世事放談:衆院解散でダブル選挙にする大義とは
今夏の参院選がダブル選挙になるか否かを論じている論者の誰もが指摘しない事実に言及してみたいと思います。
話を膨らませるほどではないのでかなり短めのエッセイとなります。
世間では衆参ダブル選挙の噂が駆け巡っているようですが、解散総選挙をやるしかないのではないかと思っています。
もっともそう考える理由はというと、ダブル選挙の有無についての世評とはかなり違う根拠によるものですけど。
では解散したとして安倍政権が掲げる解散総選挙の大義とは何か?
それは恐らくは消費増税の凍結乃至は消費税率の引き下げを掲げて国民に信を問うことになるのではないかと思うのです。
で、もしもそうなった場合、消費税増税反対を常日頃訴えている野党の皆様は何に反対するんでしょうか?
さて、それではなぜ解散総選挙になると予測するかの理由を書いてみたいと思います。
日本のマスコミ報道などではほぼ無視されているのではないかと思いますが、実は今年の世界の農業生産高はかなり深刻な状況になるだろうと予測されているのです。
特にアメリカ中西部の洪水は酷いもので、三月の時点で既に歴史的大洪水となる兆候が見られており、それ以降現在に至るまでの間、ミシシッピー川やアーカンソー川などの大規模河川の水位が一様に上昇を続けており、一度として水位が下がったことがないという異常な洪水状況。
現状、1927年に起きたアメリカ史上最大の洪水である、ミシシッピー大洪水の時の河川水位を更新しつつあります。
さらにいえば、1927年の時には半年ほど水位の上昇があった後に洪水となったのですが、今度は三か月ほどで同様の水位にまで達していると。
洪水の被害は洪水だけにとどまりません。今後の農業生産にダメージを与えます。
そして、アメリカ中西部の各農場に備蓄されていた一億八千万トンものトウモロコシ、大豆、小麦の備蓄も洪水でパーになりました。
しかもここにきて、五月の一か月間に全米で五百回を超える竜巻が発生しているという異常気象。
カナダやオーストラリアなどの農業輸出国もひどい状態になっており、今秋から来年にかけて世界規模での食糧危機が起きる可能性を指摘する声もあります。
身近なところではオリーブオイルの生産高が激減しているというのもありますね。
食糧危機には世界大戦に繋がりかねない危うさがありますが、これからの季節は予断を許さない状況になっていくと思われます。
民主政治においては有権者たる国民が一票の権利を行使するにあたって、正しい判断材料が提示されている必要があるのですが、こんな世界規模で大ごとになっている問題を正確に伝えないメディアに何の存在意義があるんでしょうね?
食糧危機が顕在化して、経済成長を伴わない物価上昇が連鎖的に発生している状態で消費税を増税すれば一体どういうことになるんでしょうね?
現時点での経済指標だけを見てリーマンショック級の事象が起きていないから増税は可能という判断を下すことは正しいのかどうか。
消費税の減税なり、増税凍結なりを実行するとなれば、政府としては国民に信を問うしかないわけで、このままいくと否が応でも解散せざるおえなくなるのでは。
国際的な穀物の先物取引市場では、その年の初めにはもうすでに年末の収穫高を読み込んで動くといいますね。
日本のテレビ視聴者や新聞読者はそんなことなど露ほども気にしてはいないとは思いますが、世界経済の中枢はそうではないと。
日本のメディアは視野が狭い。
The World’s Greatest Agricultural Disaster
https://coldclimatechange.com/the-worlds-greatest-agricultural-disaster/