第6話 飴と鞭。(鞭)
「いいなーお姉様、私も殿下とお茶会したい!」
休日の朝から、ジュリエンヌは寝言を言っている。いや、待て…。
「そうでしょう?とてもおいしいお茶が出されるのよ。王城のパティシエの美味しいお菓子も。」
「えーずるーい!」
「中庭も素晴らしくてね。バラ園なんか今が満開よ。綺麗なの。」
「へーー。いいなあお姉様。ねえねえ、私も誘ってくれるように言ってみてよ!」
「まあ、ジュリエンヌは王城でのお茶会に行きたいの?」
「うん。行きたい行きたい!!」
「そう…じゃあ、誘って下さるようにお伝えするわ。」
「ありがとう!お姉様!!嬉しい!!」
「その代わり…そんな言葉使いじゃダメね。きちんと練習しましょう。」
「はい!」
この子は…自分の目的のためなら努力する。負けず嫌いだし。
その日から、ジュリエンヌに、言葉使い、歩き方から始まって、椅子の座り方、茶器の扱い方…ありとあらゆる礼儀作法を仕込む。
「まあ、ジュリエンヌ、上手よ!殿下も驚かれるわね!」
そう褒めると、妹のやる気に火が付くらしい。
今までいやいややってきたことだが、基礎が全くないわけではないのでいい感じに進む。このところ夜はこうしてレッスンをしているので、そうしたかったら昼間に執事長と執務の勉強は進めておくように言ってある。
「殿下に何か聞かれたとき、何も答えられなかったら、バカだと思われるわよ?」
そう言ったら、素直に勉強しているらしい。
「ねえ、お姉様?お茶会まだ?」
「ジュリエンヌ?」
「あ…お姉様、お茶会に呼んでいただけるのを楽しみにしておりますわ。」
さて、そろそろ飴をあげようかしら?