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第4話 その頃…

初海のアクティブスキル神速を俊足に変更しました。

3人は1日目の修業を終わらせ、城の宿泊スペースまで戻ってきた。

「それで、どうだった?」

初海がくつろぎながら聞く。

「私はずっと本を読んでるだけだった。」

天音が本を読みながら答える。

「帰って来てから、ずっと本読んでるよな。」

柊が少し呆れ気味で話す。

「そういう柊は、何かしたの。」

天音がジッと柊を見る。

「よくぞ聞いてくれました!」

柊はそう言うと、道場で起きた出来事を話した。

「え!!てことは、文字通り無限に成長出来るってこと!?最強じゃん!!」

初海が口を丸くする。

「そゆこと!!俺はこのスキルで最強への道を歩むんだ!!」

柊が目を輝かせながら片手を握って上げる。

「じゃあ話を聞く限り、私のスキルとかはあまり見せない方がいいね。」

「そうだねぇ。」

天音が本を読んだまま話し、初海がそれに反応する。

「え〜なんで!!俺の最強への道に付き合ってくれてもいいじゃん!」

柊が困ったような顔で言い放つ。

「当然じゃない?せっかくなら、私も皆に負けないように強くなりたいし。」

「同じく。」

初海が説明し、天音がそれに共感する。

「え〜!いいじゃんか!お願いだって〜!」

柊が2人にしつこくお願いする。




一方その頃、リークリッヒ王国の隣国でその国の王、ドルマゲスと側近のルーヴェルが話していた。

「ルーヴェルよ、最近のリークリッヒに動きはないか?」

ドルマゲスが、ルーヴェルに聞く。

「はい、それなのですが、リークリッヒが今日異世界者を召喚したとの情報が入ってまいりました。」

ルーヴェルが話し出す。

「なんと!それは誠か!」

ドルマゲスが問う。

「はい、私の部下による、信用出来る情報です。」

ルーヴェルが答える。

「リークリッヒが動いたということは、我々も()()の準備を進めなくてはならんな。」

ドルマゲスが何かを企んでいる言い方をする。




場所は変わってリークリッヒ王国の城壁周辺でのこと。

「ここの警備ってなんの意味があるんだろうな。」

周回中の騎士Aが、あくびをしながら話す。

「本当だよな。こんなでっかい壁に向かって攻める奴らを、俺たちだけで止めれるわけないっての。」

隣の騎士Bが、腕を頭の後ろで組みながら話し返す。

「休み欲しいよな〜。」

と、騎士Aが言ったその時、

「油断は禁物ですよ。」

いつの間にか現れたフードを被った謎の男が、真後ろでそう言い放った。

「だ、誰だ!!」

騎士Aが振り返り、そう叫ぶ。

「クックック、他人(ひと)に誰かと尋ねる時は、まず自分から名乗るのが騎士道というものじゃないですか?」

謎の男が問いかける。

「そうだったな、済まなかった。俺の名前は…」

と、騎士Aが言おうとした次の瞬間、騎士Aの首は胴体から無くなっており、兜の中身の頭が、そのまま鷲掴みにされていた。

「クックック、だから言ったでしょう?油断は禁物だと。名前を名乗る暇があるのなら、敵に向かっていく、戦闘者の基本ですよ?クックック。」

男が不敵に笑う。

「う、うわぁ!!」

『なんだコイツ…。こんなの勝てるわけが無い……。』

騎士Bは足がすくみ、絶望した表情で後ろに倒れ込む。

「ん?最期まで敵に立ち向かいましょうよ。あなたは騎士の風上にも置けませんね。クックック、そんなあなたには教育が必要なようです。」

男がそう言い、手を振り上げる。

「そこまでよ。」

突然、横から声をかけられる。

「誰ですか?人の楽しみを邪魔しないでくださいよ。」

男が横を見ると、そこに立っていたのはなんとリズだった、

「はぁ、仕事が終わって一息ついてたのに。悲鳴を聞いて駆けつけてみたら面倒くさい状況じゃない。はぁ、残業は嫌いなのに。」

リズが、相変わらずのローテーションで話す。

「でしたらあの世で、自由に暮らさせてあげますよ!」

男はそう言うと、リズの顔めがけて高速で短剣を投げ、それに合わせて突っ込む。

「ワープゲート!」

リズがそう唱えると、リズの顔の目の前にワープゲートが現れて短剣を消し、直後に少し下から再びワープゲートが現れ、先程の短剣が相手に向かって飛ぶ。

そして男は短剣を弾き飛ばし、後退する。

「クックック、面白い。あなた、相当戦い慣れしていますね?ですが、残念ですね。どうやらあなたは、私の動きを追えないようです。」

そう言うと、男の手元には血のついた短剣があった。

「意味が分からない。」

リズがそう言った直後、リズの首元に一筋の線が入り、赤い血がスゥっと流れる。




場所は戻って柊の部屋、柊は気持ちよく熟睡していた。

『う……しぅ………柊、目を覚まして。』

誰かが頭の中で柊に呼びかける。

そして、柊が目を開ける。

すると目の前には、女神の姿をした可愛らしい少々が柊を覗き込んでいた。

柊が眠そうに上半身を起こし、不思議そうに周りを見渡す。

そこは、綺麗な星空が広がる草原の上だった。

「え?きみは?」

柊が問いかける。

「ふっふっふ、良くぞ聞いた。私こそが、この世界のトップオブトップである四大女神が1人、星の統括者ことステラ様よ!」

ステラが話す。

「えw?君が女神w?いやいやないないww」

柊が嘲笑う。

「はぁ?失礼ね、私だって立派な女神なんだからね!」

ステラが少しムスッとする。

「いやぁ女神って、もっと包容力があるお姉さんなんだよ〜?」

柊がウザさ全開で話す。

「はぁ、そんなに言うなら私の力、見せてあげるわよ。見てなさい!」

と言うと、ステラが片手を天に掲げる。

次の瞬間、夜空がキラッと光り、巨大な燃え盛る隕石が現れる。

天墜(てんつい)!!」

ステラがそう叫び、手を振り下ろす。

すると、隕石が柊に向かって落ちていく。

「ちょっ待って!!分かった!分かったから!!ストップ!!ストーップ!!」

柊が大焦りする。

その時、ステラは余裕の表情で指をパチンッと弾く。

そして隕石にヒビが入った瞬間、隕石は大爆発を起こし砕け散った。

「うおぉ、スゲェ…。」

『てか、もしかしてアレも模倣出来たりするのか?』

と柊は考え、片手を天に掲げるが、何も起きない。

「ん?何をしているの?」

ステラが不思議そうに聞く。

「あ、いやなんでもない。」

柊が少し慌てる。

『規模が大きなスキルは摸倣出来ないってことか?コレが"まだ出来ない"か"出来ない"かでかなり大きく変わってくるな。』

柊が考える。

「私の凄さが伝わったならいいわ。それで本題なんだけど、私が他の女神とのジャンケンで負けたから、し・か・た・な・くあんた達の仲間に私が加わることになったの。」

ステラが語り出す。

『俺の仲間になるのがそんなに嫌なのか?ジャンケンで決めるって……。』

柊が少しヘコむ。

「ん?でもなんで、女神様がわざわざ俺達の仲間になってくれるんだ?」

柊が疑問を投げかける。

「あー、それはあんた達が、その世界でもかなり珍しい伝説的な職業しか居ない最強パーティだからよ。」

ステラが当然のように語る。

『だったら尚更ジャンケンって……。』

柊が再度ヘコむ。

「あ、そろそろ時間みたいね。私が仲間になるのは、あんた達の修業が終わってからだから、忘れないでよね!」

ステラがそう言い終えると、柊の視界がぼんやりとしてくる。

『なんだ……急に…眠く………』

柊は気絶するようにパタリと倒れ、眠ってしまった。

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