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復帰

　朝風に乗艦した瑠璃子は会議室に士官を集めた。「皆さん、すばらしい知らせがあります。私たちの伊沢悠木艦長が復帰しました。フォボス沖海戦での功績により少佐に昇進しました。では拍手で迎えてください。」

「久しぶりだね。引き続き子供艦長をすることになった。よろしく頼む。ぼくからはあまり言うことはない。何しろ病院で気がついたらリハビリもそこそこに連れてこられたからね」と悠木。

「それから、わが司令部の幕僚も以前と同じメンバーよ。参謀長の天野瞳中佐からひとこと挨拶してもらいます」と瑠璃子。

「皆さん、引き続き予断を許さない状況です。私たちがここに戻ってくるのに時間がかかったのは、艦長の治療という名目もありますが、作戦立案とそれにともなう地上の統合本部との打ち合わせがあったからです。先の作戦で理解してもらえたと思いますが、この艦には特別な能力と任務があります。そして今の戦況を覆すことが可能であると私は信じています。必ず道は開けるはずです。あなたたちの敢闘に期待しています。」

「これから、我が艦隊は宇宙連合海軍の艦隊との合同訓練を行うため、月に向かいます」と瑠璃子。「すぐに発進の準備をしてください。以上です。」