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学部対抗バスケ大会

なし

大きな食堂だ、まあ一種の学食か

バイキング形式。すごい人。あの中に入るのはつらい

窓辺の席で待つことをどんぐりに告げる

どんぐりは腹が減ってたまらないのか

さっさと躊躇せず進む

人を見るだけで疲れる

まわりを観察する。手詰まりで煙草が吸いたいところだが

もちろん灰皿などはない。館内は禁煙。

窓の外の暗闇をみる。真の闇。暗い

背の低い、薄暗い街灯に照らされて植え込みが見える

よく手入れされている

作られている世界、そしてそこに群がる人々

そこからはずれるのは簡単そうだ

どんぐりを探そうとしたが、もちろん見あたらない

このままいなくなってもいいかなという考えがよぎる。

それにしてもあの人だかりに突進していく

どんぐりの勇氣、尊敬に値する

ぼんやりどんぐりの姿を探していれば、

テーブル7つくらい向こうにあの湖畔の女性がいた

一人かと思いきや

ちゃきちゃきした小柄な少女??が立ち回っている

かいがいしい

あたりまえだが、こちらには氣付いていない

それがいい、それがいい

氣づかれるはずはないのに、なぜか安堵。

どんぐりが戻ってきた。おぼんにたくさんのおかずを載せている

ちゃんと私の事を忘れずにこちらに来る律儀だ。

少しでも彼を見捨てようとしたことをあやまらなけばならない。

近づいてきて、どんぐりいきなり山盛りポテトを私に寄越す。

ケチャップのスティックもつけ。

まだ距離感がわからないのだろう。

俺は取るのが好きだとかなんとか言って、これも食えと言って

ケンタッキーのような若鶏もも肉もずらしてくる

悪い奴ではなさそうだ

どんぐりはたんたんと食べて、また戻っていく

食事と真剣に向き合っている

私は一つか二つポテトに手をつけ

それでなんだかお腹がいっぱいになった

しかし、どんぐりの氣持ちよく食べるのを見ると

こちらまで十分な感じだ

どんぐり今度はデザートを持ってきた

コーヒーだけ遠慮無くいただく

人の出入りがあわただしい

うちらから4,5テーブル向こうの中央の通路を

黄色い歓声をあげて通っていくグループの多いこと。

この後、ミーティングという名の顔合わせが体育館であるらしい

文学部全体で顔合わせとは何人になるのだろうか

連なるバスの車列からも100は軽くいるだろう

どんぐりが言うには、全学部は無理なので

いくつかの学部ごとに時期をずらして合宿するらしい

文学部、教育学部がうちらのチームらしい

というか、学生課みつこ俺にそれを言えよ

あんなにバスに乗って2学部とは何が少子化だ。

うちの大学のブランド恐るべし

どんぐりは続けて、うちの大学の学部名、工学部、経済学部なんたらかんたらと

学部を教えてくれたが、ずいぶんある。

試験の時は自分がいける学部でしかとらえてないので

改めて知った感じだ。

そして、学部につけるわけのわからん長い名前。

結局どういう学部なのかよけいわかりづらい。

純粋に研究したい。っていうかおまえが言うか

とひとりつっこみ。それも頭の中で。

デザートのケーキを食べるどんぐりをみながら

そういう私も何を基準にこの大学を

選んだのか今さらながら意味不明。

へたな鉄砲も数うちゃ当たるか

人生そんなに甘くないと、進路指導Tはしみじみ言っていたが

それこそ沖縄でめんそーれか、北海道の北のはじか

そこまで考えればなんとか口もあったらしいが

それとて昨今の夢見がちな学生によってどんどん

浸食されはじめているらしい

しかしよくまあ都会にひっかかった

それより体育館でどうするのだろう。

学部対抗バスケ大会でもするのか、(きっぱり)あり得ない。

もちろんここまで、頭の中で。


なし

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