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俺、説明します

盗賊を殲滅、姉さんを蘇生させたあと気付いた。


俺クサっ!何今のセリフ⁉︎好きだよ?…うーわー…テンション高かったのは認めるけど…無いわー。


「アイン」

「はい⁉︎な…何でしょうか姉さん!」


ヤバい…絶対しばかれる。いや、俺の作った身体だ。しばかれるで済めばまだ良い…下手すればスクラップにされかねん…


「と、取り敢えず…す、好きとかそう言うのは姉弟では駄目だよ?」


真っ赤になりながら何を言う。あかん…俺駄目だ。完全にシスコンになったな。うん。


この真っ赤になって悶えている姉さんを見て可愛いと言う感想が出てくる時点で重症だ。


「姉さん」

「な、何?」

「真剣な話をするけど…もうこの村は駄目だ」

「…」

「それで、姉さんのその身体の兵装の説明をしてから村を離れたいと思う」

「うん」


俺は真面目な顔になった姉さんに説明を始めた。


「姉さんのその身体…義体は俺と同じ人工筋肉で構成されていて、特別に魂をインプラントせずに脳を移植させる事で人間に近づけた」

「?」

「要は俺はこの身体…まぁ姉さんと同じ様にクローンをベースに作ってるけど…元々の体じゃ無いんだ」

「どう言う事?」

「俺は本来は普通の人間だったんだけど…前世の世界は戦争が凄まじく発展していて普通の人間じゃ、余程命を捨てた攻撃でもしない限り、即犬死なんだ」


そう言うと姉さんは顔を強張らせた。そりゃそうだ。普通の人間=最早敵ですら無いなんて想像がつく訳がない。


「で、俺は二十歳くらいの時にインプラントして機装兵…インプラント兵となったんだ。で、話を戻すけどインプラント兵は殆ど…九割から八割九分は機械で構成されているんだ」

「…」

「流石に元々生きていた人間の九割とかを機械に置き換えるわけにはいかない…と言うかそんな事したら普通は耐えきれずに死んでしまう」

「死んじゃうの?」


ポカンとした顔で姉さんは聞いてくる。いやいや…


「姉さん…じゃあ聞くけど、生きたまま体の皮膚を全て鎧に張り替えたらどうなる?」

「死んじゃう」


即答かい。


「ま、そう言う事」

「成る程…」

「それを防ぐ為にクローンを製造してそのクローンをベースに制作するんだ。で、話をもう一度戻すけど姉さんの義体の兵装はこの世界にはない技術で作られている。姉さんの兵装は超長距離援護及び中距離短距離戦補助型だ」

「長い」


ざっくり来るね。


「まぁその辺はそこら辺に放っておいて…噛み砕いて言うと超長距離からの精密連続射撃特化型って事…んーと、例えるなら物凄い遠くから狙い撃てる弓師みたいなもんかな」

「距離はどれほど?」

「少なくとも二万キロ」

「…はい?」

「だから適当に狙っても二万キロは精密に敵に命中させる事が可能って事」


正直、ガルボ・ブラヴィ重工の『カメ』の超長距離射撃特化型はうざかった。なんせ今言った姉さんと同じ兵装だからこっちは見つからない様に光学迷彩に超高度輸送機からの奇襲を仕掛けないとまず全滅させられてたからな。


『カメ』ってのはアダ名で本来の名前は量産型超長距離狙撃兵装部隊だ。


人間だが、インプラント兵の兵装を纏っているからまずは人間と思ったら負ける。


ただ、中身が人間なだけあって反応速度はその兵装に頼りっきりなので、フレア等で撹乱すれば比較的簡単に殲滅が可能だ。


「もう一つの中距離短距離戦補助型ってのは中距離短距離でもある程度戦えますよって事」

「ざっくりしてるわね」

「詳しく言っても分からないでしょ?姉さん」

「まぁね」


一通り説明を終えた俺は荷物をまとめた。勿論姉さんも。


「アイン」

「ん?」

「次はどこに行くの?」

「王都に行って仕事を始めるよ…嘗ての俺のやっていた仕事、民間軍事会社をね」


俺はそう言って姉さんに振り向きながら笑いかけた。

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