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女装王子  作者: 岸野果絵
宿命
23/30

吹雪

山を少し下ると。細い山道に一人の老人がうずくまっていた。

どうやら腰を痛めたようだ。

私は老人に手を貸して立ち上がらせようとしたが、老人は苦痛に顔を歪めながらうめくだけだった。


雪はだんだんと強くなってくる。

吹雪になりそうな気配だ。


私は老人を霊獣に乗せ、家まで送り届けることにした。


老人の家は山奥の小さな集落にあった。

家には老婆と娘がいただけだった。


しかたがないので、私は老人を担ぎ、家の奥へと運んだ。

私は老人を寝かせると、老婆のお礼に適当に相槌をうちながら、玄関へと向った。


私には長居をするつもりは全くなかった。

一刻も早く、南へと向かうつもりだった。


私は玄関の扉を開けた。

うなりと共に雪風がなだれ込んできた。

視界が一瞬のうちに真っ白になる。

猛吹雪だ。

私は慌てて、ありったけの力を込めて扉を閉めた。


ふと足元をみると、霊獣は私に尻を向け伏せていた。

霊獣も外に出る気はないようだった。

無理もない。

いくら霊獣といえども、この猛吹雪の中を移動するのは困難だ。


私は老婆と娘の勧めにしたがい、吹雪が落ち着くまで、その家に留まることにした。


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