仮面舞踏会Ⅰ
仕事等で投稿が遅れてしまい、申し訳ありません。
今回は昴と紫音の関係に変化が生じます。
「なかなか大きいね。ダイヤモンドプリンセスくらいじゃないかな……」
「もともとは日本で造られた船らしいわ。プリンセスシリーズと似てもおかしくない」
小樽の港に停まる船はその巨大な体を海に浸らせていた。周辺の建物を2回り以上も超えたその姿はまるで海に浮かぶ城。高級ブランドのスーツやドレスに身を包んだ数多の人間は船に乗るまでの間チケットを片手に談笑していた。
「昴さんが私にドレスを着せた理由がわかりました………」
「そう。この船に乗るのはそういう人間ばかり。ドレスは彼らにとって基本中の基本でしかないよ」
「それは納得しましたが………」
今回の任務にあたり紫音にもドレスが与えられた。首から下げるような形、ワインレッドのドレスだ。髪にはカールをかけ、黒いロンググローブはベビードールを連想させるようなデザインである。
が
「私のスリーサイズは教えてなかったはずですよね?‼」
「当たり前だろう?今日届いたそれがサイズピッタリでよかった」
「完全に個人情報の漏洩じゃないですか‼」
ドレスを着る、と言われ、持ち合わせのドレスのない紫音が困っていたときに届けられたのがこれだ。
紫音がスリーサイズを教えた記憶はない。つまり昴自ら調査し、把握していたというわけか。
昨日、将斗と千晶が昴を海に沈めていたことと関係しているかもしれない。
ジャストフィット
「まさか。紫音ちゃんのスリーサイズに近い人のを見て、etc .etc ………推測しただけさ」
「今省いた箇所は?!」
そこ大事。いったい何をしていたのだろうか?
「それより早く乗らないと。荷物を部屋に置きたいわ」
昨日の件でつっこみはもはや不要ととらえたのか、ナタリアは追求することなく急かしてきた。確かに、今の3人の荷物には火器やら違法な機械やらが詰め込まれている。一刻も早く部屋まで運んで落ち着かせたいのだ。
しかし昴はそんなナタリアを優しく諭した。
「今急いで目立つのはよくない。ここは逆に堂々としていたほうが目立たないんだよ」
流石は一流のエージェント。胆がすわってる。
「紫音ちゃん。僕が荷物を運んでおくから、君は船内を見て回るといい」
もし非常時に船内を逃げるようなことになったとき、船内地図を見て完璧にルートを覚えられる昴達とは違う。紫音は圧倒的不利に陥るのだ。だから今のうちに大まかにでも道を覚えておくのがベストである。
荷物を押し付けることに罪悪感を覚えつつも頷き、紫音は船内の散策を始めた。
船の中は思った以上に広く、乗り物というより高級なショッピングを楽しめるデパートに近い空間となっていた。
下の階にはカジノやバー、ダンスホール等があり、上の階からデッキまではプールやゴルフ施設など、アクティブな空間となっている。
一流の人間が乗る。昴はそう例えていたが頷けてしまう。
通りすぎる人達から程度の差はあれど皆の格好には気品さが溢れ、身に付けている装飾品はすべてが高級ブランド。しかしそれらを身に付けて尚、様になっているのだから仕方がない。
きっと自分達庶民には想像もつかないような裕福な生活を謳歌している人種なのだろう。
そんなことを考えるうちにデッキに出ていた。紫音と同じようにドレスに身を包んだ人たちがグラスを手に歩いている。中にはクルーに写真を撮ってもらうカップルもいた。
かなり歩き回ったし、すこし休むのもいいかもしれない。
ふと、ドレスの裾が引かれる感触を覚えた。見ると紫音の腹くらいしかない身長の男の子が裾を引いていた。金色の髪。きちんと着こなされている子供用の正装。淡いブルーの瞳。
外人の割合が高いこの船では珍しくない。しかしなぜか瞳の周りはかすかに黒く、疲れきっているようにも見える。
「えーと………」
困った。英語か日本語が通じるといいのだが。
腰を下げて目線を合わせる。
「お父さんやお母さんは?」
「………………」
やはり日本語は通じないか。ならば今度は英語。ここは「どこから来たの?」と聞いてみる。
すると少年がなにかを言おうと口を開きかけた。その時。
「ここだったか」
中年の男性の声。
灰色のスーツに身を包んだ背の高い男だ。白髪混じりの黒髪を短く切り揃え、肩幅は広い。片眼鏡をかけており、瞳の色は緑。
どうやら保護者のようだ。
「探したぞ。黙って部屋を出るなと言っただろう」
流暢な日本語だ。少年の傍にいる紫音に合わせているのかもしれない。
「申し訳ありません。息子が迷惑を…」
「い、いえ。特に何かあったわけでも………」
慌てて立ち上がり、驚く。紫音が立ち上がってもまだ見上げてしまうほど、男性の身長は高かったのだ。190はあるかもしれない。
眉間には皺が深くほり刻まれており、心なしか目付きも鋭く見える。
「ほら、部屋に帰るんだ」
ゴツゴツした大きな手は少年の腕を掴んだ。少年は素直に従い、男の後ろについて行く。
ただの迷子だったのだろうか。そう思っていると、爪先に何かがぶつかる感触を覚えた。
小さな赤い珠を散りばめた耳飾りだ。
もしかしたら今の親子が落としたのかもしれない。幸いにもまだすぐ近くにいるし、呼び止めようとした。
――それはお姉さんが持ってて――
………え?
幼い声に呼び止められたような気がして言い留まってしまった。今の声は少年のだろうか?
しかし父親らしい男は気付いてないのかずんずんと前にすすむし、少年もこちらを振り返ってはない。
ピアスを片手に紫音はその場に立ち尽くしていた。
「………紫音ちゃん?大丈夫かい?」
昴に声をかけられ、我にかえる。少年と別れた後、客室に行って昴達と合流したのだが、頭はまだあの少年のことを考えていた。
「大丈夫です………それより………ナタリーさんは?」
「船内を見てまわってる。紫音ちゃん、ぼーっとしていたけど熱があるんじゃないかい?予定まで休んだ方が」
「本当に大丈夫です」
そう言って断りつつ、自分を心配してくれる幼馴染みを見て胸が痛くなるのを覚えた。
ナタリアは彼を信頼している。なのに殺すと言った。イギリス時代の彼は知らないが、ナタリアから聞く限りかなり冷徹であったらしい。
しかし彼弟妹、そして幼馴染みの紫音大好き人間な彼が、同僚であるナタリアの恨みを買うような冷酷なことをしたとはどうしても思えない。
「お客様。お水をお持ちしました」
扉がノックされ、開けるとボーイが入ってきた。カートには水の入った瓶とコップが3つ。
「お疲れさま、ナタリー」
昴が労いの言葉をかけるとボーイはベッドまで直進し、ドカッと腰を下ろした。上着のボタンをはずして脱ぎ捨てると、青いドレスに身を包んだナタリアの姿が現れる。
「いつ見ても鮮やかな変身術だ。流石はキャシーの弟子」
「ばかにしてるんでしょ。変装以外で貴方に勝てるところなんて私にはないのだから」
自嘲とも取れるような言い方で謙遜の意を示した後、ナタリアは報告を始めた。
「ボーイに成り済まして行ったウィルの部屋は2階上にあるわ。部屋の中はウィル1人。入ったときにみたけど、部屋に怪しいものは一切なかった。何を売る気か、さっぱりわからないわ」
「なるほど………客室にはないと見るべきか………それなら載せている車の中か、それとも品物の正体が………」
「物ではない。たとえば情報」
ナタリアの一言に昴はニヤッと笑った。
「冴えてるじゃないか」
「可能性が高そうなのを述べたまでよ。スバル、お眼鏡にはかなったかしら?」
わざとらしく両手をあげ、否定するように首をふる。
「少し見直したくらい、かな?」
「あら、残念ね」
「これ以上の深追いは必要ないよ」
「それも残念。せっかく盗聴機も仕掛けたのに」
「……足跡を残したら………」
苦虫を噛み潰したような表情だ。しかし彼の機嫌を損ねたナタリアはどこか嬉しそうである。
「もし迷惑になったなら私ごと切り捨てたら良いのよ。あの時みたいにね」
直後、昴は立ち上がりナタリアの肩を掴んでいた。息を荒げ、眼は怒りで狂いつつある。
「ナタリア………冗談でもそんなこと………‼」
このままだと勢いで殴りかねない。紫音は咄嗟に昴の背中に抱きつき、引き留めようとしていた。
「‼」
―――ノイズ混じりの世界―――
―――崩れ落ちる建物―――
―――血相を変えて駆け寄ってきたナタリア達に一言―――
「帰ろう。あのビルには死人しかいない」
「昴さん………まさか仲間を………」
見えてしまった過去に絶句してしまう。
異変に気付いた昴が息を呑んでこちらを向き、察したナタリアは追い討ちをかけるように声をあげた。
「そうよシオン。この男は私達仲間を平気で殺す。私の大切な人も………殺されたのよ」
~~~~~~
信じていた。
何でもできてスマートで欠点のない………彼は私にとってのヒーローだった。
キャシーの弟子になってからもそれは変わらない。
そのためにキャシーは彼に特別、自身の知識と技術をも叩き込んでいた。
そしてあの時………
崩壊する建物を背に彼は悠々と、滅多に吸うことのないタバコをふかしていた。
彼はタバコは好まない。なのにいつもどおりのあの笑顔。
「雑用を済ませるのに手間取ってね」
しかしあの崩壊を続ける建物の中にはまだ仲間がいる。
私が愛する人がいるのだ。
それを昴は切り捨てた。
きっぱりと、顔色ひとつかえず。
雑用と吐いて。
ヒーローなんていない。
いるのは仲間だと信じていた裏切り者。
その日、昴は私にとって越えるべき存在であり、殺すべき存在へと変貌した。
~~~~~~
沈黙しか存在しない客室のソファーで紫音は横になって休んでいた。昴とナタリアとのやり取りがいまだに頭の中で嵐のように渦巻いており寝付けない。
平気で仲間を殺す。そんな人間………
ナタリアからの発言に言い返せなくなっていた昴の姿はこれまでの、余裕ある紳士の成りを潜めていた。
見た目だけなら普段と変わりない。しかし不安や恐怖といった感情を彼はその背中で語っていた。
しばらく立ち尽くしていたその背中がゆっくりと振り返ろうとしたので慌てて目を瞑り、眠ったふりをする。
靴の音とスーツの摺れるような音が近づいてきた。耳をたてながら狸寝入りを決め込んでいると、前髪を優しく払いのける指がその額をなぞった。
温かい。
とても仲間を殺す冷酷な人間の手とは思えなかった。
薄く目を開けると、ボヤける視界のなかで優しそうに、しかし悲しそうな笑みを浮かべた昴が
「ごめん、起こしちゃったかな」
違う。普段の昴さんなら私の狸寝入りを見抜けないはずがない。
「……いえ、そんなことは……」
「ありがとう、紫音ちゃんがいなかったら………きっとナタリアに手を挙げていた」
弱々しく呟くその姿はとても辛そうで………
「………私こそごめんなさい。あんなことを言って」
記憶について言及しなければ、こんなに弱る姿を見せることはなかったはずだ。
しかし彼は首を横に振り、優しく告げる。
「ナタリアが来る時点で僕のしたことが露見される可能性はいくらでもあった。そのことを考慮しなかった僕の責任だ。君は悪くない」
そうやってすぐ人を気遣う。
自分は歳上だからと気を遣っているのかもしれないが、逆に彼が弱音を吐くのを見たことはなかったかもしれない。
今だってこうして――――
「道化師」
不意に昴が謎の単語を口にした。不思議に思って目を向ける紫音に、無表情のまま淡々と続ける。
「………MI6や他の諜報機関で使われる、僕の通り名さ」
常に笑みの仮面を被っており、素顔が見えないピエロ。
それは彼そのものを体現した名のように思えた。
「この通り名には先代がいた。MI6のエージェント。僕とナタリアはその人から様々な知識や技術を学んだ」
そしてため息混じりに、残酷な真実を告げる。それは紫音が予想していた通りだったが、直に言われるとやはりこたえるものがあった。
「僕がその名を引き継いだのは、その人を殺した後だ」
室内の時計の針がカチリと音をたてる。
その音があまりに近く、明瞭に聞こえたのはなぜだろう。
やり過ぎた。
それは実感している。
いくらなんでも彼の家族(血は繋がっていないが)にまでバラすのはよくなかった。
任務に私情を持ち込むな。
常にポーカーフェイスであれ。
そう習っているはずなのに、思わず彼を刺激する発言をしてしまった。
きっと2人きりなら彼はまだ動じなかったろう。しかしシオンというピースがそこにいたために彼の心の均衡が崩れた。
シオンのためならいくらでもキャラ変(?)するのは知っていたのに。
私情を入れ、彼を怒らせたことで任務に支障をきたしたら………
その時はその時だ。彼には自分を切り捨てさせよう。
頭ではわかってはいるが、なぜか気分はムシャクシャしていた。壁でもいい。勢いに任せて蹴り飛ばしたい衝動に駆られるが、今はボーイの変装をしているのでそれが出来なかった。一般客の姿ならばまだごまかせたろうが、乗員が粗相をしていれば周囲の視線は集まりやすい。スパイにとってそれは禁忌のひとつだった。
(まあいいわ。任務が終われば聞き出す手段が………)
シオンがいたことで彼は動揺しやすかった。つまり、彼女がいれば彼が色々吐く可能性は高いということだ。
そうすれば………
「っ……失礼しました」
通りがかった扉から客が出てきたので慌てて避け、男性の声で謝罪する。言葉を詰まらせたのは出てきた客が190はありそうな大男であったこと、連れが小柄な男性で今回のターゲット、ウィル・ハーバーであったこと。
そして嗅ぎ馴れた血の臭いを2人が纏っていたことだ。
「じゃあこのまま私はパーティーに。君はどうする?」
今のはウィルの声だ。
大男が返す。
「部屋に戻りますよ。少し使いすぎましたからね」
「商談は流れたんだ。君も仕事を気にせず楽しんでいいと思うが?」
「………じゃあ後程。メンテナンスが終わってから」
流れた商談。それと血の臭いで確信する。
商談相手は今ごろあの部屋の中で冷たくなっているのだろう。
大男の声は淡々としており、不気味にさえ思えた。
「あれも見ておかねばなりませんし」
これからの会話は、離れてしまったためにナタリアには聞き取れなかった―――
「しかし愚かな………値切るためとはいえ強行手段に走ろうとまで」
「それだけ貴方の取り扱う商品が重要なのでしょう」
「ふん、まさか。奴等はあの価値を知らない。知らないからこそ示した額に納得出来なかっただけさ………しかし君の言っていた、盗聴機については腑に落ちんな」
「確かにあの部屋からは傍受する機械はありませんでした。やはり別の………」
「………いや、どのみち商品についてはわからんさ。君も用が済んだらパーティーに来たまえ」
そう言って男2人は姿を消した。
「………僕が怖くなった?」
何も言えずにいると、昴さんは顔を覗きこむようにして尋ねてきました。
仲間を殺した冷酷な殺し屋兼スパイ。
しかし不安に満ちた瞳はまるで仔犬のように悲しそうで。
こんな不安に満ちた様子の昴を見たことはない。
いつも余裕に満ちていて、それで………
(ううん、違う………)
それらは今まで被ってきた仮面だ。
「昴さんの意外な一面が知れて嬉しかったです」
本気で驚かれた様子。キョトンとした表情には偽りがなく、そこがまた新しい顔のように思える。
昴はあまり、弱音とか諦めとか口にしない。
今みたいな不安げな質問だって………
「知ることが出来て………距離が縮んだような気がします」
長く一緒にいた将斗も、辛いときには弱音を吐いた。千晶も………弱音は吐かなくても辛いときは酒に逃げたりしてするし(未成年)、甘えてくることだってある。
だから昴の新たな表情を見ることが出来て、ようやく将斗や千晶と同じラインで見ることが出来たような気がした。
長男だからっていつも支えてくれる立場にいた昴。
きっと、弱い姿を見せてはならないと自分に言い聞かせてきたのだ。
ですがそんな強がりはいらない。
「少し不安そうな昴さんも全部引っくるめて私の大切な幼馴染みで、面白くて素敵なお兄さんで、大好きな家族です」
ずっと前に話した。
本質は変わらないと。
「だから………嫌いとか、怖いとか………そう思ってるんじゃないかって不安にならないでください。
辛くて話したくないなら良いです。話したくなったら私は………いつでも聞きます」
幼い時の自分を救ってくれた3人の幼馴染みが大好きだから。
「過去のこと、詳しくはわかりませんが私は………昴さんのこと、信じてます」
紫音は身をのりだし、そして
「私は今の昴さんを信じてますから」
重々しい沈黙の後、昴は長く息をついた。
「…参ったな、やっぱり紫音ちゃんと話すときは飾っていられない」
「………今までも十分飾っていたのでは?」
「辛口だね。でも本当さ。君の前では完璧でありたいとか………そんな邪な考えすら浮かんでしまう」
だから僕は君の前では仮面も被るし、逆に醜い自分も知ってほしい、受け入れてほしいとさえ思ってしまう。
聞き取れない程度にそう呟き、昴は紫音の体を胸に抱き寄せていた。
優しく、壊してしまわないように。
もし彼女が過って干渉したらすぐにでも離れられる程度の力で。
それでも紫音の温もりが伝わるくらいに。
紫音は突然の抱擁に驚いて肩を震わせた。緊張して鼓動が高鳴る。彼にもこの音が伝わっているのではないかと思うと恥ずかしくて逃げ出したくなるが、不思議とそこまで悪い気はしない。むしろ安らぎさえ覚えていた。
わずかに干渉の力が働いて、昴の思いが流れ込む。蛇口を開いて細く流れる水の様に。
温かく優しい感情を受け止める。
たとえその温かさが自分に向けられる熱い感情だと知らなくても。
少しの沈黙の後、昴は抱擁を解いた。
いつも通り、自信と余裕に満ちた彼の得意なポーカーフェイス。
「ありがとう、紫音ちゃん」
膝から立ち上がり、昴は白い歯を見せて笑った。
「もう大丈夫だ。さあ、行こう」
差し出された右手を受け取ると自然に体は立ち上がり、昴の傍へと寄せられた。
「パーティーは始まってるだろうしね」
彼が用意した荷物にはガラスを散りばめた仮面が入ってある。
今回のパーティーに必須の持ち物だ。
仮面を身に付け、手を取り合いながら2人はホールに繰り出す。デザインの違いはあれど同じように仮面を身に付けた人達が巨大なホールの中で踊り、ワインを取り、娯楽に興じていた。
おまけコーナー
~~昴が紫音を抱き締めている頃~~
将斗「千晶?酒を飲む手が止まってるぞ?」
千晶「………ニェート………嫌な予感がする」
将斗「は?………言われてみれば俺も、なんか悪寒が………」
千晶「つまり………」
将斗「兄貴が………」
「「セクハラを働いてる予感‼」」
~~ダンスホールへ向かいながら~~
昴「本当はもうちょっと、抱きしめていたかったんだけどね」
紫音「え?」
昴「………なんか………殺気を感じたから」
紫音「………………………」
~~一方、モルゲンでは~~
五木「リア充よおぉ!今も何処かでリア充が!リア充がぁっ‼」
山縣「?‼五木、サボるな、叫ぶな‼怖がって客が逃げて行くだろうが‼」
五木「キイイイイッ‼私のセンサーがあああっ‼」
天田「………今月もモルゲンは赤字、か………」




