惨敗
千晶が来たから安心!
そんなあなたへ
火花を散らしてぶつかり合う刃物。
男と千晶の闘いは熾烈さを極めていた。
男の刀を2本のナイフで防ぎ、追撃の突きを体で流す。
目にも止まらぬ速さで斬りかかると、千晶はそれに負けじとすべての剣撃を弾き返す。男が攻撃にフェイントを入れても無駄に引っ掛かるようなことはせず、斬りかかる。
何度も廊下を右往左往しながらぶつかり合う2人の殺気は建物中に充満していく。
男の振り下ろした刀を、ナイフを交差させるようにして受け止める。男もかなりの力を込めてるのか、両手で刀の柄を握っていた。
「パンドラだけでなく、これほどの力……」
『…………』
「何者だ?ただの雇われとは思えないが」
答えるなんて愚行はしない。ナイフを剃らせ、体を回すようにして切り返す。
ナイフは男の胸と右腕を裂いたが、人工四肢の腕から血が出るはずもない。代わりに機械の半端な断面がむき出しになった。
千晶も既にATCで相手がフランケンシュタインだとわかっていたので驚くことはなく、バク転で後ろに飛び退く。
追撃はせず、男は千晶に尋ねかけた。
「その身のこなし…日本では身に付かない動きだな。どこだ。中国かロシアのエージェントか?」
『………』
「……図星か」
千晶は踏み込む。
跳ねて、舞って、絶え間なく斬りかかる。対甲ブレードは人工四肢も斬れるので男もそれを考慮して刀で捌くのだった。
男の動きには一切の無駄がない。千晶の変幻自在な攻撃を見極め、最低限の動きで防いでいる。
男の攻撃を防いではいるがこのままではケリがつきそうにない。
男の仲間が近くにいないとは限らない。もし加勢されたら千晶は負けてしまうだろう。
そう、互角。
両者共に接戦を繰り広げているのだ。
男が踏み込んできた。それをナイフで流しながら後ろに飛び退く。
危なかった。男の刀は的確に千晶の喉を掠めようとしていたのだ。
兄の横に着地し、千晶は昴を見下ろした。
『動ける?』
「ははは…両腕使えないから、立てても加勢難しいかも」
そんな昴の腕に千晶は注射器を突き立てた。ただの痛み止めだがやり方が乱雑だ。下手をすれば刀の傷より痕が残るかもしれない。
『働いて』
oh、マイシスター……
「わかったよ。すぐ済ませる」
昴はいそいそと止血作業を始めた。
距離を詰めようと男が迫ってくる。このままでは昴を巻き込みかねないので千晶は兄から離れるようにしてそれを迎え撃つ。
『10秒で終わらせて』
男の攻撃を防ぎながら千晶は命じた。
「えー……もう10秒もらえないかな」
『やだ』
「じゃないと無理だよ」
刀と2本のナイフがぶつかり、鍔迫り合いになる。千晶はやれやれと息を吐き出した。
余裕があるように見せているが、その実は彼女も内心で冷や汗を流している。
兄からの援護は期待できない。それでいて相手の攻撃はさっきから自分に直撃しそうな状態。
(パンドラは使いたくないし……)
始末できるならこの場で男を仕留めたかったが昴がまともに闘えない以上、相手が仲間を呼ぶ可能性を考慮したらこちらが不利である。
ならば昴を連れて脱出し、次のチャンスを窺う方が良いだろう。
作戦の適切な切り替えも、戦場での生死を左右するのを千晶はよく知っている。
(なら……)
「っ?!!」
男がここで乱れを見せる。千晶の攻撃の手数が更に増えたのだ。
先端にメリケンサックのような輪をくくりつけた腰のワイヤー。攻撃のテンポも自然と変わる。ナイフを捌けばあらぬ方向からワイヤーが襲いかかってきて、それを凌げば直後にまたナイフ……
(なんだこの動きは……!!)
この変化には驚いたらしい。さっきまで千晶と同調していた呼吸は乱れ、彼から攻撃をしかけるタイミングが大幅に削られてしまったのだ。
肩に包帯をがっちりと縛り付けながらも昴の目は千晶の動きに見とれていた。
手品のように繰り出される攻撃の数々。時に空を飛び、回り、隙をついて攻撃。
その舞は確実に男のリズムを奪い、押し込んでゆく。
昴にチラリと目をやり、千晶は男を窓辺に追い込む。
2本のナイフを交差させるように押し付ける。それを刀で防ぎながら男は窓に背を付けていた。
「わからないな。なぜ最初から今のを使わなかった?」
『……聞きたいことがある』
「簡単に答えるとでも?」
『思わない』
「だろうな……まさかただの時間稼ぎか?」
男は離れた昴に目をやり、ニヤリと笑った。
やけに鋭い奴だ。千晶は少しだけ間を置いた後、足のローラーをフル稼働させて男から離れようとする。
昴の止血の時間は稼いだ。あとはもう逃げるだけだ。
だが突如、体を表現しがたい何かが覆い被さるような感覚が襲ってきた。
『……!!』
体が動かせない。男にどこかを掴まれてるわけでもないのに。
男の笑みが更に広がる。
「やはりお互い、時間稼ぎが狙いだったようだな」
『……?!!』
悪寒は身体中に広がり、手足からは力が抜けようとする。
男になにかをされたわけでもないと言うのに、この現象をあたかも予想していたかのように男は笑っていた。
心臓を掴まれるような不快感。
この感覚には覚えがある。
シチュエーションはまったく違うが、飛行機からパラシュートで降下するときに感じる重圧。身体の内側から悲鳴をあげるこの感覚は
『!!』
心臓が激しくもがこうとする。いつもの危機察知や本能がなにかを告げているわけではない。
身体が何かしらの攻撃を受けているのだ。
息が出来ない。手足も動かせない。
不快感は確実に千晶の体を蝕んでゆく。
震える手足を必死に動かそうと足掻く千晶を振り払い、男は刀を振り上げた。顔面の装甲は容易く切られ、血飛沫が窓まで飛び散る。千晶はその場に膝から落ちた。
血が、崩れる千晶の動きがスローモーションで昴の目に映る。
狂犬が敗けた………
「何を……してくれるんだ貴様ぁああああっっ!!」
止血してなんとか動かせるようになった手で拳銃を握り、男に向かって乱射する。弾丸が窓を崩し、一瞬だが男の注意が削がれた。
妹の安否が知りたくて昴は駆け寄ろうとする。男は昴の姿に目をやり刀を構え直す。
だが男の脇を疾風が通り抜けた。
「?!!」
「?!」
倒れた千晶が起き上がり、昴に向かって駆け出したのだ。これは男も予想外だったらしく、反応する前に千晶は昴を担いでその場を離れようとする。
「逃がすか…っ!!」
(ATCに着いてくる……やはり足も人工四肢を!!)
昴の肩を砕いた時点で予想はしていた。
だがいくらATCとはいえ負傷している上に昴を抱えたままの千晶では距離を離すことができない。建物から抜け出しても追い付かれてしまうだろう。
「千晶!」
『………』
昴の言いたいことはわかっている。
僕を置いて逃げろ。多分こう言ってくるはずだ。
だが簡単に見捨てるなら、最初からこうやって来ない。
血で見えなくなってくる視界。朦朧とし始める意識。
刀は骨まで届かなかったものの、額をざっくりと斬られてしまった。
(ティーナ!)
相棒が千晶に訴えかける。
(手段を選んでる場合じゃないよ!!)
『……わかってるよ』
昴を抱える腕に力を込める。
「……千晶?」
『………昴兄ぃ。歯ぁ喰いしばって』
――認証・確認――
――承認・完了――
――セカンドセーフティ・解除――
ぼやける世界の中で千晶は兄に言い聞かせる。
『じゃないと……舌。噛むよ』
――オールコネクト――
――白夜・パンドラ起動――
瞬間、紅い光を纏った白夜の出力がさらに上がる。抱えられていた昴はジェットコースターによく似た風圧に息を詰まらせそうになる。
白夜は瞬く間にビルの窓を突き破り、男の眼にも止まらぬ速さで流星のごとく駆けていった。
「千晶!」「千晶ちゃん!!」
将斗と紫音が病室に駆け込むと、額を包帯でぐるぐる巻きにされている千晶と、彼女が横たわるベッドの脇で、肩から肘にかけて固定されている昴の姿が飛び込んだ。
「……ああ」
昴の声は覇気がなく、今にも消え入りそうに思えた。
自信なんて微塵もなく、ジョークを言う余裕なんてないと言わんばかりにその表情は暗くなっている。
「何があったんだ……」
将斗が小さな声で尋ねるも、昴は答えようとしない。俯いて歯を鳴らすだけだ。そこへ天田がやってくる。
「………どうやら、かなりの手練れが相手だったようだな」
「……ジジイ……」
「……天田さん……」
「………だが解せないな……昴。なぜこうなった」
「…………」
未だに昴は答えようとしない。先に痺れを切らしたのは将斗だった。
「おい……!!」
「………将斗。お前はこの任務に編成されてない」
兄に掴みかかろうとする将斗をたしなめる天田。その口調は冷徹であった。
「………お前は口を挟むな」
「だがジジイ…!」
「2度は言わん」
冷水を浴びせられたような錯覚を与える物言いに、その場にいた皆が身震いをする。
余計な口出しはもうないだろうと判断し、天田は問いかける。
「………じゃあ聞き方を変えるぞ。昴。お前は本来の調査対象とは別に、既に調査を終えた企業を調べていた。
………なぜだ」
まるで叱られた子供のようにばつの悪い顔をして、昴は皆を見た。
さすがに黙秘を続けるわけにはいかないと踏んだのか、掠れた声でポツリと
「……見落としているものがあると思ったんだ」
そうして起きたことをありのままに話し始めた。
既に調査を終えた企業を調べ、敵の手口に気づいたこと。
逆探知ソフトで相手を突き止めようとしたが失敗。相手に移動の時間を与えてしまったこと。
千晶から連絡があり、財閥の諜報部に裏切り者がいると推理したものの直後に襲撃を受けたこと。
相手がかなりの手練れな上に千晶は謎の異変を見せて2人揃って殺されかけたこと。
千晶がパンドラを使ったおかげでどうにかその場を逃れ、待機していた五木・山縣に運んでもらったこと。
昴の話を聞いて天田は無表情のまま、将斗は顔を険しくし、紫音は息を飲む。
「………成る程な。さっき、九家から頼んだ覚えのない調査報告が送られてきたが……お前か千晶だったのか」
「……報告結果を聞いてもいいですか」
「………それより昴………今日、お前は手がかりを得る可能性を見つけたというのに千晶を休ませていた……
調査員が殺された件もあるのに、なぜ一人で?」
昴の身体がわずかに震えた。それを天田は見逃さない。
「………まさか、何か別の目的があったのではないか?」
将斗と紫音が不安そうに視線を向けてくる。今の昴にはそれが何よりも痛かった。
紫音に良いところを見せたいがあまりに欲に溺れ、美味しい思いをしようとしたばかりに。
もし千晶を連れて冷静に装備も充実させていたら状況はまた違っただろう。
口を開くことが出来ないでいる昴に、なにかを察したのか天田は話題を変えた。
「………まあそれは後で聞こう。
………それよりお前達を襲った奴は、保有者だったのか?」
「え……?」
昴だけでない。将斗と紫音も声をあげていた。
「………検査したら千晶の身体中、あちこちに裂傷が見られた。
………心臓も相当やられててな。額の傷よりもこっちの方が重かったみたいだ」
「裂傷?」
紫音は千晶の腕を見る。しかし表立った傷は見られない。
「………やられたのはあくまで内側だ。まるで体内だけ鎌鼬にやられたかのようにズタズタにされていた」
「内側………」
昴はあのとき、動きを鈍らせた千晶の姿を思い出していた。
白夜の装甲にはなにも損傷は見られなかった。あのとき、内部だけに何かしらの攻撃を受けていたのだとしたら。
「装甲も皮膚も通り抜け、なおかつ身体の中を裂く能力……保有者かパンドラってことか?」
「………だが昴達は相手がパンドラを使っているのは見ていない。しかも相手は人工四肢に固められたフランケンシュタインだったのだろう?」
「……ええ。間違いない。奴は『時間稼ぎ』とも言っていた」
「時間稼ぎ……か」
天田は小さく唸った。
「………かなり厄介だな……昴と千晶が動けない今、下手に藪をつつくわけにもいかない」
あくまで将斗と紫音は使わない方針らしい。家族がこうしてやられたというのに何もさせてもらえない対応に将斗は怒りを露にした。
「なんだよ……俺を忘れたとか言い始める気かよ」
「………忘れてなんかない。だが千晶と昴をを苦戦させたやつをお前が殺せるとでも?」
「だとしても!」
「………将斗。近頃のお前は呼吸が乱れすぎだ」
痛いところを突かれたような気がして、将斗は言葉につまる。
「………普段のお前ならそうはいかないかもしれないだろう……
だが九家と会ってからのお前には迷いばかりが目立つ。そんな状態で返り討ちにあわないと、どう説明できる」
「……それは……」
「……もういいよ、将斗」
なおも突っかかろうとする弟を、昴が止めた。
「多分僕らは回復するまで待機だ。それまで調査は財閥が行うだろう。
既に方針は決まっているのでは?」
天田はタバコを取り出し、含みのある笑みを浮かべた。
「………やっぱり察しがいいな。さっきまでとは大違いだ。
自分の独りよがりで家族を死なせかけて目が覚めたか?」
昴の目付きが鋭くなる。
「ええ。ですが察しがいいのはそちらのようですね」
「………もう帰って休め」
声はいつもの、厳しくも優しいものに戻っていた。
千晶に不安げに目をやってから3人は渋々とその場を後にする。
病室だというのに煙草をふかし、天田は千晶を見下ろした。
ナノマシンによる治療は行ったが今回はかなりの負傷だ。身体に定着して完治するまで3日はかかるだろう。昴は明後日にも動かせるかもしれないが……狂犬の損失はかなりの痛手である。
「………お前が頼んでいた調査結果だ」
眠りにつく千晶へ独り言のように天田は語りかける。
「………財閥には確かに諜報部がある。それは九家の1つ、白鷺家が統括している。
………確かにあの部なら我々の目を欺くことは可能だ。だが証拠も裏切り者の目星もついてない………
………諜報部の人物のリストは送られてきたが……それはお前が目覚めてからにしよう」
千晶は答えるはずもなく、ただ口に当てられた酸素マスクに息を吐き出すだけだった。
家に帰ってからというものの、昴と将斗の空気はおかしい。
当然だ。将斗は昴に確認したいことがあるのだから。
「なんで1人でやろうとした。千晶だって昨日はマキシムを伴ったんだろう」
なぜ千晶がああなるまで独断で動いたのか。将斗は兄にそれを問いかける。
「千晶を最初から連れていたら……こんな事態は起きなかったんじゃないのかよ」
「………」
昴はまた黙りになった。紫音が2階に行ったことを確認してから将斗は昴の胸ぐらを掴む。
静かに、だが荒々しく。
将斗はその怒りを爆発させていた。
「答えろよ……!!」
「…………」
「千晶が死にかけたんだぞ?なんで黙ってるんだよ……!!」
今の将斗の目には見覚えがあった。
師匠を失って以来、MI6の仲間が昴に向けるようになった憎しみの目。
身内を危険にさらしたモノへの侮蔑。
かつてはそれが自身への罰なのだと思い、心地よささえ感じていた。
だが今は違う。
今は…………この苛立ちを隠せそうにない。
「やめてくれないか」
「……?!」
「千晶が傷ついて僕が落ち込んでないと思っているのか……?」
自分でも驚くほど冷たい声だった。
間近で将斗が表情を強張らせる。
だが止めることは出来なかった。
あんな紫音の泣き顔なんて見たくない。だから思わず告白までしていた。
将斗と違うところを見てほしい。振り向いてほしい。
紫音の視線の先にはいつも弟がいた。今もこうして迷い、任務に編成されてない将斗が。
自分の弱さを棚にあげ、こうして責めてくる将斗が……!
「僕の落ち度だ。僕が一番理解している」
「理解しているように見えねえから言ってるんだ……!」
「僕には将斗が一番理解していないようにしか思えないな」
「何をだよ…!!」
「ずっと迷って、任務からは強制的に外されている。九家をまだ信用もせずに遠くから見ているだけで文句を言う様子は……まるでただの駄々っ子だ」
昴の身体が壁に叩きつけられた。だがそれがただの感情的な動きでしかないことを昴は知っている。
「君が任務にいたところで千晶の怪我が軽くなるわけなかったろうね。むしろ悪化…死んでいたかもしれない」
「喧嘩を売ってるのか……!」
「まさか。僕は事実を言ったまでだ」
それがいかに子供っぽいことかは頭でわかってはいても、言わずにはいられなかった。
そして将斗も、その土俵に自ら乗り込んでいる。昴が怪我をしているのもあって拳が飛ぶようなことはなかったが、今にも互いが互いを攻撃しそうな勢いだ。
紫音は2階の階段からそれを聞いていた。
昴も将斗もおかしくなっている。止めるべきかで悩んでいたが、昴があんなワンマンプレイをしたのは自分が告白されてからだと彼女は察し始めていた。
もしもあの時、自分が涙を見せなかったら……昴は独断行動に走る真似をしなかったのかもしれない。そう思うと2人の間に割って入るようなことが出来なかった。
(もしかして昴さん………)
昴の真意に気付く寸前、紫音のポケットが小さく震えた。緊張感が漂う場面だっただけに紫音は飛び上がりそうになる。
見知らぬメールアドレスだ。開けるべきか躊躇していると
「話にならないな。僕はもう休むよ」
「おい…待てよ…おい!」
下では昴が切り上げる形で話は終わったらしい。少なくとも殴り合いにならずに済んだと安堵し、紫音はメールを開く。
『ユウヤだ。アドレスを知っている理由は気にしないでくれ。
ある人物が、シオンの仲間に怪しい男女2人組がいたら君を交えて話がしたいと頼まれている。もし心当たりがあればすぐに連絡を入れてもらえないだろうか。
天秤の片割れ
そう伝えれば通じる筈だと言われている』
(天秤の片割れ……?)
初めて聞く単語だ。だがそこに一種の既視感を覚えたのはなぜだろう。
(怪しい男女2人組っていえば…………)
「天秤の片割れ……わかりました。ではこれから、倉庫で待ち合わせを……ええ」
五木は 電話を切ると山縣を見た。2人の目には驚愕と感動が光となって反射している。
「天秤……やっぱり……」
「間違いないない。あの人だ」
五木は両手で顔を覆うと、その場に泣き崩れた。
「来てくれた……小夜さん……」
生き別れの母の連絡を受けた子供のように、五木は泣き続けるのだった。
おまけコーナー
千晶は昴の肩に注射器を突き立てた。
千晶「ただの痛み止め(ウオッカ)」
昴「マイシスター…血管に直にアルコール入れたら……」
千晶「痛み止め」
ユウヤからの言伝てを伝える際
紫音「あの……天秤の片割れって……厨二感満載の言伝てを……」
五木「やめて!痛いのわかってるから抉らないで!!」




