第3話 王子とお茶会。
「お前さ、」
中庭に用意されたお茶用のテーブルセット。椅子に腰かけ、足を組んでつまらなそうにこの国の第一王子のアンドレ様が私に声をかける。
…お前、かよ?一応正式に婚約者になったはずだけどね。
「なんでございましょう?」
あーお茶は最高級品。お菓子も美味しい。お天気も良くて、早咲きのバラもいい匂い…。なのに、そんな顔して、お前、かよ?
こんないいお天気だとも知らずに、カーテンも開けないでリオネルはドライバーと仲良くやってるんだろうなあ…。チッ。
「お前、もう少し愛想よくできないのか?」
「媚びを売れ、ってことでございますか?そうですね…今日もいいお天気ですね。」
「…愛想無いし、かわいげないし、ドレスも地味だし…せめて控えめならまだしも、俺の執務までこなすし…自慢か?」
「…あまりにも滞っていて、事務官の皆様が困っていらっしゃったので。私に出来るところを手伝ったまでですけど?さすがに王子印とかまでは手を出しておりませんので、ご心配なく。」
「は?なにそれ?まるで俺が仕事できないみたいじゃん。俺はな、今、やる気が出ないだけだ。」
「そうでございましょう。昨晩もお帰りが遅かったようで。寝不足ですか?」
「は?お前は…俺の嫁になったつもりか?」
「殿下の侍従に報告を受けました。私は不本意ながら、殿下の嫁になる予定でございますが?なにか?」
入れなおしてもらった紅茶を飲む。はあ…美味しいわ。さすが王城。
「生意気だぞ?お前!」
「陛下に殿下を甘やかさないように申し付かっておりますので。」
明後日の方向を見て、殿下がお茶を飲みだす。テーブルに頬杖をついて、なんともお行儀の悪いことで。
「ではお伺いいたしますが…殿下の理想の嫁とは?どんな女性がご希望なんでしょう?歩み寄れるところは歩み寄るつもりでございますので、お聞かせいただけますか?」
「はあ?」
陛下によく似たサラサラの金髪に、ブルーの瞳。黙ってりゃあいい男なのに。残念!
ようやくこっちを見た殿下が、語りだす。
「いいか、よく聞け。まず、そうだなあ、髪は金髪でくりくりでキュートで、ピンクとかフリルが似合う女の子で、背があまり高くなくて小動物系で…仕事もできる子。」
「……」
「それから…甘え上手で、自己主張があってもいいけど、だってーとかな?カワイイ系。それからな…」
…こいつ、頭、お花畑か?
あ、この焼き菓子美味しい。余ったら貰って帰ろう。