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夜のテラス

なし

オハラはワイン飲んでる、飲んでる姿にびっくり、そして、こちらも様になるねえ

グラスの持ち方が素敵です

「ワインは社交で、フランスでは普通です」社交って何

どんぐり、「パーティ」泣きながら言うなよ

私は飲んだことないけどおいしいのか、思わず何、飲んでるの?

どんぐり、泣いてるわりには素早くボトルを持ってくる、ラベルを見てみる

ハートのマークが素敵だね、中にお城が描いてある洒落たワインがある

はじめてみた

オハラは、なんかのお祝いで飲んだことがあるらしい家でも普通に飲むことがあったそうだ

どんぐり7千円から1万円かぼそっと言う、えっ。ワイン1本に1万円。

誰よ、こんなの持ってきたの。というかどんぐりワインをよく知ってるわ。

なかなかメジャーなワインらしい

さらに続けて、どんぐりワインのグラスを私にかざして、これが天使の足

ワインをグラスで軽く振った時できるワインの跡

それがおいしいワインとのこと。ホントにうんちくをよく知ってる

貧乏くさいが試しに一口もらう

オハラのグラスで飲ませてもらう

どうぞ、高いと聞いたからかおいしいのかと思ったが、しぶいコルクの匂いもする

どんぐりに言わせれば、それがおいしいらしい

私がすごい渋い顔をしているのでオハラ上品に笑う

はっちゃき、ドンと私の背中をたたいて大笑い、笑いすぎです。

はっちゃき、つぼにはまったか

しかしながら、はっちゃき、顔に全く酔いがでていない、どころかますます元氣になっている

まあ元氣になる、みんなが明るいのはよいことか

だんだん会場がざわついてきた

ふと見ると非常口か扉があって、外に出れるようだ

そちらに向かいぎぎっと押して外にでる

すうっと冷たい夜氣にあたる、高原なのでさすがに夜は肌寒い

さっきのワインが効いたか酔ったようだ

外気は寒いが酔いはさめそうだ

見れば山は静かだ、だが存在感を持っている

暗闇の中、そこに、山を感じる深い黒

夜目が慣れてきたのか、まわりの木立も見える、遠くでけものの声がする

森は寝静まっている

硝子の向こうはにぎやか、そして、少し硝子も曇ってきている。4月なのに冷え込みがある。


誰かがこちらにやってくる氣配。シルエットがこちらに来る、ああオハラか

「ワイン大丈夫ですか」私ががめつく勝手に飲んだのにオハラは親切だ

その会話の後、しばし二人で黙る

あんまし、こういうシチュエーションは経験がない、なんだか困る、どうしたもんか

オハラ、突然私に「私、元氣になります」

にっこりとこちらを向いて言う。暗くて顔がよく見えないが笑顔がまぶしい

つい目線をそらす

でもそれを聞いて思った、そうだ新しい生活だ。

改めて、入学前から自分はうじうじと何をやっていたのだと後悔する。

恥ずかしい。本当に恥ずかしい。穴があったらはいりたいとはこんな氣持ちか。

なんと言っていいかわからないけど無理矢理「俺も元氣になる」とぼそっと言ってから

手でメガホンを作って「元氣になるぞおお」と叫ぶ

突然、大きな声を出したので、オハラびっくり。でも思いっきり笑う。心の底から笑っているようだ。

よかった、この笑顔が彼女には今まであったのだろうか。

私の叫びがあまりにも大きなこだまで木から鳥が羽ばたいていった。

宴はまだまだ続いているが、こうして3日間の合宿は幕を閉じた





大変もうしわけないですが、風のグラスゴー1~4部を再編成して

お送りしました。

この後は、風のグラスゴー第5部。風のグラスゴー風雲編と続きます。

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