表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
女装王子  作者: 岸野果絵
女装王子
1/30

苦悩

私は夢の中で国王の息子だった。

 私の母は先王の娘で、父はいわゆる婿養子だった。父には母以外にも妻が数人いた。まぁ、それは特別なことではなく、当たり前の風習だった。

 父の第一子であり、先王の娘の子供だった私は、生まれたときから次の国王になると決められていた。だが、私は生来小柄で線が細く、武芸は得意ではなかった。かといって、勉学の方もいまいちパッとしない。私は何の取り柄もない凡人だった。

 私には半年違いの異母弟がいた。弟は体格もよく、武芸に秀でていた。

 私は弟と直接手合わせしたことはない。手合わせしたら確実に負けるので、周囲が手合わせを勧めないということに、私は気づいていた。が、私は争いごとを好まなかったし、悔しいとも思わないくらいの実力差を感じていた。

 弟は物覚えもよく勉学でも私は勝てなかった。

 弟は私を不思議なくらい兄としてたて、慕ってくれていた。

 容姿、知能、体力、そして器量。私は全てにおいて弟に劣っていた。

 そんな私を不甲斐なく思うらしく、父をはじめ重臣たちはことあるごとに私に発破をかけた。私はそんな日常にうんざりしていた。


 父の跡は弟が継ぐべきなのだ。なぜ私は生まれてきてしまったのだろうか

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ