動揺する心 その2
「え、あ・・・」
殿下だった。
思わず凝視してつぶやく。
シンプルな半そでに、意外と似合うチェックのガウン。
なにを着飾りたかったのかわからないカウボーイ風の帽子。
そしてダメージジーンズ。いい靴音が鳴るブーツ。
殿下という身分ではありえない
庶民的な服装のような気がして、----焦った。
私もそこまで高い服を着てたわけではない。
それでも彼がこんな服を着てくるとは思わなかった。
まるで私に合わせてくれたみたいな・・。
そこまで考えて それはありえない と心の中で首を振る。
「ん?どうした??俺をじっとみて」
「あ、・・っごめんなさい」
カツカツ・・と、足音を立てて
怪訝な瞳が自分を覗き込んできて、それを認識したとたん反射的に謝る。
なぜ謝ったか自分でも分からず狼狽した。
「・・あ、わかったぞ。
さては俺に見惚れてたんだろ?」
ポンッと手を打ち、なにがわかったのか、
彼が自分を指差してナルシスト発言を私に落とす。
なんだか口調が彼らしくない・・
そして浮かれ気味・・?
「!」
いつものようにしれっと返せない自分が情けない。
ただ、彼の言った意味とは違う意味で、
動揺してビクリと肩を揺らすことしかできなかった。
図星だと、思われたかもしれない。
見惚れてたわけじゃない、だってあんな格好・・・。
「あたり?」
「!--ちが」
期待に満ちた瞳で聞かれ、反論しようとしたとこをーー
「そうかそうか-^こういう服にして正解だったな」
勝手に頷いて、本気で安堵してしまう。
何も言ってないのに、そう頷かれるとなんだか罪悪感を感じる。
「・・私は、ただ、びっくり、しただけ」
だから、なんとか言い返した。
なんだろう、緊張する。声がわずかに硬かった。
「びっくり、ね?俺がこういう服を着ないとでも思ったのか??」
機嫌よさげな表情で問いただす彼。
口調はいつのまにか戻っていた。
「・・・」
それは完全に図星で何もいえなかった。
だって、自分のこと誇ってるし自意識過剰だし、傲慢だし・・。
そんな高飛車な彼が・・一番苦手としそうな服を着てるんだもの。
びっくりもする。
そう私は自己完結した。
「図星か?」
「」
「」
「ーーまあ、別にこれも悪くないだろ?
リュナも、似合ってるしな」
黙り込んでしまった私を不安に思ったのか
相手を伺うような声色で言い聞かせるようにつぶやく。
最後は自分に向けられた言葉だった。
「!?」
ストレートなそのほめ言葉に驚愕して顔を上げる。
すると、バツが悪そうな顔で自分の言葉に照れたように
目を泳がせていた。
「わた、しが?似合う?」
気がついたらそう言葉にしていた。
心の中でとどめるはずのものだったものがーーー。
後悔しても遅かった。
「ああ。似合うさ」
そうコクリとはっきり頷かれて、彼の視線が私を拘束するように覆った。
緩やかにたゆたう赤い髪は結わずに、横流しにされた髪を一束編みこまれ、
赤い髪に合うオレンジ色のワンピース。
すそには夏らしい花の刺繍が施されていてアクセントになっていた。
そんな私服をじっとみつめられて、顔を赤くせずにはいられない。
なんで、そんなこというのよーっ ーーーー緊張、してるのにっっ
「!・・え、あ、ぅん、ありがとぅ」
とりあえず御礼をいわないと・・とそう思い言ったが
動揺しすぎてたどたどしい、ありがとう だった。
緊張しております、緊張しておりますw
初デートってやっぱこんな感じなのかな?
デートしたことない暦=年齢
な自分にはわからないけどw
これはこれでみてるとおもろいからいいやーw