですね。とてもご主人様に似ておられますので、将来きっとおモテになられるでしょう。」


フルールがいたことを忘れていたが、今の言葉で現実に引き戻された。

父親がいる、そう言われたのがあまりにも嬉しすぎて、目を輝かせ、フルールに尋ねた。



「フルール、僕とお父様は似ているの?」



「はい。ご主人様も輝くような白髪に碧眼で、とてもおモテになられているようです。結婚してからも今だに人気が落ちないとか…。その上この国で宰相を務めております。そのおかげでお忙しく、あまり領地には戻られません。」





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