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看病

リュネ視点です

ズキーーッ!


頭にひどい頭痛が襲った。


「ぅ・・ん”」


頭痛により、意識が覚醒し、

目をぱっと見開けた。


視界は光をいっせいに受けたように真っ白だった。


「リュネ・・?大丈夫か??」


私を覗き込みながらそう心配する人が徐々に見えてくる。


「・・で、んかーー?」


そのシルエットに自分の直感を言葉に表すと・・


「あぁ。俺だ・・。

リュネ、もう三日も意識がなかったんだぞ?

ほんとにもう・・むりはしないでくれ」


半身を起き上がらせようとする私を、

優しく寝かせようと殿下は私を抱きこむ。


片手には薬のような錠剤を持っていた。


近くには水差しがある。


装飾はないが狭くもないシンプルな部屋だった。


なんでわたしが、・・ここに?


ぼんやりと彼に身体を預けながらかんがえる。


ズキッ


まだ、頭が痛い。

そう深くは考えることができなかった。


けれど、身に覚えのないことは確かだ。


どこまで覚えているかといえば・・--


「・・リュネ?」


ずっと黙り込んでいる私に彼が不安そうにのぞきこんできた。


「でん、か・・。

わたし、はーー」


痛む頭に顔をしかめながら彼を見上げた。

彼はなぜわたしを・・

彼に、聞きたかった。


三日も意識がなかった


という言葉に私は引っかかっていたのだ。


三日前、なにがあって、ここにいるか

わからないのだから。


おそらくは、彼に見つかってもう意識はなかったからだと

思うのだけど・・


「ん?どうした?」


いつも以上にやさしく、それでいて異常なくらい彼は

私を壊れ物のように扱いながら聞いてきた。


「・・な、ぜ、ここ、に」


わたしはなぜここにいるの


痛む頭、霞む思考、鉛のように重だるい体。


それらが過去を思い出させてくれない。


なぜこうも彼は優しくなったのだろうか?

もっと・・かれはもっと、いじわるで傲慢で強引で

人の気も知らないで自分勝手で・・それなのに。


それらを取り払ったように、やさ、しく・・なった。

私を穏やかで心配そうな気遣う瞳を、するようになった。


「リュネ・・、覚えてないのか?

廊下で俺を見つけたとき、お前が逃げて・・

俺が捕まえたときには熱があって、--それで

倒れたんだぞ?」


ふと淋しげに辛そうに彼がそう説明してくれた。


「・・たお、れたーー・・」


ぽつりとつぶやき、無理やり考える。

三日前、私は、彼と・・あって、いる?


「そうだ。・・じゃあ、もう

そこからいままで、意識はないんだな?」


彼は眉をひそめて頷き、問いかける。

まるでその後もなにかあったような言い草だ。


「・・・ぅん・・たぶん・・・」


彼の秘めた言い方に何か引っかかるものの、

それがなんなのか、今は思い出せない。


「・・そうか。

リュネ、まだ顔色が悪い。

回復しきれていないんだ。

もう、寝てくれ」


名残惜しそうに彼は私を寝かせる。


「・・で、んか」


まだ、聞きたいことが・・


「解熱剤。

飲ませてやるから、

飲んで、早く元気になってくれ」


彼は悲しげに笑って、錠剤を口に放り込むと、

私に口付けた。


端整な殿下の顔がすぐ目の前だ。


「ん・・んぅっ」


抵抗なく、硬く小さい玉が、中に入ってくる。


ふと、彼は唇を離し、

それも一瞬で、次は水を含んで、同じように口付ける。


彼の舌と水が入り込んで、私は飲み込むしかなかった。


「ん・・っ」


ゴクリとのどがなる。


口内は甘いような痺れを感じて

再び、頭がぼんやりとしてきた。


熱が冷めるような感覚がどこかでするのに、

ふたたび熱くなるようなそんな感覚がした。


「はやく、よくなってくれ、リュネ」


再び、彼に口付けられる。


「んぅ・・んんっ」


隙間なく埋められた唇。

甘い吐息が思わずもれてしまう。


彼の優しさがそこからもにじみ出てくるかのような

甘くまろやかな口付けだった。


それに導かれるように私は目を閉じた。



熱のせいでおもいだせないリュネww

ぼんやりしてるリュネを口実に

口付ける殿下ww


「な・・っ」


作者の言葉に殿下は意表をつかれたような顔をした。


「・・?」


リュネは熱に浮かされた顔で首をかしげる。


「お、おれはっ

けして、そんなんじゃ・・っっ」


あたふたする殿下。

でも理由になってないww


図星の証拠

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